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「NISA」改正のポイントとこれから 本来の目的を実現できるか

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「NISA」改正のポイントとこれから 本来の目的を実現できるか

従来のNISAの問題点

2014年から少額非課税制度(NISA)がスタートし、初年度には当初の目標を大きく上回る約800万件の専用口座が開設されました。

しかし、実際には半数が休眠状態となっており、特に若い世代が敬遠する傾向にあります”貯蓄から投資”への流れを促し、若い世代をはじめとする人々に資産形成に取り組んでもらうという当初の導入の目的からかけ離れています。

日本国内の家計の金融資産は約1600兆円に上りますが、その半数以上の約52.5%(2015年3月末)が預貯金という”貯金好き”の国民性に大きな変化が見られません。

NISAが浸透しない大きな理由は、使い勝手の悪さが原因です。

1. 1人年間100万円の上限がある
2. 非課税期間が5年に限定されている
3. 損益通算ができない
4. 住民票が必要などの口座開設に手間がかかる
5. 金融機関の変更ができない
6. 口座内で取引できる商品が限定されている

そのうち5、6の部分が解消できるのが今回の改正です。

NISAの変更点のポイント


今までは、

一度NISA口座を開設すると4年間は変更できませんでした

が、

2015年からは毎年NISA口座を変更できるようになりました


しかし、2015年に一度でも非課税投資枠を使ってしまうとその年は金融機関を変更できないので、注意が必要です。

金融口座を変更できますが、金融商品を新しい口座に移管することはできません。しかし、旧口座に保有している分は、非課税枠のまま保有することができます。

口座を変更することによって、6の問題が多少改善され、選択肢が増えることになります。

NISAのこれから

2016年からは、限度額が年間120万に増額される見通しとなっています20歳未満を対象とした非課税枠年間80万円の「こどもNISA」も開設される見通しです

しかし、損益通算ができなかったり購入額での上限となっている点など、まだまだ本来の目的である”資産形成を促す”システムになっていません。

長期投資に移行するよりも、従来の短期売買の範囲で非課税枠を使っている人がほとんどではないでしょうか?

結局、新たに投資を始める人を増やすという役割を果たしていないのが現状です。

NISAの本家である英国のISAは制度を恒久化しており、NISAも恒久化に向けて改善の余地は大いにあります。(執筆者:森 泰隆)

《森 泰隆》
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森 泰隆

森 泰隆

TRI-WOOD 介護・終活支援事業部  従来のライフプランだけでなく、終活・シニアライフプランをサポートするFPです。 <実績>信用金庫のフリーペーパーや金融会社のネット記事などを担当。ゆめのたね放送局にゲスト出演 ≪保有資格≫ファイナンシャルプランナー(AFP) / 年金アドバイザー / 終活ガイド(上級) / エンディングノート認定講師 寄稿者にメッセージを送る

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