1. 保険会社の運用はどうなっている?

 日銀が金融緩和によって大量の国債を買い入れるなか、国債の長期金利の低下が継続。この長期金利の低下が、銀行預金に代わる個人マネーの受け皿となっていた貯蓄型保険に影響を及ぼしている。

 生命保険は長期契約が基本。保険会社の資産運用も長期に渡って損失を出さないような基準が求められている。

 1997年~2000年にかけて7つの保険会社が破綻したことをおぼえている方も多いと思うが、その原因は保険会社の運用利率が、保険契約者に約束している予定利率よりも低い状態である「逆ザヤ」による収益圧迫であった。その教訓から保険会社は、安定性を求めた運用を行っている。保険金を確実に支払うために、運用損失を出さないような確実性のある資産運用をせざるをえないわけだ。

 2013年末の生保各社の資産合計は約351兆円。そのうちの約43%である約150兆円を日本国債で運用している。日本国債の中でも10年を超える長期国債が半分以上。日本国債は投資先として安全性が高いとされている上に、いつでも換金ができる流動性も確保できるからだ。

2. 国債の長期金利の低下が続くと…

 メインの運用先である長期国債の金利低下が続くことによって、生保各社は予定利率を下げざるをえず、貯蓄型保険は金融商品としてのうまみがなくなってしまう。

 また、今後も長期金利が低下することを想定し、貯蓄型保険を販売停止する保険会社も出てきた。昨年末には、明治安田生命が個人年金保険を、第一生命とソニー生命が養老保険(満期保険が戻ってくる保険)を販売中止とした。日本生命は、2月以降一時払い終身保険の保険料を上げる予定だ。

 また4月には、一時払い年金保険の標準利率が下がり、このまま長期金利の低い状態が続けば、7月には一時払い終身保険の標準利率も下がるだろう。

※標準利率は生保各社が契約者に約束している予定利率の基準であり、国債利回りを基に決定されるもの。

 貯蓄型保険の標準利率の引き下げにより、生保各社は予定利率を引き下げ、保険料を上げざるをえないのだ(貯蓄率は下がる)。

3. 保険との付き合い方

 国債の長期金利の低下という状況下で、保険で貯蓄するうまみがなくなってくるなか、基本に立ち戻って考えていただきたいことは、「保険=保障を確保する」商品だということ。

 つまり、被保険者に万が一があった時に、残された者が経済的に窮しないために、安い掛金で大きな保障を確保して安心を買うのが保険であるということだ。(執筆者:釜口 博)