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誰が手を出すべきか? トヨタ新規発行の「AA型種類株式」 

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誰が手を出すべきか? トヨタ新規発行の「AA型種類株式」 

話題沸騰中のトヨタ新株、「AA型種類株式」。これって買いなのでしょうか? 誰が手を出すべきなのでしょうか? ちょっと分析してみました。


AA型種類株式ってどんな株?

初めに、AA型種類株式とはどんな株なのか、かんたんにおさらいです。

・非上場株式
一般のトヨタ自動車株とは異なり、非上場株式です。もし100万円で購入したら、株価100万円という価値に変動はありません。

・5年間売却不可
この新規株式は、5年間売却することができません。しかし、5年後に売却するか、或いはトヨタ普通株への変換のいずれかを選択することができます。

・元本保証型株式
5年後に売却する場合、発行価格でトヨタが買い取ってくれます。損することはない元本保証型株式と言えます。

・配当利回りは、平均1.5%
配当金は「発行価格×配当年率」で算出され、配当年率は初年度が0.5%、毎年0.5%刻みでアップします。5年後に売却せず継続保有した場合、配当年率は2.5%の固定となります。

・発行価格は26%~30%増し
発行価格は「7月上旬株価×126%~130%」で決定されます。現在トヨタ株は8200~8700円(売買は100株単位)のレンジ相場。

7月上旬までこの相場が続いたと仮定すると、レンジ相場の平均価格約84.5万円×130%=約110万円が発行価格になるかと思われます。

以上がトヨタAA型種類株式の概要です。

では、この株は買いなのでしょうか? 誰が手を出すべきなのでしょうか? 

トヨタAA型種類株式、誰が手を出すべきか

石橋をたたいて渡る人は「買い」

トヨタ新株のメリットの一つは、元本保証であること。トヨタがつぶれない限り、投資した金額は必ず戻ってきます。普通株でそのような保証はありません。

元本割れの危険がある投資はしたくない、またはリスクを取らずに堅実投資がしたいという人は「買い」で良いと思います。

5年間の平均金利は1.5%。6年目からは2.5%。現在の5年もの定期預金金利は、高金利といわれる銀行でも0.35%がやっとです。


≪あおぞらネット定期預金金利表 http://www.aozorabank.co.jp/netbranch/kinri/≫

定期預金金利と比較すると、5年もの “トヨタ定期預金” の1.5%が断然高金利なこと、お分かりいただけると思います。

100万円ほど定期預金する予定があるなら、その分をトヨタ新株で運用する。堅実投資派はこのスタンスでいかがでしょうか。

株投資派なら手を出すな!

個人投資家目線で見ると、「トヨタ新株には手を出すな!」と言いたいですね。

100万円以上の資金を最低5年間眠らせておくのは、効率が悪いです。平均配当利回りが1.5%ではあるものの、高利回りかどうかと聞かれれば間違いなくNoと答えます。高配当利回りの目安は3.0%以上。上場株式の中に利回り3.0%を超える株は腐るほどあります。

また、5年後にトヨタ普通株への変換が可能ですが、トヨタ普通株の価格が新株発行価格より低ければ損失となります。新株発行価格は7月上旬の株価×約130%ですから、7月上旬の株価より130%値上がりしていないと損失を出すことになるというわけです。

5年後にトヨタ株が130%上昇するかどうかは、大いに疑問ですね。それなら、100万円余りの資金をその他株式に分散投資したほうが効率よく、且つリスクを分散して投資できるでしょう。

強いて言うなら、投資対象の20~30%をトヨタAA型種類株式とし、残りの資金をその他の株式で運用するほうががまだましでしょうか。そう考えると、400万円以上の資金を運用している人に限られてしまいますが…。

でもトヨタが好き、トヨタに投資したいというなら、素直に普通株を買ったほうが利益を十分に期待できると見ています。

執筆時点でトヨタ自動車(7203)の株価は8333円。配当利回りは、2.36%です。そして、今後2年の営業利益増、増配が予想されています。それなら、2~3年を目安にトヨタ普通株保有を検討したほうが資産運用としての効率が良く、お得感も強いかと。ただし、トヨタには株主優待はありませんので、それはマイナスポイントでしょう。

まとめ

トヨタ新株「AA型種類株式」は誰が買うべきか、まとめです。

・石橋をたたいて渡る人は「買い」
元本保証、5年間配当利回り平均1.5%に魅力を感じるなら買いで。

・株投資派なら手を出さないのがベスト
流動性、投資効率が悪いので、リスクをとって株投資するならAA型種類株式は必要なし。

トヨタAA型種類株式は、投資スタイルによっては全く魅力のない株です。自分の投資スタイルに合っているなら買いで。そうでないなら、決して手を出すべきではありません。(執筆者:堀 聖人)

《堀 聖人》
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「お金のために働くのではなく、お金に働いてもらう」ことをライフテーマとするアラフォー。銀行にお金を預けるだけでは時間とお金を活かしきれていないと悟り、お金がお金を生む仕組みを独学で学ぶ。投資歴は株式投資8年、FX3年。開設済み証券口座は5口座、FX口座は10口座以上。株式投資、FX投資、クレジットカードをメインに鋭い視点からなるコラム執筆中。日経ヴェリタスなどでもコメント。 <保有資格>:第二種証券外務員資格 <メディア掲載>:日経ヴェリタス 2015年11月15日号、 株完全ガイド(晋遊舎) 寄稿者にメッセージを送る

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