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ボーナスやお年玉の行方は? 投資信託の乗り換えは慎重に

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ボーナスやお年玉の行方は? 投資信託の乗り換えは慎重に

 早いもので、今年も1か月以上が過ぎましたね。年末やお正月はボーナスにお年玉など、大人も子どもも日頃より大きなお金を手にする時期です。1月は、そういったお金をどこに預けようかと、思案された方も多いのではないでしょうか?

株や投資信託も興味はあるけれど、損をするのが怖い。
やっぱり、元金が保証されている銀行預金が安心。

 という声が聞こえてきそうですね。


投資信託の短期売買が増えている現状

 昨年、金融庁が公表したモニタリングレポートに、面白いデータがありましたので、紹介したいと思います。

 銀行預金は、2009年の589兆円から2013年の649兆円と、着実に残高が増加しています。投資信託は、2009年の23兆円から2013年の22兆円と、ほぼ横ばい状態です。

 一方で、投資信託の販売額や収益は順調に増加しています。投資信託の残高が増えないのに販売額や収益が増加していることから、「今はこの投資信託が人気ですよ」といった投資信託の乗り換え売買が盛んに行われていることが想像されます。

 つまり、金融機関の投資信託販売の姿勢が、長期保有を目的としたものではなく、短期間の売買を繰り返す販売手数量稼ぎになっていると推測できるわけです。実際、2009年は2.8年だった投資信託の平均保有期間が、2013年には2.0年と短くなり、ますますその傾向が強くなっています。

 もちろん、投資信託の売り手である金融機関が、収益を上げること自体は悪いことではありませんし、中には投資信託の利用者が自ら希望して乗り換えている場合もあると思います。

 金融庁のある前提条件によるものですが、過去10年間で、その時々に人気のあった投資信託に、2年ごと乗り換えたとすると、資産は3%目減りしたと試算しています。これは、投資信託の利用者が、乗り換え売買で安定した収益を得るのは難しいことを示しています。

 2、3年ごとに乗り換え売買を繰り返し、販売手数料や信託報酬などのコストを上回るには、高値と安値を的確に捉える必要があります。そもそもそれができないから、投資信託という仕組みを使い、運用のプロに任せているはずですよね。投資信託は長期保有を前提に検討しましょう。そして、長期保有を前提に商品を検討しましょう。

 また、毎月1万円ずつ、毎月3万円ずつというように、決まった金額で毎月同じ投資信託を購入していく積立投資という方法もあります。最近では、ネット証券などで少額から始めることが出来るようになりました。この積み立て投資という方法なら、投資信託の基準価格が一度下がったとしても、もとに戻るだけで利益を得ることができます。

無理のない範囲で長く続ける「資産形成」のススメ

 株や投資信託は怖いとお考えの方には、

・まとまったお金で一度に購入するもの
・売り買いのタイミングが難しい

 という共通したイメージがあるようです。

 たしかに、投資と聞くと、売り買いのタイミングを計って、まとまったお金を株や投資信託に投じることを想像する方が多いと思います。この方法だと、大きな利益を上げられるかもしれませんが、損をする確率も高いですね。そもそも、この株・投資信託が上がるか下がるか判らなければ、利益を得ることはできないのですから。

 こういったやり方を資産運用と言うとすれば、私が皆さんにお伝えしたいのは、資産形成というやり方です。本来、資産形成とは無理のない範囲で長く続ける。そもそも、将来に向けてまとまったお金をつくるために、毎月少しずつ投資していくものです

 現役世代で継続的な所得があるうちに、長期保有と積み立て投資を始めていてはいかがでしょう。(執筆者:渡辺 紀夫)

《渡辺 紀夫》
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渡辺 紀夫

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株式会社 デルフィー 代表取締役 兵庫県西宮市を拠点に活動しています。毎月15世帯ほどのご家族が相談にみえられますが、よく「FPって、もっと敷居が高いと思ってました。」と言われます。学校で教わらない住宅ローンや保険など、きっと多くの人が誰かに相談したいはず。FPがもっと身近な存在になることを願いながら、毎日ワクワクしています。 <保有資格>:CFP®、1級FP技能士、住宅ローンアドバイザー、トータル・ライフ・コンサルタント 他 寄稿者にメッセージを送る

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