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相続の基礎の基礎(1) Q&A方式で分かりやすく解説

税金 相続・贈与
<p>■スタジオセットを使用したイメージ写真です。■自作のクラフト作品を使用して撮影しています。</p>
Q1
私は42才男性、今年の3月に父親ががんのため78才で亡くなりました。母親72才健在、兄弟は兄、姉どちらも嫁いでおり、兄には二人の子供がいるが、平成20年9月に交通事故により亡くなっている。姉にも二人の子供がいる。

父の遺産は、預金と家屋敷合わせて1億2千万円。特に借金はない。また、相続人も上記以外いない。

相続税はかかりますか? また、相続税がかかる場合どのくらいになるでしょうか?

解説


身内でどなたかが亡くなると相続が発生します。一般的には年齢順に亡くなるのでご両親の死亡により相続が発生することとなります。


相続が発生し、仮に納税が発生する場合には、亡くなってから10カ月以内に申告しなければなりません。多くの場合、遺産分けがうまくいかずに10カ月を過ぎてしまうケースがあります。いわゆる「争族」になってしまうと大変です。

10カ月以内に申告することによる(期限内申告)、税額計算の優遇措置が受けられるのですが、期限を過ぎてしまうと、せっかくの利益を失ってしまうことになります。そのため常日頃より、ご家族が深い関心を持ち、お互いが話し合える環境を整えておくことが大事です。

平成27年度から基礎控除額が大幅に引き下げられました。そのため今まで納税の必要がなかったご家族も税金を用意する必要が多くなってきました。

【基礎控除額】
26年12月までに発生した相続では
5000万円+1000万円×相続人数
仮に3人の場合  基礎控除額は8000万円

一方27年1月以降発生した場合は
3000万円+600万円×相続人数
上記同様3人の場合 基礎控除額は4800万円

つまり、27年1月以前の相続については、8000万円を超える遺産があった時に超える部分に税が発生します。ところが今回の改正により、4800万円を超える遺産に課税されることになります

ですから、今まで“遺産などあまりないよ、納税など発生しないよ”といっていた人たちにも納税の準備が必要になってきました。

A(アンサー)

さて今回のご質問から明確なのは、遺産総額が12,000万円、相続人が5人(お兄さんが平成20年に亡くなっているので、子供たち2人も相続人となります(代襲相続))、死亡日が新税率適用 ということが分かっています。

簡単に計算してみますと、

1) 基礎控除額  3000万円+600万円×5人は6000万円
2) 簡易計算  12000万円-6000万円は6000万円(課税総額)

 税額表に照らしてみると

 妻の分6000万円×二分の一×15%-50万円は400万円
 それ以外6000万円×六分の一×10%×3人分は300万円

配偶者は法定相続分に対する税額控除があります。(配偶者の取得した遺産額が1億6千万円に満たない場合には1億6千万円)

税額控除を使用した場合 配偶者分の400万円は控除されますので、実質用意する納税額は300万円で済むことになります。但し配偶者の税額控除をする場合は「期限内申告」が条件となります

これ以外にも、土地等不動産については評価の問題が実際にはありますので、複雑な計算が発生します。また、借金が多くあるため相続を放棄したり、遺言状が出てきたためその取扱いをどうするのか等、一筋縄ではいかないのが相続です.

多くの優遇税制がありますが、決められた期間内の届け出や申告が条件になりますので前もって調べておくことが大事です。(執筆者:藤本 厚二)

《藤本 厚二》
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藤本 厚二

藤本 厚二

4年生大学卒業後、会計事務所にて会計実務や税務実務を経験。その後一般企業で、会計・総務・税務・法務関係の部署に所属。その間に宅地建物取引主任者資格取得。当時の勤務先で不動産事業展開。企業を定年退職後AFP資格認定となる。相続問題に特化したFPを目指しています。 <保有資格>:AFP・宅地建物取引士 寄稿者にメッセージを送る

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