ドルに対し円は70円台半ばに下落し、70円台を切る可能性も指摘された2011年。しかし、いつの間にかドル円相場は110円台へ。現在のレートは108円前後となっていますが、超円高時代が遠い昔のように感じるのは私だけでしょうか。

 円安急進となれば、先ず注目が集まるのが輸出関連株。その中でも自動車株は人気で、トヨタを筆頭にホンダ、日産といった銘柄に買いが集まっているのは言うまでもありません。

 しかし、そうした “円安銘柄” の陰に隠れて、新たな円安銘柄が密かに人気を呼んでいることはご存知でしょうか? その新たな円安銘柄のキーワードは、「訪日観光客」です。

 日本から海外へ渡航する時、円安ですと旅行費が当然割高になるわけですが、逆を言えば、海外から日本に旅行する観光客にとっては、旅費が割安になるのです。そうなると、自ずと海外からの訪日観光客が増加しますから、訪日観光客が増えることで恩恵を受ける企業が出てくるのは確かです。

 実際、訪日観光客は目を見張るほど倍増しています。2011年、海外からの訪日外客数は合計621万8,752人だったのに対し、2012年は835万8,105人、2013年には1036万3,904人となっており、明らかに円安効果が訪日外客数という形で表れています。<訪日外客数データ出典元:日本政府観光局(JNTO)> 2020年には東京オリンピックが開催されることを考えると、この勢いは当分続きそうです。

 となると、訪日外客数増加によって恩恵にあずかることのできる銘柄は何か? と考えることになりますが、ホテルや有名観光地関連銘柄が先ず値を伸ばす、と言われています。実際のところ、9月下旬に日経平均反落時にも、幾つかのホテル・観光地関連銘柄の株価は上昇していました。

 また、以下で紹介する「帝国ホテル(証券コード9708)」の訪日外国人客数は大幅増加、宿泊稼働率は高水準をキープし、増配が期待されています。

 その点を考えると、「円安=輸出関連銘柄上昇」という方程式に新たな方程式、「円安=ホテル・観光地銘柄上昇」を加えても、何もおかしくありません。

 それを踏まえ、今後どの銘柄にスポットを充てれば良いのか、狙い目の銘柄をピックアップしてみましたので、以下参考にされて下さい。


 ご覧の通り、ご紹介した7つの銘柄すべてはどちらかというとメジャーな銘柄と言えると思いますが、基本的に訪日外客数が増えることで一定以上の恩恵を受けられる銘柄となっています。

 実際の株価チャートを見れば一目瞭然、上記7つの銘柄のほとんどが2012年以降、順調に株価が上昇しています。しかし、ポイントは銘柄の選別です。

 今後の株価上昇による為替差益を狙うだけでなく、配当や優待といったインカムゲインを視野に入れるとなると、投資家それぞれの思惑が違ってくると思います。また、どの銘柄にもメリットや特徴がありますので、その特徴を鑑みた上で今後の売買判断を下すことが大切です。

 例えば、為替差益だけでなく株主優待を楽しみたいというのなら、株主優待を予定している企業の優待商品を比較し、且つ株式購入代金を財布と相談しながら的を絞りましょう。

 逆に、優待はなくても良いからなるべくリスクを抑えた株式売買をしたいというならば、PERとPBRの数値が相対的に低い割安株に狙いを絞るのが賢明です。また、上記の一休と帝国ホテルの有利子負債は0円(東洋経済新報社の会社四季報による)となっていますので、投資対象として安心感のある「堅実銘柄」とも言えます。

 上記7銘柄の他にも「円安銘柄」となるホテル・観光地関連株がありますので、どうぞ探してみて下さい。そして、今後の株価上昇を期待できる銘柄を選別出来たら、後は株価調整時期を狙って押し目買いをすればOKです。(※株式売買を含むすべての投資は自己責任でお願い致します)(執筆者:堀 聖人)