先日、海外出張の際に、一度”どんなものか”を体感するためにAir Asiaを使ってみました。Webで予約するシステムは最初は戸惑いますが、概ね日本の航空会社と変わりなくシートもちゃんと選べます。ただし持っていく荷物の重さに注意しないと追加料金が取られるので、予約の段階である程度の荷物量をチエックしていく必要があります。

 行きの便に関して搭乗時間が遅れ、グランドスタッフは多少あわてていましたが、CAさんたちはやることがないのか、日本の航空会社では見られないことに、お客さんが使う喫煙室で雑談していたのが印象的でした。

 予約していた機内食はお安いですがコンビニ弁当よりシンプルで、お酒はもちろんソフトドリンクやお水も別料金であります。あげくのはては機内の空調が私以外でもおそらく多くの日本人にとって異常に寒く、毛布を借りるのもお金がかかり(クラスによって違うでしょうが…)その毛布がエアアジアカラーの真っ赤なので、白いシャツに赤い毛玉が着きまくるというすさまじいモノであります。

 と、悪い点ばかりをあげましたが多少の遅れは飛行機ではあることですし機内食はネットで予約しておくことですぐ配られ、前方からCAさんが「ビーフorチキン」と何度も同じことを繰り返しすべての乗客に聞くため時間がかかり、こちらに来るころにはもうチキンしかない…なんてことがないですし、免税の販売もあっさりして何度も売りに来ることもないため機内も静かであります。

 買いたいモノや飲みたいモノがあったら、ある程度の用意はしてあり、「こっちから察知しないけど、欲しい人は言ってね!」的なスタンスであります。

 その合理主義の究極なものがCAさんの制服や宿舎でした。

 制服に関して結構ボディ-ラインにピッタリしていて、お若く美人なCAさんが多いので私のようなおじさま向けの”機内サービス”の一環かな~なんて思っていたのですが、何気に機内誌を読んでいるとその説明があり、使われている素材は”compression”といって、伸縮性が高く多少の圧迫感から血行を高めるものでサッカーのユニフォームやマラソンのアンダーウエアとしてよく着られる、銀イオンコートもされた、いわばスポーツウエアを採用しているようであります。

 携帯性に優れ、動きやすく、雑菌が多い機内の最適なウエアとして選ばれたようであり、もちろんある程度の見た目も保ちつつ機能性を重視し、美に関しては個々のスタイルで勝負をし、スカーフなどの手間のかかるものはカットしてしてしまう割り切りがすごいです。

 また、クワラルンプールの国際空港(KLIA2)内をうろうろしていると、空港内のターミナル内にCAさんが吸い込まれていく施設を見つけました。

 AirAsiaのスタッフ限定なので内部までは見れず確定的な情報ではありませんが、そこから人が行き来きしている様子を見ると、どうやら宿泊機能をもった休憩室のようであります。

 考えてみればCAさんはスケジュールにより夜遅かったり朝早かったりとハードワークで、外に遊びに行くエネルギーもなく、一分一秒でも早く寝たい時もあるわけで空港内に宿泊できれば移動もなく楽チンであります。

 東京に住んでいる時、羽田や成田の電車内で、さっきまであんなに笑顔をふりまいていたCAさんが、疲労困憊の状態で都内の航空会社の関連企業が経営するホテルに向かいながら、明日のスケジュールを見てため息をついている様子をしばしば見ましたので従業員にとっても会社にとっても非常に合理的な選択のような気がします。

 かなり乱暴な表現をすると機内では「水を運ぶんだって燃料がかかるんだから欲しければ金を払え! 機内の設定温度はウチはこうだから、寒いなら自分で用意するか毛布を貸してやるから金を払え!」的なとこもありますが、狙って行ったのか結果としてそうなったのか分かりませんが、LCCはいたる所に既成概念を超える合理性を発揮し、それがコストの削減につながり、我々にお得な運賃を提供してくれる要因になっているのではないかと感じ、また是非利用したいと思ったのでありました。(執筆者:田井 能久)