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「良い投資信託」の選択基準 分配金ではなくトータルリターン(総収益率)で選ぶ

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「良い投資信託」の選択基準 分配金ではなくトータルリターン(総収益率)で選ぶ

こんにちは! 国際フィナンシャルコンサルタントの荒川雄一です。さて前回、投資信託の「複利運用」と「分配金」について取り上げましたが、今回はより一歩踏み込んで、投信の「選択基準」について考えてみたいと思います。


売れ筋投資信託

最初に質問です。

「あなたは、現在、何を基準に投資信託を選んでいますか?」

多くの投資家との面談の中で、よく耳にする回答は、「金融機関で、人気のある(売れている)投資信託から選んだ」といったものです。

確かに、投信を扱っている多くの金融機関では、「売れ筋投信ベスト10」などといった情報を提供しています。

でも、私はここで一つ疑問が残ります。

果たして本当に、「売れ筋投信」=「良い投信」なのでしょうか?

そこで、昨年業界最大手の証券会社の「売れ筋投信」の分析を、実際に行ってみました。

結果は…

残念ながら、「売れ筋投信」=「良い投信」といった内容ではありませんでした。

ここで具体的に行ったことは、他の証券会社で扱っている投信との比較ではありません。その証券会社で扱っている投信の中で、同じカテゴリー内の投信との比較の結果です。

例えば、日本株投信を30本扱っていたとして、売れ筋はA投信だったが、分析したところB投信のほうが良い商品だったという話です。詳しくは、以下のYouTubeで解説しているので、ご興味がある方はご覧ください。


良い投信とは

では、ここで言う“良い投信”とは一体どのようなものをいうのでしょうか?

これはまさに、今日のテーマでもある「選択基準」に直結する部分です。

誤解が無いように言えば、この“良い投信”の定義は、一つではありません。何を重視するかによって、「答え」は変わってくるからです。

「分配金が高い投信が良い」という人もいれば、「ノーロードでコストが安いのが良い」という人もいるでしょう。そう、基準をどこに置くかで、“良い投信”の定義は変わってくるのです。結果、「選択基準」も変わってくるということです。

では、前述した売れ筋投信の分析時に、私は何を重視したのでしょうか?

それは、「トータルリターン(総収益率)」です。現在、売れ筋投信の大半は、「高分配型」の投資信託です。

ただ、ご存知のように、分配金は利益から払われているとは限りません。分配金が高いから、「トータルリターン」が良いとはならないわけです。また、コストが安いとしても、リターン(収益)も小さく、結果「トータルリターン」が小さければ、決して良い投信とは言えないでしょう。

「トータルリターン通知制度」

この数年、分配金を出す投信が多く、投資家からは「結局、いくら利益が出ているのかよくわからない」といった声が上がっていました。

そこで、平成26年12月1日より、投資信託の「トータルリターン通知制度」が開始され、金融機関は投資家に対し、年1回以上トータルリターンを通知することが義務付けられています。

これによって投資家は、自分が投資した資金で、今までどのような損益となっているのか把握しやすくなったわけです。

とはいえ、投資は利益が出なければ意味がありません。投資信託の「選択基準」、一度見直してみてはいかがでしょうか。(執筆者:荒川 雄一)

《荒川 雄一》
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荒川 雄一

荒川 雄一

IFA JAPAN®株式会社 代表取締役社長兼CEO 国際フィナンシャルコンサルタント 投資顧問会社 IFA JAPAN®株式会社ほかリンクスグループ3社の代表を務める。中小企業診断士、日本FP協会認定CFP®。現在、金融機関に影響を受けない独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)として、国内外の金融商品を用いた「海外分散投資」や「モデルポートフォリオ運用」を専門としている。中でも、海外ファンドを用いた「ポートフォリオ・マネジメント・サービス(PMS)®」の評価は高い。また、投資教育にも力を入れており、国立高知大学非常勤講師など、講演回数700回以上。日本経済新聞ほか、各マネー誌など執筆多数。 寄稿者にメッセージを送る

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