【住宅ローン控除申告】 連帯債務型住宅ローンで家屋等を取得した場合の注意点

 最近では、返済責任の範囲を明確にするためにか、取り扱う金融機関が非常に少なくなってきた「連帯債務型の住宅ローン」ですが、フラット35(住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して実現した最長35年の長期固定金利の住宅ローンのこと)では、所得合算などの際には、未だにこの形態をとっています。

 今回は、「連帯債務型住宅ローン」を組んで家屋等を取得した際に、主債務者と連帯債務者それぞれで住宅ローン控除を申告する際の注意点についてお話したいと存じます。

 念の為、お話しておきますが「連帯債務者」と「連帯保証人」とは違います。「連帯債務者」は、住宅ローン控除を受けられますが、「連帯保証人」では住宅ローン控除は受けられませんので、お間違えのないようにしてください。

返済負担割合について

 主債務者と連帯債務者の返済負担割合が明確になってますでしょうか?

 金融機関から送付されます借入金の年末残高証明書は、主債務者、連帯債務者それぞれに発行されますが、そこには借入金の年末残高総額が記載されているだけで、各々の返済負担割合や年末残高額については明記されておりません。これは、金融機関にとっては借入金全額をどちらか一人でも全額返済してくれればいい訳ですので、その負担割合については言及しないのです。

 では、どう判断すればいいのでしょうか。

 主債務者と連帯債務者間での取り決め(以下、内部契約)がなければ、登記上の持分に応じて返済負担割合を判断することになります。(内部契約があればそれに従うことになりますが、下記のような注意が必要です)

登記上の持分と返済負担割合が違う場合

 内部契約があっても、登記上の持分と返済負担割合が違うということもあるでしょう。その場合は下記、具体例のように住宅ローン控除の控除額が少なくなってしまうことがあります。

〔具体例〕
家屋及びその敷地の購入代金総額4,500万円
〔内訳:自己資金500万円(1/2ずつ拠出)、借入金総額(連帯債務型)4,000万円〕
 ・ 登記上の持分 家屋及びその敷地共1/2ずつ
 ・ 内部契約 返済負担割合 主債務者6:連帯債務者4
 年末残高総額3,925万円とします。

 この場合、一見すると内部契約で取り決めた主債務者6:連帯債務者4に従って、

 ・ 主債務者  年末残高総額 3,925万円×6/10=2,355万円
 ・ 連帯債務者 年末残高総額 3,925万円×4/10=1,570万円

 がそれぞれの年末残高となりそうですが、そうではありません。

 国税庁ホームページ(共有の家屋を連帯債務により取得した場合の借入金の額の計算)を参考にすると、登記上の持分が1/2ずつの為、自分の持分を取得するための借入金の年末残高としては、

 ・ 主債務者  年末残高総額 3,925万円× 1/2=1,962.5万円
 ・ 連帯債務者 年末残高総額 3,925万円×4/10=1,570万円

 となり、差額の392.5万円については、主債務者が連帯債務者の持分の取得のために負担(贈与)した借入金の残高ということで対象とはならず、結果、主債務者の住宅ローン控除の控除額が少なくなってしまうことになるのです。(その他、上記国税庁ホームページでは自己資金の内訳が違う場合も掲載されています)

 こうならないためには、登記上の持分を問題のない範囲でうまく調整することです。(敷地や家屋の登記手続きの段階でそこまで考慮できればですが)

 もし、登記上の持分のために住宅ローン控除の控除額が大幅に少なくなってしまう場合には、更正登記を検討するしかありませんが、その場合は住宅ローン控除の控除額だけに囚われず、総合的に勘案して判断するようにしてください!!(執筆者:小木曽 浩司)



この記事を書いた人

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リップ ラボ 代表
1969年生まれ。大学卒業後、新卒で大手住宅メーカーに入社。約10年間、戸建住宅や賃貸住宅の営業に従事。その後、生損保乗合代理店に転職し、生命保険を使った企業の決算対策や退職金準備などを提案・営業する。そして、平成18年(2006年)6月にリップ ラボ(独立系FP事務所 兼 生損保乗合代理店)を開業し、独立する。現在は、生命保険・損害保険・住宅(不動産)・住宅ローンをひとつの窓口で、トータルにご相談に乗らせていただいております。また、専門家のネットワークを構築し、税金や相続、登記などの相談の窓口にもなっております。
<保有資格>:CFP認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、貸金業務取扱主任者、住宅ローンアドバイザー、ライフ・コンサルタント、損害保険プランナー
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