オーストラリア準備銀行(RBA)は3日、政策金利であるオフィシャルキャッシュレートを2.50%から0.25%引き下げ、2.25%としました。

 一部の記事では予想外と書かれているようですが、利下げ見通しが強まっている状況もありましたので、ある程度は想定できた利下げなのではないかと思います。今回のオーストラリア準備銀行による利下げは、豪ドル債にどのような影響があるのでしょうか?

オーストラリア準備銀行の声明文

 オーストラリア準備銀行(RBA)スティーブンス総裁による声明文の骨子は以下のようなものです。(参照:Statement by Glenn Stevens, Governor: Monetary Policy Decision

 (1) 今後数四半期の経済成長はトレンドをやや下回る見通し(資源セクターの投資支出は大幅減。民間需要は緩やかに拡大。公共支出は控えめ)

 (2) インフレ率は2~3%で推移しており今後も目標と一致する水準にとどまる見通し(労働市場に一定の需給の緩みがあり、賃金の伸びは今後も緩やか)

 (3) 豪ドルはファンダメンタルズに比較して高水準。均衡のとれた経済成長には豪ドル安が必要

 (4) 金融政策は適切に設定されている。今後も緩和的金融政策を継続することが経済成長に寄与し、金利の安定期間を設けることが賢明。

 全体としては、今後の経済成長がやや緩やかになることを予想し、経済成長を後押しするために利下げを行いつつ、当面は金利水準は安定させるといった内容になっています。

オーストラリアの経済成長

 オーストラリア経済は2013年以降は概ね2.5%程度の成長を続けています。しかし経済成長が緩やかに続く一方で、失業率はじわじわと悪化を続け、現在では6%を超える水準になっています。こうした失業率の悪化に対して、利下げで経済成長を後押しすることで対応しようというのが、オーストラリア準備銀行の狙いと言えそうです。

 もちろん利下げをすることで、現在は2~3%に抑えられているインフレ率が悪化するリスクは想定されます。しかしオーストラリアのインフレ率は2014年第4四半期には2%を切る水準まで低下しており、利下げに踏み切ってもインフレ率は抑えられると判断したものと考えられます。

 今回の利下げ決定によって、豪ドルは対米ドルで下落しています。そもそも昨年後半から豪ドルは対米ドルで下落を続けていますが、こうした豪ドル安は輸入品の価格上昇につながりインフレ率という観点ではマイナスの効果があります。しかしオーストラリア準備銀行としては、声明文の中でも述べているように、豪ドル安は経済のファンダメンタルズと比較して高水準であり豪ドル安が望ましく、仮に豪ドル安が進んだとしてもインフレ率は目標レンジに抑えられるだろうと見ているようです。

豪ドル債投資への影響は?

 オーストラリア準備銀行が利下げを行ったことで、オーストラリアの金利水準は低下し、これから発行される豪ドル債の金利も相対的に下がる可能性があります。

 今後については、オーストラリア準備銀行の声明文を読む限り、当面は現在の金利水準が維持されると考えてよさそうです。ただし市場では次回3月の会合でさらに2.00%への利下げが行われるのではないかという見方もあるようです。いずれにしてもオーストラリアとしては利下げ方向にある中で、米国の利上げの動向次第では、対米ドルで豪ドル安が進む可能性も想定しておいた方が良さそうです。

 豪ドル債投資の観点では、当面はオーストラリア準備銀行は現行の金利水準を維持または引き下げる方向にあること、どちらかと言えば対ドルで豪ドル安に進む可能性が想定されることから、豪ドル債には比較的投資しやすい環境が続くのではないでしょうか。(提供:社債投資まとめ!)