FRBのイエレン議長は3月27日、講演の中で利上げ時期について言及しました。簡単に要約すると…

『今年後半に利上げかもね』
『雇用や物価動向を鑑みながら決めますわ』
『いきなり高金利にはしませんよ、数年かけてゆっくりゆっくり利上げです』

 といったところ。どちらかというと慎重な発言が多いイエレン議長。今回の発言も慎重の域を超えているわけではないのですが、かなり具体的な言及だったとの印象です。ケースバイケースですが、順調にいけば9月…の可能性がかなり強まったでしょう。

 しかし、イエレン議長がふれた「雇用や物価動向」に関しては、私たち投資家も注視する必要があります。特に、毎月第一金曜日に発表される「米・雇用統計」は大注目です。この雇用統計は今後の利上げのタイミングを決める重要な数値になりますから、ぜひともチェックしたいところ。

米・雇用統計とは

 アメリカの雇用統計とは、米国労働省が発表するアメリカの雇用情勢を数値化したものです。発表項目は10項目以上ありますが、その中でも注目度が高いのは…

◆非農業部門就業者数(自営業・農業従事者を含まない数値)
◆失業率

 この2項目は、FOMCが決定する金融政策に大きな影響を及ぼします。簡単に言うと、就業者数が多く、失業率が低いなら利上げ! といったところでしょう。もちろん、そんな簡単な話ではないのですが。

 3月の米・雇用統計発表は、日本時間の4月3日(金)21:30予定となっています。市場予想は非農業部門就業者数25万人増、失業率5.5%となっていますので、仮にこの数値より雇用情勢好調を指し示す数値が出れば、アメリカの利上げを強力にプッシュすること間違いありません。

雇用統計が為替市場に及ぼす影響

 米雇用統計は株式市場だけではなく、為替市場にも大きな影響を及ぼします。米雇用統計が発表された瞬間、為替市場は激動。時にバンジージャンプのように、時にロケットのように為替レートが動き、FX投資家にとって米雇用統計は月一度の一大イベントとなります。

 為替レートが “吹っ飛ぶ” ので、予想が当たれば大きな利益となりますが、予想が外れれば大損失の可能性もあり。発表時の取引はFX初心者にはおすすめできません。どれだけ為替レートが激しく動くのか、FXチャートを見れば一目瞭然です。


≪15年3月6日 米雇用統計発表時の米ドル/日本円5分足チャート≫

 画像中央に黄色い囲み線がありますが、これが “為替ロケット発射” の瞬間です。雇用統計が発表される前は、約119.9円。発表後5分で120.6円まで70銭の急騰、日付が変わってすぐの00:15には121.2円を越えましたから、22:30~00:15の2時間も経たないうちに1.3円以上もレート変動したことになります。

 ドル高円安方向へレート大変動の理由は、市場予想を超えた数値が発表されたため。市場予想は非農業部門就業者数23万5000人増、失業率5.6%。重要2項目ともに強い数値がでたので、市場は「アメリカ利上げが近づいた!」と思い、ドル買い(円売り)に走ったわけですね。

 4月3日に3月米・雇用統計が発表されますが、予想よりも強い数値が出ると同じ現象になると思います。逆に、数値が弱ければ「利上げ時期延期か!?」と市場は思い、円高ドル安方向にレートが動くかもしれません。

まとめ

◆今後のアメリカ利上げXデーを探るのに重要なのは、米・雇用統計
◆特に非農業部門就業者数と失業率に注目
◆次回の米・雇用統計発表は4月3日(金)21:30
◆雇用統計発表は為替市場の一大イベント
◆FX初心者は、その時間帯の取引を避けるのが無難

 米利上げ時期を探るために、今後の米・雇用統計は要チェックです!(執筆者:堀 聖人)