前回は、借入金を利用して、賃貸マンションを建てることで相続税対策になるといったことをお伝えしましたが、落とし穴はないのでしょうか?

 前回の例で言えば、5,600万円の相続税を節税するために、1億円の借金を背負うことになるのも事実です。そして、借入金には利息を付けて返済しなければなりません。

 そして、今後も含めて、日本の人口は減少していき、賃貸住宅の需要も減少していきます。例えば、大阪の都市部であっても、現在、空室の賃貸マンションが何千以上もあるのが現状です。

 賃貸マンションは立地も重要ですが、駅前でない限り、建物が古くなるとともに入居者も集まりにくくなります。その分だけ、賃料を下げざるを得ない状況もあります。将来、借入金が返済できないといったリスクも含まれています。不動産の賃料収入は安定していると言われていますが、20年~30年といった長年にわたって入居者を確保する必要があります。

 そこで、家主さんの空室リスクを減らすために、一括借り上げ(サブリース)を行い、入居の有無に関係なく家賃を保証するといった提案をすることがあります。ただし、必ず一定期間ごとに家賃の見直しを行うことが契約条項に入っているため、将来にわたって、家賃が保証されている訳ではありません

 また、遺産分割の時に、賃貸マンションを分けることができないといったトラブルも発生しています。不動産を複数の者で所有するといった共有は、将来の相続トラブルを作る原因にもなりやすくなります

 このように、相続税対策をしないで、そのままにしておけば良かった、といった事例も多々あります。相続税対策だけに目を奪われるのではなく、今後のことも考えて相続税対策をご検討されることをお勧めします。(執筆者:岡田 佳久)