10万円で記念日をつくる。そんなことがこの現代では、誰にでもできてしまいます。

記念日は一般的なイメージでみると、誕生日や結婚記念日、国民の祝日など、日常とは違った特別な日です。

友人などから「おめでとう!」と言ってもらえたり、美味しいものを食べられたり、どこかに出かけられたりする記念日。待ち望んでいる方も多いでしょう。

ただ、今は誰でも記念日をつくれる環境にあるので、実はすでに“毎日が記念日”だったりするんです。その不思議な状況にある背景をご紹介しましょう。

記念日を管理する「日本記念日協会」の存在

国内には、伝統行事から業界および企業が制定したものを合わせると、2,400種類以上の記念日があるそうです。

その数は年々増え続けているようですが、記念日を総合的に取り扱う機関は以前までありませんでした。

その状況に対して「国民に浸透することがない、くすぶってしまっている記念日がなんて多いのか。私たちが意義のあるものにしてやろう!」と、大体このような経緯で発足したのが、日本記念日協会です。

同協会は、記念日の登録や認定を行う一般社団法人であり、毎日が記念日になったのは、おおよそこの団体による功績(?)が大きい と言っても過言ではありません。

10万円で登録可能……なんだか不思議な記念日が多いぞ

日本記念日協会は、記念日に関する門戸を開いています。名称、日付、由来、目的などを所定の申請書に書いて送り見事合格すれば、登録は誰にでも認められるのです

ただ認定後、記念日を登録するには10万円必要です。

10万円が高いのか安いのか判断しかねますが、数ある“不思議な記念日”を見ると少しおトクに感じます。なぜなら、「私でも登録できちゃうのでは?」と思うから。例えば、次のような記念日たちです。

松崎しげるの日(9/6)

肌の黒さで若い世代からも親しまれている「松崎しげる」は、2015年でデビュー45周年を迎えました。それ記念して所属先の株式会社オフィスウォーカーが制定した記念日です。「9月6日」をなぜ選んだか、皆さんなら分かるはずです。

オコパー・タコパーの日(毎月第3土曜日)

オコパー・タコパーは、お好み焼きパーティー・たこ焼きパーティーの略称です。どちらも食材費が安い上に食卓が盛り上がるからと、給料日目前の毎月第3土曜日に制定されました。

お好み焼き粉とたこ焼き粉を販売する、日清フーズ株式会社が登録者です。毎月第3土曜日って記念日というより定例行事?

美熊くん誕生日(3/3)

ついに誕生日になりました。茨城県つくば市を拠点とする、パチンコ運営などを行う株式会社ジョイパックが制定しています。同社のキャラクター「美熊(びくま)くん」が誕生した日だそうです。

ちなみに私の誕生日6/6には、「ワイパーの日」が制定されていました。6月は梅雨だからワイパーが活躍する、そして2本あるからゾロ目がいい、こういった経緯で6月6日です。

記念日の意義とは? 登録の矛盾

やはり記念日だけあって、どれもそれなりの由来や目的がありますが、語呂合わせをしてその日への関連性が深ければ登録できてしまいそうですね。敷居が低いとは言いませんけれども。

ただそれだけに、登録されている記念日が、日本記念日協会の目指す意義のある日にはなっていない気がします。登録数が増えすぎたおかげで、同じ日に記念日が何個もありますし(10個を超えた日も)、毎日が記念日なので一切の特別感もありません。全国的に知られているものはどれだけあるのでしょうか。

登録者が登録日に何かしらのイベントを開催し、何の記念日かの情報を伝えたり、イベントに来た人々を楽しませたりして社会貢献をしていることもあるようなので一概には言えませんが、協会の活動に対してある種の矛盾を感じずにはいられません。

最後に、協会はあくまで任意団体なので、記念日を登録しても公的効力がない点には注意です。「毎日が祝日だ!」とはおそらくならないために、あしからず。(執筆者:小野 雄吾)