つい最近、認知症患者の男性が徘徊中に、電車にひかれた事件で、鉄道会社から妻が損害賠償請求されたというニュースが話題になりました。神戸の小学生が起こした自転車加害事故で、母親に約1億円の賠償命令が出た事例も、まだ記憶に新しいかと思います。

民法では、他人に損害を与えた場合、加害者の年齢に関係なく、被害者に損害を賠償しなければなりません

また、前述した認知症患者や12歳未満の子供の事例のように、本人に責任能力がないとみなされる場合でも、監督義務のある人間(配偶者や親)がかわりに賠償責任を負わなければならなくなります

これらの損害賠償問題とセットで話題になることの多い『個人賠償責任保険』について、加入の仕方や補償内容を詳しく知りたいとマネ達の読者からメッセージを頂きました。

今回は、その質問にお答えする形で『個人賠償責任保険』をご紹介します。

個人賠償責任保険とは?

個人賠償責任保険とは、契約者および被保険者が日常生活の中で他人に誤って怪我を負わせたり、他人所有の物を壊したことで、損害賠償金や弁護士費用の負担があった場合、その損害を補償する保険です。

個人賠償責任保険の被保険者は、契約者およびその家族(家計を同一にする別居の子も含む)となります。家族にひとつあれば良いので、ひとりずつ加入する必要はありません。

イメージしやすいように、補償の対象になる事故の例をいくつかご紹介します。

・ペットが他人に噛みついて怪我を負わせた
・お店の品物を落として壊してしまった
・自転車走行中に歩行者をはねて怪我を負わせた
・家族が歩行中に事故を起こし、被害者に何らかの損害が発生した
・マンションの自宅水漏れにより、階下の家財に損害を与えた
・子供がボールで遊んでいて、窓ガラスを割り、家財にも損害を与えた

個人賠償責任保険で支払い対象になるのは、被害者の治療費、修理費、慰謝料と、訴訟になった場合に発生する弁護士費用です。

事故を起こした加害者(被保険者)の治療費および修理費は、補償の範囲外となります。

また、故意による損害、地震、噴火、津波に起因する損害、同居親族に対する損害、被保険者が所有および管理するものへの損害(他人から借りた物を含む)、被保険者の職務遂行時に発生した損害については、補償されないので注意しましょう。

個人賠償責任保険の補償内容と加入方法


個人賠償責任保険の補償保険金額は、数千万~無制限と幅広いです。

保険金額が小さくなれば、保険料も少し安くなりますが、最低1億円は欲しいところ。実際、前述した子供の自転車事故のように、億超えの賠償請求事例もあります。

個人的に注目して欲しい補償内容は、「示談代行サービス」の有無です。

このサービスが付帯していないと、示談交渉になった時、賠償金額の交渉をすべて自分でやることになってしまいます。謝罪しながらの金額交渉なんて、想像するだけでもしんどいですよね。

最近の個人賠償責任保険には、だいたい付いていますが、古いタイプの保険など、稀に付帯していないケースがあるので注意しましょう。

個人賠償責任保険は、クレジットカード会員限定の単体加入のほか、傷害保険、火災保険、自動車保険の特約として加入する方法が主流です。

現在加入中の保険に個人賠償責任に関する特約があるなら、そちらに特約として付加しても良いでしょう。

掛け金は、クレジットカードでの単体加入、または、新たに特約をつけた場合の年間保険料のアップは、平均1500~3000円程度です。月数百円で安心を買えると思えば、安い買い物ではないでしょうか。

ちなみに我が家は、自動車保険に無制限の個人賠償責任特約をつけています。特約部分の掛け金は年間2430円です。私と娘が基本自転車移動で利用頻度も多く、うっかり他人の物を壊さないとも言えないので、十数年ずっとお守り代わりにかけ続けています。(執筆者:吉武 なおこ)