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「ねんきんネット」で年金見込額を確認しよう

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「ねんきんネット」で年金見込額を確認しよう

50歳以上の人の「ねんきん定期便」に記載されている年金見込額

 毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」(以下「定期便」という)。50歳以上で老齢基礎年金の受給資格期間を満たしている人の「定期便」には、現在加入している年金制度に60歳になるまで加入するものと仮定した年金見込額が提示されています。

 ところが、これまで払ってきた保険料の割に、「老齢厚生年金」の額が異常に少ない人たちがいます。それは、厚生年金基金(以下「基金」という)の加入歴がある人たちです。

基金加入歴のある人の年金見込額が少額になっている理由

 基金は企業年金の一種ですが、老齢厚生年金の一部、というより大部分を国に代わって支給する(「代行」という)仕組みになっています。

 代行部分に、基金独自のプラスアルファ給付が加わるので、国から支給される(日本年金機構で管理している)老齢厚生年金と、基金の年金と合わせると、基金加入歴のない人より受給額が多くなるはずです。

 ところが、「定期便」の見込額が異常に低い。

 たとえば、新卒以来ずっと同じ会社に勤め、厚生年金の加入期間=基金の加入員期間である人の場合、「定期便」に記載された老齢厚生年金の見込額が500円とか600円とか、そんな額だったりします。実際は、基金から支給される分も含めると100万円くらい(国民年金からの老齢基礎年金を除く)になる人です。

 それは、「定期便」に記載されている見込額は国から支給される年金額だけだからです。

転職歴のある人は基金の代行部分の存在に気づきにくい

 前述のように極端に少ない金額が提示されていれば、さすがにおかしいと思いますよね。しかし、微妙な金額の場合は気づかないかもしれません。

 大卒で転職歴のある人の例ですが、60歳までサラリーマンを続けたと仮定した年金見込額が約45万円と提示されていました。

 「こんなに少ないのか!?」と、年金制度に対して怒りを覚えたのですが、基金に加入していたこと自体忘れていたし、「何かの間違いだ」とまでは思いませんでした。

退職時に一時金をもらっても、全てを清算したわけではない

 もう一つ、基金から支給される分もあることに気づかないケースがあります。それは、退職時に基金から一時金をもらった人たちです。一時金で清算したのは「加算部分」であって、「基本部分」(代行部分+α)は基金に残っています。「定期便」の年金見込額が、加入期間に比べて少なすぎると思ったら、基金加入歴がないかどうか調べてみてください。

 なお、基金の加入員期間が短い人や、加入していた基金が解散してしまった人の年金は、企業年金連合会から支給されます。

基金のことは本来、基金に聞かなければ分からない

 基金から受給できる年金額は本来、加入していた基金に問い合わせなければ分かりません。

 ただし、年金見込額を算出してもらえる年齢は、基金ごとに異なります。加入していた基金の「加入員証」を探し出し、基金のサービスを調べてみてください。昔加入していた基金の加入員証がなくて、名称もわからない場合は、年金事務所または街角の年金相談センターで調べてもらえばわかるようになっています。

 現役で加入している人は、会社で聞いてみてください。基金加入員期間が短い人等は、企業年金連合会HPの企業年金記録確認サービスを利用するとよいでしょう。

「ねんきんネット」で、基金代行部分の見込額もわかる

 先ほども述べたとおり、基金から支給される年金の見込額は、基金ごとに提示してもらえる年齢が異なります。まだその年齢に達していない人が、大まかな金額でも知りたいときはどうすればよいのでしょうか。

 そんなときは、ねんきんネットを利用すると、「年金見込額試算」の頁で基金代行部分の見込額も見ることができます(プラスアルファ部分が計算されておらず、正確な数字ではありませんが)。

 「ねんきんネット」は、日本年金機構のHPから登録し、5日程度でユーザIDが郵送されてきたら、利用できます。


≪「ねんきんネット」で基金代行部分の見込額が確認できる≫

 なお、基金加入歴のある人の相談事例については、別の媒体で執筆したことがあります。データが若干古いですが、お役立ていただければ幸いです。http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20091022/1029785/

 以上です。(執筆者:服部 明美)

《服部 明美》
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服部 明美

服部 明美

社労士はっとりコンサルティングオフィス 代表 短大卒業後、広告デザイン会社を経て、社会保障分野の出版社に編集者として22年間勤務。平成18年度社会保険労務士国家試験に合格し独立。平成19年10月、社会保険労務士会登録。平成21年4月、埼玉県桶川市にて開業。桶川市商工会会員。平成23年5月、社団法人日本産業カウンセラー協会に産業カウンセラーとして登録。「お客さまの心に寄り添う社労士」をモットーに、年金とメンタルヘルスに強い社労士として活動中。二児の母。 <保有資格>:社会保険労務士、産業カウンセラー 寄稿者にメッセージを送る

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