労働問題だけじゃない「労働組合」 保険やレジャー施設の「割引制度」も活用しよう

先日新聞を読んでいたら、大手居酒屋チェーンのワタミで、「ワタミメンバーズアライアンス」という、労働組合が結成されたという記事が掲載されておりました。

この労働組合は「ユニオンショップ制」なので、グループの正社員の約2000人と、パートやアルバイトの約1万5,000人の大半が、すでに加入したようです。

なおユニオンショップ制とは、労働組合への加入を採用の条件とする、また労働組合を脱退や除名された方は、解雇される制度になります

要するにユニオンショップ制の会社に入社したら、その会社を退職するまで、または組合員にならない一定の管理職に就くまで、労働組合に加入しなければなりません

またユニオンショップ制の会社に入社したら、毎月の給与から社会保険料などの他に、組合費が控除される場合が多いのです。

これに対して納得できない方もいるようですが、労働組合から脱退したら、会社も辞めなければなりません。そこで発想を変えて、控除された組合費の分だけ、労働組合から提供される制度を使って、払い損にならないようにするのです

食べ放題のお店に行ったら、最低でも料金の分くらいは食べて、元をとってやるぞと、意気込むと思うのですが、それと発想は全く同じです。

団体定期保険や団体割引により保険料を安くできる

労働組合の仕事というと、解雇、未払いの残業代、不利益な労働条件の変更などの相談にのったり、こういったことをする会社に対して、団体交渉を行ったりするイメージです。

しかし労働組合の仕事はそれだけではなく、例えば組合員の保険の加入手続きや、その保険金の請求手続きについての、相談にのっております。

その理由として労働組合によっては、その労働組合の組合員だけが加入できる、「団体定期保険」(死亡や高度障害状態を保障)を、取り扱っている場合があるからです。

労働組合によっては「グループ保険」、または「Bグループ保険」などと呼ばれており、通常は年1回募集を行っております。この団体定期保険は労働組合が、保険会社の代わりに営業をしてくれるので、保険会社はこういった部分の手間を省けます。

また加入に必要な書類などを労働組合が、保険会社の代わりに集めてくれるので、こういった部分の手間も省けます。そのため同様の保障内容の定期保険より、団体定期保険の方が、保険料が安くなる場合が多いのです。

また有配当型の団体定期保険であれば、一年間の収支計算後に剰余金が生じた場合、配当金として還付されますので、掛け捨てではありません。なお団体定期保険の存在は知っているけれども、転職や独立する予定があるから、加入しないという方がおります。

しかし商品によっては、そのままの状態で、または死亡保険金の減額といった条件付きで、契約を継続できる場合がありますので、退職したら必ず脱退するわけではありません

それでも不安という方は、ベースとなる終身保険は個人で加入して、その上乗せ部分を定期保険から、「団体定期保険」に切り替えるという方法も考えられます。

なおこの団体定期保険の他に、例えば労働組合が指定した保険会社の自動車保険に加入すると、「団体割引」が適用される労働組合もありますので、こういった制度もチェックしておきたいところです。

生活に役立つ割引制度を提供している

労働組合が提供する割引制度は、上記のような保険に関するものだけではありません。

例えばレジャー施設、宿泊施設、映画館、レンタカー、カラオケボックス、ガソリン代などの割引制度を、提供している場合があります。

最近は福利厚生を代行する、アウトソーシング会社が普及しており、こういった会社を利用している場合には、規模の小さな労働組合であっても、幅広い分野での割引が受けられるのです

また最近は利用手続きについても、労働組合やアウトソーシング会社のサイトにアクセスして、インターネットで申し込みをするという、簡略化されたものに変わりつつあります。

興味を持った方は、まずはこれらのサイトにアクセスして、どんな割引制度が提供されているのかを、確認してみましょう

組合員の慶事や弔事には一時金が支給される

労働組合は割引制度の提供の他に、組合員の慶事や弔事に対して、一時金を支給している場合があります。

例えば組合員が病気やケガで仕事を休んだ時に「お見舞金」、組合員が結婚や出産した時に「お祝い金」、組合員の家族が死亡した時に「弔慰金」を支給するのです。

もらい忘れをしないように、この機会に労働組合の規約などを見て、どのような一時金があるのか、また請求手続きなどについて、確認してみましょう

平穏な時にも労働組合に加入するメリットはある

解雇、未払いの残業代、不利益な労働条件の変更などの労働問題が発生した時に役立つ、またはこれらの予防になるというのが、労働組合に加入するメリットだと考えられているようです。

しかし労働組合は上記のように、労働問題が発生していない平穏な時においても、役に立つ制度を提供している場合があります。

労働組合への加入を採用の条件としない、つまり労働組合への加入を労働者の任意とする制度を、「オープンショップ制」と言います。

このような会社にお勤めしている方が、労働組合に加入するか迷っている場合には、労働問題の解決や予防に役立つかだけではなく、労働問題が発生していない平穏な時に提供される制度の有無や、内容の充実度についても、判断材料にすべきだと思うのです。(執筆者:木村 公司)

この記事を書いた人

木村 公司 木村 公司»筆者の記事一覧 (165)

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。
【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種
【寄稿者にメッセージを送る】

今、あなたにおススメの記事
本サイトの更新情報をfacebook・Twitter・RSSでチェックしましょう
この記事が気に入ったら、いいね!しよう

このページの先頭へ