仕事は定時で終わらせるものが大前提だが

我々サラリーマンの睡眠不足は、戦後の経済復興以後、急速に経済成長を遂げた日本にとっては慢性的な問題としてしぶとく残り続けている。

サラリーマンで残業をまったく経験したことのない人など皆無に等しいであろう。それほど、日本の企業における勤務時間と業務負担とのバランスは不均衡なのだ。

本来は定時で仕事を終わらせて、全員帰路につくのは当たり前なのだが、就業時間の終了とともに帰宅できる状態にはないのが今の日本だ。

この状況を解決するために、業務の合理化・効率化を推し進めることが何より必要なのは言うまでもない。

しかし現実はまだそんなに甘くはない

今日もさんざん働いた結果、帰宅時間は深夜に及び、寝床についても心身ともに疲れきっていてなかなか寝つけない。寝ないといけない、と思うほどに寝られないという悪循環も手伝って、眠れないまま次の日を迎えてしまう。

こんな経験、あなたにもないだろうか。実はこれこそが睡眠不足による様々な弊害のはじまりなのである。

睡眠不足による合併症とは?


睡眠不足は、生活習慣病をはじめ、心筋梗塞、脳血管障害といった肉体的な疾病につながりやすくなる。また、精神性疾患としてうつ病にもかかりやすくなってしまう

発病しないまでも、仕事の能率は明らかに低下し、普段以上にケアレスミスが多くなる。

このような状態が日本中のサラリーマンに発生しているとしたら、最大の損失はやはり経済損失といえるだ。実際、日本人サラリーマンの2割以上が睡眠不足に悩んでいることが厚生労働省の調査で分かっている。

シミュレーションの結果、驚愕の金額が……

海外、特に米国などで調査の上発表された睡眠不足による経済損失を元にして、日本における経済損失を換算してみたところ、おおよそ5兆4000億円程度が、睡眠不足によって何らかの損失となるとの結果が出た。

こちら、国民1人あたりに換算すれば4万5,000円ほどになる。

この金額は、睡眠障害の治療検査費、病院における運営、人件費などの医療関連の直接費用、睡眠障害が原因で起こる人的ミスの事故でおこる損失、労働生産の低下に起因する間接費用等、考慮出来得る数値を総括して算出している数字だ。

厚労省の睡眠指針をチェックしてみよう

そこで、厚生労働省では、平成26年3月に、「健康づくりのための睡眠指針2014(pdf)」として、12個の睡眠に対する指針を発表した。

この指針は、老若男女を問わず当てはまる指針となっており、内容も非常に平素な文章で記述されている。PDFファイルで87ページにおよぶ結構な量だが、睡眠不足のあなたはぜひ一読をおすすめしたい。(執筆者:小野 雄吾)