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FXCMジャパン証券、“常識” を打ち破る年間5,000円の口座管理費を徴収

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FXCMジャパン証券、“常識” を打ち破る年間5,000円の口座管理費を徴収

 株式取引に必要なのが株式口座なのに対し、FX取引をする時に必ず必要になるのがFX口座。株式口座と同様で、FX口座管理手数料はどのFX会社でも無料としています。ですから、口座開設キャンペーンのキャッシュバックを目当てにFX口座をいくつも開設する、というのが可能なわけです。

 しかし、条件を満たさない時に限り口座管理手数料を徴収するという、 “常識” を打ち破ったFX会社が出現したんです。それが外資系FX会社の「FXCMジャパン証券」。

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(画像元:FXCMジャパン証券HP https://www.fxcm.co.jp/)

 FXCMジャパン証券は1月29日、口座保有者に以下のようなメールを送信しました。

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 今まで口座管理費は完全無料だったのですが、突然このようなメールを受取ったFX口座保有者にとっては正に寝耳に水。FXCMジャパン証券は公式ツイッターで毎日、為替に関する情報を発信しています。

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(画像元:https://twitter.com/fxcm_japan)

 口座管理費徴収に関するメールが送信された29日、ツイッター関連担当者のツイートから顧客の反応を垣間見ることができました。

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(画像元:https://twitter.com/fxcm_japan)

 「お客様カンカンよ…」

 このツイートがFXCMジャパン証券利用者の声を一言で表していると思います。それもそのはず、数十あるFX会社の中から “ひいき” して利用していたのに、いきなりの口座管理費徴収メールですから。口座保有者の理解はそう簡単に得られそうもありません。

 その後、FXCMジャパン証券のサポートデスクが炎上したのでしょう。2日後の1月31日に、同じくFXCMジャパン証券からこのようなメールが。

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 口座管理費に関する利用者のもっともな “意見と質問” を重く受け止めたFXCMジャパン証券。予定していた月ごとの口座維持費を白紙に戻し、2015年4月から過去1年間取引のない口座に対し年間口座管理費(年間5,000円、税込)を徴収予定とのこと

 その後、ツイッターには口座管理費徴収に関するツイートは発信されていませんが(発信できない諸事情があるように見えますが…)、何はともあれ上の条件に基づき一定の年間口座管理費が徴収されることが決定となりました。

FXCMジャパン証券が採用するNDD方式とは

 現在のFX業界において口座管理費を徴収するのはほぼ皆無に等しい中で、今回のFXCMジャパン証券の改悪。他業者が追随することは何としてもやめてほしいところですが、今回のドタバタ劇主演「FXCMジャパン証券」のメリットを挙げるとしたら何でしょうか。FXCMジャパン証券のHPを見ると、NDD方式採用をメリットの一つとして掲げています。

 NDDとは、[No Dealing Desk]の略で、ディーラーを介さずに取引する、という意味です。言い換えると、インターバンク直結式とも言えるでしょう。

 相対取引の場合、FXトレーダーはインターバンク市場で直接為替取引をするわけでなく、インターバンク市場で取引されているレートに基づいてFX業者が提示するレートで取引します。

 ですから、極端に言うと相対取引においては、FXトレーダーの取引相手となるFX会社が “ズル” ができるわけですね。FXトレーダーに不利なレートを提示することも可能と言えば可能。もちろん、そのようなFX会社はないと信じたいのですが。

 しかし、インターバンク直結ならば、レート操作が可能になるディーラーが間に存在せず、トレーダーの注文はすべて自動でインターバンクに直結するようになっています。そうすることで提示レートに公平性・透明性がでる。これがNDDのメリットであり、このNDDを採用しているのがFXCMジャパン証券というわけです。

 筆者の私見になりますが、NDDでなくても信頼度の高いFX会社を利用するなら、NDD採用にこだわる必要はないと思っています。それはまたの機会にお話しすることにしましょう。

コストに見合ったスペックがポイント

 話を戻すと、FXCMジャパン証券がメリットとしてうたっていたNDD方式ですが、採用しているFX会社は他にもあります。例えば、外為ファイネスト。

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(画像元:http://www.gaitamefinest.com/services/finest_pro.php)

 他には、セントラル短資FX

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(画像元:http://www.ultra-fx.com/)

 それと、YJFX!

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(画像元:http://www.cnex.jp/)

 FXCMジャパン証券以外に少なくとも3社はNDD方式を採用していますので、もし今回の一件でFXCMジャパン証券から他のNDD採用FX口座に乗り換えたいと考えている方は、上の3社を参考にされて下さい。(現時点で3社ともFX口座管理費は無料です)

 FX口座を選別するのに大部分の人が重要視する要素。それは「スプレッド」の狭さです。FX取引においてスプレッドはトレーダーが負担するコストとなります。つまり、大部分の人はFX取引コストを気にしているということです。

 口座管理費は当然トレーダーが負担する取引コストの内に含まれます。「1年間一度も取引のない口座」に対してではありますが、口座管理費を徴収するというFXCMジャパン証券。もしトレーダーの都合で1年間トレードしない、または他のFX口座で取引するというケースでは、FXCMジャパン証券口座がお荷物になる危険性があります。

 その年間口座管理費に見合ったスペックを提供できないならば、FXトレーダーがFXCMジャパン証券を利用してホントに良かったと心から思えないとしたら、トレーダーたちはあっという間に離れていくかもしれません。今回の口座管理費改悪が裏目に出なければ良いのですが。(執筆者:堀 聖人)

《堀 聖人》
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「お金のために働くのではなく、お金に働いてもらう」ことをライフテーマとするアラフォー。銀行にお金を預けるだけでは時間とお金を活かしきれていないと悟り、お金がお金を生む仕組みを独学で学ぶ。投資歴は株式投資8年、FX3年。開設済み証券口座は5口座、FX口座は10口座以上。株式投資、FX投資、クレジットカードをメインに鋭い視点からなるコラム執筆中。日経ヴェリタスなどでもコメント。 <保有資格>:第二種証券外務員資格 <メディア掲載>:日経ヴェリタス 2015年11月15日号、 株完全ガイド(晋遊舎) 寄稿者にメッセージを送る

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