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年々負担増す社会保険料額 制度活用の為に知っておきたいこと

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年々負担増す社会保険料額 制度活用の為に知っておきたいこと

会社員の方は給与から雇用保険料、健康保険料、介護保険料(40歳以上65歳未満の方)、厚生年金保険料の社会保険料が控除されています。これらが年間でどれくらいの金額を控除されているか、意識したことはあるでしょうか?


 平成27年1月現在の保険料率は労働者負担分として、合計15.082%(雇用保険0.5%、健康保険4.985%(東京都の場合)、介護保険0.86%、厚生年金保険8.737%)となります。

 このうち、厚生年金保険料率は平成29年まで引き上げられ、労働者負担9.15%(労使で18.3%)となることが決まっており、健康保険・介護保険は何%になるという明示はないものの上昇傾向にあり、年々社会保険料の負担は増すばかりです。

 この社会保険料について、会社に勤め、給与を貰い始めたときから当たり前のように毎月控除されているがゆえに、各月および年間の社会保険料の金額を意識されている方は少ないと思います。

 ここでは、1ヶ月当たりの保険料の例を示し、年間でどれほど払っているかの意識を持っていただき、多額の保険料を支払っている保険制度活用の為に、事前に制度を知ることで、どのような場合に活用が出来るか一例をご紹介いたします。

給与約1.8ヶ月分が年間の社会保険料負担

 ここでは平成27年1月における東京都の一般的な業種を前提として、それぞれ固定給による試算をした例を示します。


※保険料率はそれぞれ、雇用保険0.5%、健康保険4.985%、介護保険0.86%、厚生年金保険8.737%として合計15.082%を被保険者本人の負担分として試算しています。


※実際には保険料率が変更されることがある為、単純に12倍で年間分とはなりません。


※保険料計算の仕組みに関する詳細は割愛させて頂きます。


 このように、毎月、当たり前のように給与から控除されている金額を単純に12倍して年間計算をしてみますと、会社員の方々は毎月の給与の額面の約1.8ヶ月分の金額の保険料を支払っていることになります。

 これほどの金額を支払い加入している保険のことをどれほど皆さんは詳しく知っているでしょうか。勝手に控除されるものなので、知っても意味はないと思っている方の為に、下記に一例として、事前に知っていることで皆さんにとって便利な制度をご紹介いたします。

制度活用~医療費が高額になるとき

 健康保険に高額療養費制度というものがあります。こちらは医療費が高額となるときには自己負担に限度額が適用されるというものですが、事前に制度を知っているかどうかで、窓口での一時的な負担額が大きく異なります。

 例えば窓口負担の金額が30万円の場合、事前に対応をしない場合には、窓口では一旦、30万円の支払が必要となり、後から制度を利用し申請することで約21万円が払い戻されることになります。

 一方、事前にこの制度を知っている場合には事前の手続きで「限度額適用認定証」を取得することで、窓口で30万円の支払は要らず、約9万円の支払いで済むことになります。

 どちらの場合でも、結果としては約9万円の支払いにはなりますが、このように事前の対応の有無により一時的な負担が大きく異なることになります。

※ 制度の詳細は割愛いたします。給与水準により上記の例とは異なる場合があります。

 人によっては上述した制度の他、各保険の恩恵を受ける場面は少ないかもしれませんが、どのような制度が存在するのか事前に知っておくことで、万一の際に差が出てくることがあります。

 年間で多額の保険料を支払い、年々増していく社会保険料について、どのような場合に自分が活用できるものなのか、万一のことが起こらないうちに確認し、活用できるように備えることも必要ではないでしょうか。(執筆者:木脇 三博)

《木脇 三博》
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木脇 三博

木脇 三博

木脇社会保険労務士事務所 代表 銀行系証券会社を経て、神田の社会保険労務士法人に勤務。平成26年に法人にて役員に就任したが、士業として自ら開業すべく、木脇社会保険労務士事務所を平成27年秋に開業。企業の社内制度の構築などコンサルティング業務を中心に各種セミナーなどを行う。『2014年版 現役社労士 労務担当者のための法改正がわかる本』を共著として翔泳社より出版。 <保有資格>:社会保険労務士、医療労務コンサルタント、AFP、二級ファイナンシャル・プランニング技能士 寄稿者にメッセージを送る

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