主要ファンドのパフォーマンス分析【2013~2015年】

「図1 主要ファンドの運用成績」は、2013年1月から2015年12月までの3年間、代表的な30のファンドについてその運用成績(パフォーマンス)を比較したものです。いくつかのファンドについては、名称を記載しています。

図は横軸が年換算化したリスク(標準偏差)、縦軸が年換算化したリターンを示しています。年換算化とは、「1年運用したとしたら想定される数値」という意味です。各ファンドの月間のトータルリターン(分配金を含めたリターン、ただし、税については考慮していません)を計算し、リターンについては12倍、リスクについては120.5倍して求めてあります。

図1 主要ファンドの運用成績


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通常の投資家であれば、『リスクは低いほうがよい、リターンは高いほうがよい』ということになりますから、この図では左上にあるファンドがよいパフォーマンスのファンド、右下にあるファンドが悪いパフォーマンスのファンドということになります。

バランス型ファンド


30のファンドにバランス型ファンドが4つ含まれています。「6資産分」、「年G積成」、「G3分法毎月」、「資産形成」と表示されているファンドがその4つです。

名称を省略せずに記載すると、野村アセットマネジメントが運用する野村世界6資産分散投信(分配コース)、日興アセットマネジメントが運用する年金積立 グローバル・ラップ・バランス(積極成長型)、三菱UFJ国際投信が運用するグローバル財産3分法ファンド(毎月決算型)、セゾン投信が運用するセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドということになります。

少しずつ、特徴が異なるのですが、全体としてみれば、成績優秀なファンドのゾーン(赤い破線の楕円)に含まれていることがわかります。

バランス型ファンドは、複数の資産クラスに分散して投資するために、1つのファンドを保有するだけで分散投資の効果が発揮できます。そして、トータルで考えても決して悪いパフォーマンスになっているわけではありません。図1はそのことを確認してもらえる図になっています。

野村世界6資産分散投信(分配コース)は、ゆうちょ銀行が単独で販売しているファンドです。4つのバランス型ファンドの中では、もっともリスクが抑えられた運用になっています。分配金を積極的に支払うこともこのファンドの特徴です。分配金を求める投資家にとってはよい選択です。

年金積立 グローバル・ラップ・バランス(積極成長型)は、資産の配分比率が最も理想に近いと考えられるためにチェックしています。このファンドでは、内外比率は50:50、株式債券比率は68:32の設定です。

グローバル財産3分法ファンド(毎月決算型)は、株式、新興国債券、REITにそれぞれ3分の1ずつ投資するファンドです。とてもわかりやすい配分比率ですが、分散投資効果を考えた比率になっています。

セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは、米国のバンガードが運用するインデックスファンドを組み合わせたファンドです。パッシブ運用ですが、外国への投資比率が高いのが特徴です。

2015年の市況


2015年は、中国と原油に象徴された1年でした。2015年の末になっても原油価格は大きく値を下げたままです。原油価格が値を下げているのは、OPECの生産調整が機能していないこと、中国経済が減速しているため、原油をはじめとする商品(銅など)の需要が低迷しているためです。 というわけで、商品の価格は一番大きく値を下げています。表中、商品と表示しているのは、ダウジョーンズ商品指数です。

中国株式は7月から8月にかけて市場が大きく軟化しました。市場終了前になって株価が値を戻すことから、政府が株式を買い支えているとも言われていました。年末になって、大口投資家の株式売却規制が外れたので、2016年の動向が気になるところです。

欧州株式は、商品関連銘柄のウェイトが高いロンドン市場は商品価格の下落の影響を大きく受けていますし、輸出関連株のウェイトが高いドイツ市場は、中国経済の減速の影響を大きく受けています。

海外債券のパフォーマンスが芳しくないのは、米国が利上げをして金利が上昇したからというより、資源関連国(オーストラリア、カナダ、ノルウェーなど)の債券のパフォーマンスが悪くなったからでしょう。これも、原油・中国関連の影響です。

米国株式は、アマゾンなどの消費関連株が堅調だったのですが、やはり、原油価格の軟化の影響でエネルギーセクターが大きく軟化したことから、市場全体はほぼ横ばいという結果になりました。円ドル為替も、2015年はほぼ横ばいの状況です。

というわけで、消去法の結果、日本株式のパフォーマンスがよくなった1年だったと思います。(執筆者:杉山 明)

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