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取引所が破綻しても拡大を続ける「仮想通貨」とは? メリットとデメリット

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取引所が破綻しても拡大を続ける「仮想通貨」とは? メリットとデメリット

3月4日、資金決済法の改正案が閣議決定したとの報道があり、仮想通貨に関する話題が各方面で賑わっています。

「仮想通貨」に関し、どんなイメージを抱いていますか?

実は、今後日本でも普及していくと見られている仮想通貨。ここでは、仮想通貨とは何か、そのメリットとデメリットを見ていきます。

仮想通貨とは?


仮想通貨とは、文字通り現物は存在しない仮想マネーのことです。オンラインゲームで各種コインを手にし、アバターやアイテムを獲得できますが、そのコインと同じ類のものと考えられます。


ただし、専門的に言うと、仮想通貨は一種の通貨というよりも決済システム、と解釈できます。

いずれにしろ、“仮想通貨” によって商品を購入することができると覚えておきましょう。

仮想通貨は電子マネーとも似ています。電子マネーで商品を購入したり電車に乗ったりできるのと同じように、仮想通貨でも商品購入が可能です。

ただし、現時点で仮想通貨と電子マネーの大きな違いは、消費者保護の仕組みがあるか否か、という点。

電子マネーは、仮に発行体(たとえば、Suica を発行するJR東日本)が破綻したとしても保有分の電子マネーは保護される仕組みになっています。それに対し、ビットコインなどの仮想通貨は保証の対象とはなっていません

消費者保護という観点から見て「これはいかん!」ということで、日本政府が新たな規制を制定しようとしているのが、先日の資金決済法の改正案というわけです。

仮想通貨の代表的 「通貨」がビットコイン


これまでに発行された仮想通貨は1,000種類以上あるのですが、その代表的通貨が

ビットコイン

です。


ビットコインと聞いて思い出すのが、2014年のビットコイン事件でしょう。

当時、日本ではまだ馴染のないビットコインでしたが、ビットコイン取引所のマウントゴックスが破綻したというニュースが大々的に報道されたため、その 「デビューシーン」 が印象に残っている人が少なくないかと思います。

マウントゴックス破綻の是非はひとまず置いておきます。

ここで頭に入れておきたいのは、ビットコインに代表される仮想通貨が、世界各国で決済システムとして普及し始めているという点です。

フィンテックという金融ITが次々と導入される日本でも、仮想通貨は無視できない存在になりつつあるのです。

仮想通貨の成長が期待されている

2016年の株式テーマとしてフィンテックやバイオ、ドローンが挙げられていますが、仮想通貨テーマも株式市場で熱くなっています。

仮想通貨関連銘柄として注目されているのは、セレス(3696)、インフォテリア(3853)、マネーパートナーズGP(8732)。

とりわけヒートしているのが、マネーパートナーズGPの株価です。


≪マネーパートナーズGP(8732)日足チャート≫

法規制案導入により、仮想通貨が「貨幣の機能」を付与されることになると期待され、その期待値から関連銘柄のマネーパートナーズGP株価が連日高値を更新しています

法案は閣議決定されただけなので、個人投資家のみなさんは“火傷” しないように気をつけてください。

日本国内で利用できる場所

実は、日本国内でもビットコインによる決済システムを導入しているネット店舗・実店舗が数多くあります。

その一つが、DMM.com。


≪画像元 DMM.comホームページ≫

オンラインゲームや動画配信などを手がけるDMM.com。購入代金をDMMポイントで支払うことができるのですが、DMMポイントをビットコインでチャージすることができるようになっています。

身近なところで利用できるようになってきたビットコイン。日本への普及が始まってきた証しと言えます。

仮想通貨のメリット


ここからは、仮想通貨と私たちの生活との関わりについて見ていきましょう。まずは、仮想通貨のメリットからです。


格安の海外送金手数料

仮想通貨を利用して海外送金をすると、数円で海外送金できるというメリットがあります。

個人が海外送金する機会はほとんどないかもしれませんが、企業にとっては大きなメリットになります。とりわけ貿易関連企業は海外とのトレードが基本であり、少なからずとも銀行を介しての送金を行なっています。

しかし、現時点で、銀行での海外送金手数料は決して安いものではありません。個人が銀行で海外送金をすると数千円の手数料が徴収されます。

その手数料がただ同然で送金できるとなれば、企業の経費に好影響となるのは間違いありません。

価値変動を利用した投資対象

仮想通貨の価値は変動します。日本円の価値がドルに対して変動するように、ビットコインの価値も常に変動するのが特徴です。その価値変動を利用した投資対象として注目が集まっています。

新たに発行された仮想通貨を購入し、その後数倍の価値になったときに売却することで、一定の利益を得ることも可能です。

法規制が整ってくれば、FX会社が仮想通貨売買を取扱う可能性があり、仮想通貨取引専業会社も出現してくると思われます。それら取引業者を介しての仮想通貨投資が人気を呼ぶかもしれません

仮想通貨のデメリット



メリットがある一方で、仮想通貨利用にはデメリットがあり、仮想通貨が普及していく上で解決していくべき課題があります。


仮想通貨を支える環境は発展途上

今回、政府が仮想通貨に関わる法改正に躍起になっているのは、金融犯罪を防ぎ、消費者保護を推し進める意図があります

しかし、仮想通貨利用の環境作りは始まったばかり。仮想通貨が本当の意味で利用しやすくなるのは、もうちょっと先になりそうです。

また、仮想通貨が利用できる環境が整ったところで、本当に需要があるのか? という疑問が隠せません。

上述したように一部の貿易関連企業でのニーズはありそうですが、個人が生活の中で必要を感じるかどうかは、いまだ不確定要素が大きいと思われます。

一例を挙げてみます。差金決済取引のCFDをご存知でしょうか?

知らない方が多いという事実は、それだけ各人のニーズを満たすことができていない、いわば失敗例の一つかもしれません。

CFDは、外国株式や商品先物を差額決済する金融商品で、取引自体はFX(外国為替証拠金取引)と全く同じものです。しかし、CFDという商品が日本の投資需要に適わず、いまだ下火であることは否定できません。

仮想通貨取引がCFDと同じ道を歩むことになるのではないかと感じているのは、筆者だけではないかもしれません。今後の仮想通貨の発展は、関連する有意義なサービスをどれだけ提供できるかにかかっていると見ています。

投資対象としての仮想通貨に「イメージ払拭」の課題も

また、仮想通貨を利用した投資が期待されている面がありますが、FX(外国為替証拠金取引、以下FX)の二の舞になる可能性があります。

FXが日本で普及し始めたのは1998年頃です。当初、しっかりとした法整備がされておらず、レバレッジ100倍、200倍で取引ができる状況でした。(2016年現在、レバレッジは最大で25倍と法律で決められています)

そのため損失を抱える個人投資家が相次ぎ、後を追ってレバレッジ規制が課された経緯があります。こうしたFXの歴史が日本でのFXに対するイメージを作り上げたと思っています。

・FXはハイリスクで危険
・FXはギャンブル

こうイメージしている人が多いのは、上述したように、FX取引における環境作りが悪かった一面があると見ています。

今となれば、SBIFXトレードが提供する「レバレッジ付き定期外貨取引」のような外貨積立投資商品もあり、取引の仕方次第でイメージとかけ離れた投資行為が実際にできるわけですが。FXに対する悪いイメージは未だ払拭されていないのが現状です。

SBIFXトレード⇒SBIFXトレード

仮想通貨がなぜFXと同じ道を歩むかもしれないか。それは、ビットコイン取引所のマウントゴックス破綻というニュースが、仮想通貨の華々しいデビューとなってしまったからです。

実際のところは、ビットコインによる決済システムは全く問題ないのですが、当時のマウントゴックスのカルプレス社長が不正アクセスを行ない横領、結果、仮想通貨が “消失” してしまいました

そのおかげで、「仮想通貨は危険」というイメージが多くの人の脳裏に深く焼き付いてしまったわけです。

画期的な決済システムなのにもかかわらず、危険というレッテルを貼られてしまったビットコインと仮想通貨。このイメージを如何に払拭できるか。

これは仮想通貨発展の前に置かれた大きなハードルであり、今後の課題でしょう。早急な法整備も望まれます。(執筆者:堀 聖人)

関連記事:仮想通貨どこで買うのがよいの? お勧めの「取引所」はココ!

《堀 聖人》
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「お金のために働くのではなく、お金に働いてもらう」ことをライフテーマとするアラフォー。銀行にお金を預けるだけでは時間とお金を活かしきれていないと悟り、お金がお金を生む仕組みを独学で学ぶ。投資歴は株式投資8年、FX3年。開設済み証券口座は5口座、FX口座は10口座以上。株式投資、FX投資、クレジットカードをメインに鋭い視点からなるコラム執筆中。日経ヴェリタスなどでもコメント。 <保有資格>:第二種証券外務員資格 <メディア掲載>:日経ヴェリタス 2015年11月15日号、 株完全ガイド(晋遊舎) 寄稿者にメッセージを送る

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