マイナンバーの通知・使用開始前に準備しておきたい事柄2 (会社編)


いよいよ10月にマイナンバーが通知され、3か月後の翌年1月からマイナンバーの使用開始となりますが、マイナンバーについて会社内の準備は整っていますか。ひょっとしたら、本コラムを読んで下さる方の中には「会社内でマイナンバーの準備が必要なの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

去年の夏に発覚した、児童を対象にする大手通信教育会社・B社の大規模な個人情報流出事件を覚えていらっしゃいますか。最大で2,000万件以上の顧客である児童の個人情報が流出し、最終的にB社の取締役が辞任するまでに発展しました。このことからも会社が保有する個人情報の管理が非常に大切だということが分かりますね。

氏名・生年月日・住所等の生存する個人を特定できる情報を個人情報といいます。そして、氏名・生年月日・住所等にマイナンバーを加えたものを特定個人情報といい、特定個人情報は個人情報よりも一段厳重に保護するようにとされています

殆どの場合、住民税の特別徴収や労働保険・社会保険の手続等は会社を介して行っており、今後は会社が従業員や従業員の家族のマイナンバーも集め、役所等の行政に提出する書類に記載することになります。

つまり会社の総務部等は税、社会保障(雇用保険・健康保険・厚生年金。以下同じ)の手続きのために特定個人情報を扱うことになるため、情報の漏えいに気を付けながら事務手続きをする必要があります


1. 具体的に会社はどのようなことをすればいいの?



会社の規模や事業内容に応じた対応が必要となりますが、ここでは一般的な対応方法を述べます。

a. 社内での安全管理措置を定める。


前述のとおりマイナンバーを含む特定個人情報は厳格に取り扱う必要があります。そのため社外からはもちろん、従業員どうしであっても、特定個人情報を取り扱う担当者(例えば総務部の中の特定の担当者)以外からむやみにのぞき見されない工夫が必要です。

b. 利用目的はきちんと通知・公表し、本人確認をした上で、従業員や従業員の扶養家族のマイナンバーを取得。


c. 厳格な保管と廃棄。


税、社会保障、災害対策以外ではマイナンバーの取得できませんし、原則は必要に応じて都度、従業員のマイナンバーをご本人から取得することとなります。但し、書類の作成・届出の必要のある場合だけ保管が可能であり、他方、従業員の退職等によって必要がなくなった場合には廃棄が必要です。そのため廃棄や削除を前提に、書類のファイリングやデータの保管を工夫する必要があります。


2. いつまでに準備をすればいいの?



簡単に言ってしまうと、従業員のマイナンバーを税、社会保障の関係書類に記載する時までに準備ができていれば大丈夫です。

ただし、例えば今年の12月末日で退職する従業員の雇用保険の被保険者資格の喪失手続きは、おそらく来年1月以降に書類を職安に提出することとなると思います。雇用保険については来年1月1日以降に提出する書類にマイナンバーの記載が義務付けられていますため、従業員の退職前にマイナンバーを取得しておく必要があります。

「マイナンバーの使用開始は来年の1月からだよね。そうしたら、来年の1月に従業員からマイナンバーを取得すればいいよね。」と考えていると、この場合、会社が退職後の従業員に改めて連絡を取り、マイナンバーを取得することとなります。

また「退職した会社に用はない。」とばかりに、退職した従業員がマイナンバーの提供に協力してくれない場合もあるかもしれません。そのため事前に準備できる部分は、事前に準備をしておいた方が無難です。

マイナンバーは一生涯、変更することなく使用するものです。正社員、パート・アルバイト、嘱託社員等の就労形態を問わず、従業員のマイナンバーの漏えい防止策を取る義務が会社にはあります。マイナンバーの本格使用開始までにまだ時間がありますから、転ばぬ先の杖として事前準備されることを強くお勧めします。また会社向けに、マイナンバー導入のチェクシート(内閣府)(pdf)も公開されていますので、ご活用ください。(執筆者:岡村 ひろ子)

この記事を書いた人

岡村 ひろ子 岡村 ひろ子»筆者の記事一覧 (21) http://sr-okamura.jp/

岡村社会保険労務士事務所 所長
大手電機メーカー、弁護士事務所での勤務を経て、2014年9月社会保険労務士事務所を開業。個人の依頼者向けに障害年金の申請・取得のサポート、法人に対してはメンタルヘルス対策を主軸に採用・退職・人事制度・従業員のケア・就業規則の作成等を通じ、労使中立の立場に立ったコンサルタントを行う。
<保有資格>:社会保険労務士
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