低金利に飛びつく前に確認すべき「住宅ローンの落とし穴」

春から夏にかけて、住宅ローン金利も上昇傾向にありましたが、9月は一旦落ち着きました。住宅ローンは長期に渡る借金ですから、金利も低いに越したことはありません。やはり金利の安い銀行が気になるのは当然の心理です。でもちょっと気を付けた方が良いポイントがあります。

住宅ローンの比較ポイントは金利だけにあらず

複数の金融機関の住宅ローンを比較する時に金利は分かりやすい指標には違いありません。変動金利を選ぶか固定金利を選ぶかという大前提はありますが、同じ金利パターンどうしを比べる時にA銀行とB銀行でどちらが金利が低いかに目が行きがちです。

でも、住宅ローンの比較ポイントは他にもあります。

ポイントをまとめてみます。

「保証料」

保証料が必要なのか不要なのか?
必要なら先払いなのか金利に上乗せするのか?
もし先払いならその分の自己資金を用意できるのか?借入できるのか?

「手数料」

住宅ローンを借りるために銀行に払う手数料がいくらなのか?
手数料体系が複数ある場合にはその違いは何か?

「つなぎ融資」

土地を購入する場合は建物の工事前に土地の代金は売主に支払いをしなければいけません。

支払いのタイミングに融資が実行できるのか?
つなぎ融資を利用しなければいけないのか?
同様に注文建築の建築中に工務店に支払う中間金のタイミングで融資実行が出来るのかどうなのか?

つなぎ融資を利用しなければいけない場合はその手数料や利息も別途発生します。


こんなポイントも含めて比較をしてみると金利が低いと謳っているけど、手数料が意外と高くつくなんてケースもあります

例えば 3000万円を借りる場合
    

          金利    手数料   保証料 
        
    A銀行   0.6%   約65万円    不要
   
    B銀行   0.6%   約3万円   約62万円 

手数料+保証料で考えたらどちらも変わらないから、どっちでも良いのでは? となりますよね。

保証料と手数料の意味合いを考える


保証料も手数料も銀行に支払う諸費用だから一緒なんて思ったら大間違いです。

手数料は銀行に支払います。
保証料は保証会社に支払います。当初の借入期間が35年だったら35年分を支払います。

もし将来繰上げ返済をして、25年で完済したら?

手数料 → 返金されません

保証料 → 一部が返金されます。

 35年分の保証料として前払いをしたので、25年で完済したのなら10年分が余分です。余分な分が返金されます。

借りるタイミングでの諸費用という意味では大差ありませんが、繰上げ返済を考えるならば手数料よりも保証料を払っている方が返金される分がお得になります。

ただこれはどちらの銀行も金利が同じだったらという前提です。

もし金利に差が付いたら

    

           金利    手数料    保証料
         
    A銀行   0.6%   約65万円    不要
   
    B銀行   0.7%   約3万円    約62万円

こんなケースですと判断は変わります。単純に金利が変わらずに35年間このまま返済をした時の総返済額の差はA銀行が約57万円少なくなります。

相当早い時期に繰上げ返済をして完済するなら別ですが、残り10年分の保証料の返金額が57万円を超えることは考えずらいのでA銀行に軍配があるかもしれません。

つなぎ融資が必要かどうか?

もし注文建築をする場合は先程書いたように土地の残代金や工事中の支払いが発生します。

その場合は、融資実行が可能なのか? つなぎ融資が必要なのか? の確認が必要です。

上記の例でA銀行とB銀行で金利に差がついていた場合でA銀行がつなぎ融資を利用しなければいけないとします。

その手数料が108,000円 つなぎ融資の金利が2.675%だとすると。

       金利   手数料   保証料  つなぎ融資の必要性

 A銀行   0.6%  約65万円  不要    要
                     (手数料108,000円
                        +利息2.675%)
   
 B銀行   0.7%  約3万円  約62万円  不要

つなぎ融資はその期間が長くなればなるほど利息が増えていきます。

もし土地の決済で1000万円を半年。中間金で1000万円を3か月間つなぎ融資を利用したとすると利息だけで20万円位かかる可能性があります。将来の繰上げ返済を考えるともしかしたらB銀行に軍配があるかもしれません。

建築の依頼先によっては有利なつなぎ融資があるケースも


つなぎ融資は総じて金利も高く手数料も別途かかるので、できれば使わずに済ませたいところです。でも選んだ金融機関がつなぎ融資を使わざる得なければ仕方ありません。

もし建築の依頼先が大手のハウスメーカーの場合、金利条件も悪くない提携のつなぎ融資を斡旋できることがあります。これはハウスメーカーが金融機関に保証をつける代わりに金利条件などを良くしているものです。どうしても企業の信用度の高い大手メーカーだからこそできるというものになるかもしれません。

つなぎ融資の条件面だけで工事の依頼先を決める訳ではありませんが、念のため建築会社にもつなぎ融資の斡旋ができるか確認してみるもの良いかもしれません。(執筆者:佐藤 陽)

この記事を書いた人

佐藤 陽 佐藤 陽»筆者の記事一覧 (13) http://www.fp-cairn.com/

FPオフィスケルン 代表
住宅取得相談専門のFPとして住宅取得に伴う資金計画・住宅ローン相談、不動産購入に伴う様々な不安を解消するサポートを行なっています。特に住宅ローンについては机上の相談だけではなく、融資申込~融資実行までの実務サポートを行っています。15年間在籍したハウスメーカーでの年間300件超の住宅ローン業務の経験を活かし会社経営者や個人事業主など住宅ローン審査が厳しい方のローン付けも全面的にサポートしています。ケルンという事務所名は登山道の道標からもらっています。相談者の人生の道標を作るような仕事をしたいとの想いから付けました。
<保有資格>:ファイナンシャル・プランニング技能士(2級)(AFP) / 宅地建物取引士 / 建設業経理事務士
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