寄稿文を書いてる机上に「帳簿の世界史」とう新刊(今年4月10日発刊)があります。偶然にも今回のテーマ「会計力」の歴史を明らかにするものでした。素晴らしい良書です。是非、お読みになってください。

その序章にこういうくだりがあります。

「ルイ14世は年2回、自分の収入、支出、資産が記入された新しい帳簿を受け取った。あれほどの絶対的地位にいる君主が王国の会計(アカウンティング)に興味を示したのは、初めてのことである。」

本書を端的に表現すると「今までの歴史家が見逃してきた帳簿の力に注目し、それがいかに世界史を作り上げたかを古代文明からリーマンショックまで幅広い時代をカバーしている」ということになります。

国、会社、個人だれであろうが栄枯盛衰の歴史は会計力に依存していると本書は主張しています。我が国の今は、どの時代の鏡に映し出されたものでしょうか?

フランス革命前夜、アメリカ独立戦争、イギリス産業革命等々時代は私たちに教訓を与えてくれるものだと思います。

私が危惧するのは会計力を軽視する風潮です。投機で人心を煽る政策より、地味ではあるがコツコツ積み重ねていく努力が必要な会計力が大事なのです。家計環境を改善するにはこれしかありません。

しかし、世間は資産運用と称して高度な金融商品をもてはやすだけで、本当の資産運用が理解されていません。会計力を磨いていくこと自体が資産運用なのです。

本書にはまた、こんなくだりがあります。

「会計責任とは、他人の財貨の管理・運用を委託された者がその結果を報告・説明し、委託者の承諾を得る責任を意味する」

その意味で私たちのGPIFは資産運用変更の説明責任を果たしているでしょうか? 政府の財政は? あなたの家計の説明責任は?

みんなが簡単で信用にたる帳簿を読む力を身につけ判断し、自分自身も会計力向上に努力し続ける能力が「金融リテラシー」の最も大事なことだと思うのです。私は、今の金融環境を打破する必要があると思っています。その意味で「会計力」は「隠れた真実」なのでした。(執筆者:岩永 充)