平成27年に相続税が改正され、大増税されました。これは相続税の大衆化とも言われており、これまでは一部の富裕層にのみかかっていた相続税が、一般家庭にまで増税の影響が波及してきています。

そうすると、少しでも相続税を節税したいと思うのが、納税者の心理です。しかし相続税という税金は、故人の名義の財産のみならず、配偶者名義の財産にも相続税が課税される可能性があるため、注意が必要です。具体例でみてみましょう。

鈴木太郎さん(夫):平成27年3月4日に死去
法定相続人:妻の和子さん、長男の一郎さんの2名
鈴木太郎さんの相続財産:不動産3000万円と預貯金1000万円の計4000万円

この鈴木さん一家の財産内容を見てますと、相続人が2人いるため、相続税がかからない基礎控除額が、4200万円(3000万円+600万円×2名)あり、太郎さん名義の全財産4000万円は基礎控除以下であるため、相続税はかからないように見えます。

しかし、妻の和子さんにはコツコツ何十年も貯めたへそくりが2000万円ありました。そこで出てくる疑問としては、「このへそくりって、相続税と関係ないの?」ということです。

へそくりは、相続税の課税対象か?

結論、へそくりは相続税の課税対象となります

こういった話になりますと、専業主婦の方からは、「へそくりは、私が家計の中から頑張って貯めたお金だから、夫のものではなく、私のものよ! 相続税なんて払わない!」という声をよくお聞きします。


しかしここが相続税の落とし穴です。相続税の対象となる財産というのは、名義は関係なく、資金の原資が重要視されます。そうしますと、へそくりというのは、元は夫が稼いできたお金、原資は夫のものであるから、夫の相続税の対象財産となるわけです。

ただし、夫婦間で財産を相続する場合には、配偶者の税額軽減という特例があり、妻が相続する分については1億6000万円まで相続税がかからないという規定もあります。最終的にへそくりのような名義財産の認定や計上の要否の判断は難しいため、税理士さんに相談するとよいでしょう。(執筆者:荒巻 善宏)