少額短期保険(ミニ保険)とは

糖尿病の方でも普通に加入できる保険 
過去にがんになった方でも加入できる保険 
弁護士に無料相談するための保険 etc

ニッチな分野だが普通の保険会社では対応できていない、これらのリスクに対しての保険を提供しているのが、少額短期保険(以下ミニ保険とする)。

このミニ保険は、登録制で、最低資本金が1000万円(通常の保険会社の場合、免許制で最低資本金は10億円)と、参入しやすいのが特徴。

ミニ保険市場


ミニ保険市場は、拡大傾向にあり、2014年度のミニ保険会社の数は82社と5年前と比べて2割強増加。 

収入保険料も5割増しの640億円台と右肩上がりが続いている。

拡大が続いているのは、従来型の保険に加入できない、あるいは加入できたとしても割高な保険になるなど、個人の切実な需要に対して手軽な保険料で加入できるという点が支持されているのだ。   

例えば従来型の医療保険は、被保険者が契約時に一定の健康状態でなければ、加入できないケースが多い。

また、持病がある方、継続的に投薬を受けている方が、 医療保険に加入する場合「限定告知型」や「引受基準緩和型」と呼ばれる商品が選択肢となる。

しかし、これらの保険の保険料は割高だ。

ではミニ保険ではどうなのか。 

例:40歳男性で糖尿病罹患者、入院日額5,000円の場合 
業界でも割安の引受基準緩和型医療保険:3,995円/月 
エクセルエイド少額短期保険:2,875円/月 (保障内容は全く同一ではない)

また、ミニ保険は新商品が次々に発売されている。

例えば、一度がんになった人でもがんの部位や回数などの基準を満たせば加入できるテラ少額短期保険の「がんサバイバーのための再発治療保険」。

ほかにも、痴漢と疑われたり、痴漢被害にあった場合に弁護士に相談できる、ジャパン少額短期保険の「弁護士費用保険」などがある。

大手保険会社がニッチ市場に参入

注目すべきは、ミニ保険が開拓してきたニッチ保険市場に大手保険会社が参入しはじめたことだ。

例えば、アイアル少額短期保険の「無縁社会のお守り」という入居者の孤独死などにかかる清掃費や遺品整理費、家賃収入 を補償する賃貸住宅の家主や管理会社向けの保険がある。

この補償内容と同等の「家主費用特約」を、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保が扱い始めたのだ。

大手が目を付けるくらい、ミニ保険は顧客ニーズを捉えてきているのだろう。

ミニ保険の注意点


市場が拡大してきたミニ保険だが、重要な注意点が2つある。  

1. 「保険契約者保護機構」の対象外 

生命保険会社(生保)や損害保険会社(損保)が破綻した場合には、「保険契約者保護機構」というセーフーティーネットがあるが、ミニ保険はこの機構の対象外だ。

2. 各種保険関係の所得控除の対象外 

生保や損保の保険料は、一定の条件下で所得控除の対象となるが、ミニ保険の保険料は控除対象外だ。 

保険は、貯蓄で賄えないほどのリスクであったり、そのリスクが起こると経済的なダメージを受けたりする場合に確保するものだ。

ミニ保険の会社も慈善事業ではなく、そのニッチなリスクに対しても確実に儲けが出るように計算された保険料を設定している。

加入に関しては貯蓄額やライフプランをしっかり考慮した上で選択していただきたい。(執筆者:釜口 博)