「解散相場」が始まった今、株を買うのは正解か?

 今の市場が注目するのは、何と言っても衆議院の解散&総選挙。このビックイベントを控え、金融市場は解散相場だと言われています。つまり、解散&総選挙の後、日本経済はどうなるかを見据えて取引され始めたというわけです。

 それもそのはず、株式市場というのは数か月~半年後を見据えて動きます。総選挙が終わってから 「さて株価はどうなるか?」 と考えるのでは、ちょっと遅すぎるんですよね。解散&総選挙後を見据えて、今、動き出さなければなりません。

 これから半年後の株価を予想する上で、株高と株安になるであろう各要因を分析してみましょう。それらを見てから株を買うか、または売るかを判断できると思います。

株高要因

 自民・公明両党が衆議院総選挙を乗り切り政権維持するならば、それは株高要因になります。今回の選挙は「増税延期信任選挙」ですから、もし自民・公明で議席数の半数を超えたなら、基本的に国民の信任を得たことになります。そうなると、政権基盤を固め、且つその後の政権のかじ取りが比較的容易に。そして、景気対策が機動的になり、結果として株高に繋がると思われます。

 GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資金運用基準が変更になり、資産全体の25%を国内株式で運用することとなりました。今までが12%だったわけですから、運用資産は倍以上に。運用規模としては世界トップクラスの機関ですから、GPIFの国内株式買い増し⇒株高、と期待されています。

 ただし、GPIFだって高値掴みをするつもりはないはず。株価が安くなったところで買い増しするでしょうから、あくまでも日経平均株価の下値を支えてくれる程度と見ておくのがベターです。

 また、忘れていけないのが、NISA。8月末時点で、口座開設者の3分の2は未だに株式未購入でした。年末に向けてNISA需要を要因として、ある程度株価が上がるかもしれないと言われています。これも株高要因として覚えておきたいところ。

 この他にも、2015年に入れば、アメリカの利上げ時期に注目が集まることが必至です。アメリカが利上げとなれば、異次元緩和を行なう日本との金利差は更に開き、さらなる円安・ドル高が進行。結果として株高を演出してくれることになるでしょう。

 こうして見ると、日本の株高要因が濃い印象ですよね。となると、日経平均株価18,000円どころか、もしかしたら20,000円に届くのでは…? と感じるところですが、それはちょっと気が早すぎます。株高要因が沢山ある反面、株安要因も混在しているのが今の日本経済の現実なんです。

株安要因

 可能性は低いですが、総選挙で自民・公明両党が大敗し政権交代となれば、これは不安先行の株安要因となるでしょう。今のところその心配は要らないでしょうけども、万が一の時の事を考えておくべきです。

 先日発表になった「日本・四半期GDP(速報値)」は前期比-0.4%、前期比年率-1.6%でした。これが何を意味するのかというと、もしかしたら日本の潜在成長率がマイナスとなったことを示す数字かもしれないのです。

 潜在成長率とは、将来的に国がどれだけ経済成長を見込めるかを表す指標です。今の国の成長率がプラスでも、いずれ潜在成長率と同等の数値になる可能性が大きいので、もし今の日本の潜在成長率がマイナス転落ならば、今後の株高が期待できないどころか株安の要因となってしまいます。

 今後の成長率が期待できないとなると、それはアベノミクス、日銀異次元緩和、黒田バズーカ、すべてが失敗に終わるということです。そうなれば政局混乱は免れず、日経平均は暴落するでしょう。2012年後半からじりじりと上がってきた株価急落の時が来るのでしょうか。

 それは誰にも分かりませんが、もしアベノミクス失敗が表面化すれば、日本発の世界同時株安勃発の可能性も。それが2017年に起こったとしたら、2017年の株価暴落説が現実のものに!?

 というのは、以前もお伝えしたのですが、末尾が7の年数には必ず金融危機が発生しているんです。

◆1987年:ブラックマンデー
◆1997年:アジア通貨危機
◆2007年:サブプライム問題表面化

 しかも、2017年4月に消費税を必ず10%にすると、安倍首相は公言していましたね。今後、アベノミクス失脚、景気後退のなか増税になったとしたら…不安は募るばかりです。もちろん、これは仮説に過ぎませんが。

近づく”日経平均の天井”

 今後の株高&株安要因を総合的に考え、どんな取引が “正解” と言えるでしょうか。当然、正確な答えはありません。しかし、一つ確かなことは、2012年に9000円台だった日経平均が、2014年の今では約17000円ですから、約8000円の株高が生じたわけですね。まさにアベノミクスパワーであり、黒田バズーカ砲の恩恵だったわけですが、今から同じように日経平均 +8000円は考え難いです。

 数年間に及ぶアベノミクス相場の伸びしろがあとどれほどなのかと考えると、やはり限界があるのは確かです。根拠の一つを挙げるとすれば、黒田バズーカにも限界があるという点。日銀のマネタリーベースは無限に拡大するわけでなく、2016年には400兆円オーバーとなる予定ですが、限界は450兆円とも言われています。

 となれば、そんなには遠くない将来に日経平均の天井が見えてきますから、これを意識して下さい。

 こまめに利確

 これから株を買おうという場合、一定の含み益がでたらすぐに売る。株価が下がったら買い、一定の値幅をとったら早めに売る。これを繰り返しつつ、損切りを怠らない。そう、こまめに利確し、最大限リスクを抑えた取引を心がけるのが “正解” かと。参考になれば幸いです。(執筆者:堀 聖人)

この記事を書いた人

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「お金のために働くのではなく、お金に働いてもらう」ことをライフテーマとするアラフォー。銀行にお金を預けるだけでは時間とお金を活かしきれていないと悟り、お金がお金を生む仕組みを独学で学ぶ。投資歴は株式投資8年、FX3年。開設済み証券口座は5口座、FX口座は10口座以上。株式投資、FX投資、クレジットカードをメインに鋭い視点からなるコラム執筆中。日経ヴェリタスなどでもコメント。
<保有資格>:第二種証券外務員資格
<メディア掲載>:日経ヴェリタス 2015年11月15日号、 株完全ガイド(晋遊舎)
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