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食べ物を無駄にしない 米国スタバも導入決めた「フードバンク」とは

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食べ物を無駄にしない 米国スタバも導入決めた「フードバンク」とは

3月22日、米国スターバックスは今後、全米7000ほどのチェーン店で売れ残った食品を100%フードバンクに寄付すると発表しました。(引用:CNN

「フードバンク」という言葉、聞き慣れない方も多いかもしれません。その存在と意義を解説いたします。

食品廃棄をめぐるトラブルが後を絶たない現代


廃棄する筈の食品が横流しされた事件も記憶に新しいところです。食品を廃棄したい企業が存在する一方で、食べ物に困っている人達もいます。

この両者を上手く結びつけることが出来ないかと考え出されたのが、「フードバンク」というシステム。

「聞いたことはあるけれど…」という人が多いフードバンク。

まだあまり知られていないこのシステムを御紹介します。

フードバンクのシステムとは

食品製造業者、食品輸入業者、食品小売店から寄付された食品をフードバンクが仲介し、児童養護施設、福祉・支援施設、炊き出し、コミュニティセンター、女性シェルターなどに配達されます

寄付する企業側としては廃棄コストの削減や社会貢献活動に繋がるというメリットがあり、食品廃棄によって排出されるCO2を減らすことも出来るので、地球温暖化防止対策としても有効です。

また寄付される側の福祉施設等は、食事が豊かになることで心身共に満足感が得られ、食べる楽しみを感じることが出来ます。そして何より食費の節約に繋がるメリットは計り知れません。

取り扱う主な食品は缶詰類、レトルト食品、飲料、野菜、果物、パン、ケーキ、お菓子、調味料、冷凍食品、お米、乳製品、漬物などとなっています。

加工食品の場合は、賞味期限までに1か月以上ある物を受け入れているケースが多いようです。

フードバンクに対する様々な意見

一方でフードバンクに対するアンケートの結果、様々な意見があることも浮き彫りになりました。

企業側に対して

「売れ残るような魅力のない商品を作っている証拠ではないのか」
「在庫管理に問題があるのではないか」
「寄付する前に一般の人に安く売ることが出来ないのか」

フードバンクシステムへついての懸念

「寄付される側の人達が支援に頼り過ぎたり、もらえるのを当然と思うようになるのでは」
「押しつけ、在庫処分の代わりになっているのではないか」
「健康被害、安全性に問題が起きた時の対応、責任の所在」
「見た目が悪いというだけで買わない消費者側にも問題があるのではないか」

「良い取り組み」と評価している人の方が多い一方で、こういった厳しい意見も聞かれます。

誰もが納得するものにはなり得ないかも知れませんが、まずはフードバンクの存在とその意義を広く伝えていくことが必要と言えそうです。

フードバンク~今後の課題

日本のフードバンクは2000年以降に設立されたものが殆どで、40年の歴史と実績を持つアメリカに比べると、まだまだ発展途上のレベルにあります。

日本のフードバンク~今後の課題

「フードバンク活動の認知度を上げる取り組み」
「フードバンク間での連携」
「フードバンクの取りまとめを行なう機関も必要」
「衛生管理の徹底と適正な流通管理」

現在はボランティアスタッフの方達がフードバンクを支えていますが、衛生管理や流通業務、広報活動、会計処理など多岐に渡る業務があるので、各部門に1~2人の正規社員を入れる方がいいのではないかという意見も出ています。

まずはこれらのことに積極的に取り組んでいくことが必要とされています。

「食べ物を無駄にしない」


その思いを今後に繋げていくためにも、「食の安全」だけは必ず守らなければならない重要事項です。安全を守りながらの提供は、時間や温度の管理などにも細かく配慮することが必要で、思っている以上に大変な作業です。

私達もまずはこのフードバンクの取り組みを「知る」ことからスタートしましょう。

そして「この活動に賛同し何かお手伝いしてみたい」と感じたなら、

・時間の寄付(ボランティアとして参加)
・お金の寄付(クレジットやお米券などがOKの場合も)
・食品の寄付

などといったことで協力してみるのもいいかも知れません。

フードバンクというシステムが「すてきな活動」として社会に認められ、長く受け継がれていくものになるよう見守っていきたいものですよね。

■法人格を持つ国内の主なフードバンクの一覧は農林水産省のHP「各フードバンクの紹介」というページをご覧ください。(執筆者:藤 なつき)

《藤 なつき》
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藤 なつき

執筆者:FP2級 藤 なつき 藤 なつき

保険・マネー・健康・医療・福祉・教育・伝統工芸・伝統行事等、幅広い分野の記事を執筆。お仕事をさせて頂きながら、自分自身もたくさんの発見と新しい知識を身に付けさせてもらっていると感じる毎日。2013年FP2級取得。東京育ち、福岡在住。 寄稿者にメッセージを送る

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