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「小池百合子 新都知事」誕生で沸き立つ「電線地中化」と「関連銘柄」

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「小池百合子 新都知事」誕生で沸き立つ「電線地中化」と「関連銘柄」

電線地中化とは

国土交通省では、今年度補正予算で数十億円の事業費を確保し電線の地下埋設工事などに充当するほか、財務省は財政投融資の仕組みを活用して、日本政策投資銀行を通じて民間(電力や通信会社など)向けに5,000億円規模の融資を行う計画も伝えられています。

国策主導での無電柱化投資の推進に、関連企業のビジネスチャンス拡大の可能性が改めて意識される状況にあります

安倍首相は全国的に電線を埋設していくことに意欲を示しているようで、小池都知事は、かねてより電線を地中に埋めるプロジェクトの推進派でもあります。自由民主党「無電柱化小委員長」を勤めていましたからね。

2020年の東京五輪開催というビッグイベントをひとつの目標地点に、電線地中化投資が加速する可能性が指摘されています

国交省のホームページでは、景観改善の問題だけではなく、警戒されている直下型地震などへの備えとして重い電柱を撤去するのは、防災の観点でも重要性は高いと説明しています。


地中化にはものすごい費用が掛かる

でも、この電線地中化工事、ものすごくお金がかかるのです。一説によると電柱を建てる方式と電線地中化とでは、10倍もの差があると言われています

全国の電柱が3,500万本、電柱間は平均すると約30m、地震に強い共同溝方式だと1キロ4億円(mあたり40万円)、これで計算すると420兆円もかかるそうです。地権者との折衝もあります。これは苦労しそうです。

東京都全体の地中化率は25%、このうち区内で39%、多摩地区では8%だそうです。東京都の場合、1mの工事が100万以下とは考えにくいとのことで、2兆円はかかるのではと言われています。

日本でキロあたり4億の試算が出ているのは、他設備との離隔とかが安全上法律で決まってることも関係しているようです。

水道と隣接しているとした場合、その水道管が老朽化していたら大変なことになります。漏れる水圧でガス管に穴があくという事例もあるそうです。

安倍総理は未来への投資を主張


地中化のメリットは、景観や地震等の対策から、いくらでも挙げられるようですが、デメリットはなんといっても、あまりの大きな費用に集約されるようです。

国土交通省では、これまで1986年から3期にわたり「電線類地中化計画」、1999年から2003年度の「新電線類地中化計画」、2004~2008年度の「無電柱化推進計画」に基づき整備を行い、現在では、「無電柱化に係るガイドライン」に沿って、無電柱化を進めています。

東京都も2020年の東京五輪までに競技場が集中する晴海通りや清澄通りで、100%地中化すべく整備を進めているそうです

今回、安倍首相が無電柱化推進法案の早期成立に意欲を見せたことで、法案成立から全国規模で整備が進むことが期待されると言われています。安倍総理の言う「未来への投資」でしょうか。

電線地中化と保育所増設などの公共事業は、未来への必要な事業として、公共事業としての世間受けはよさそうで、同じ財政出動でも、道路や新幹線やダムを作ることとはイメージが大分違ってきますよね。

電線地中化関連銘柄が高騰

マーケット全体が軟調なところで、電線地中化関連銘柄は上昇しています

電線地中化関連銘柄としては、

・ 道路下に設置されるスロープホール(電線共同溝)で実績を持つ「ゼニス羽田ホールディングス

・ 共同溝用鉄蓋などの製品を扱う「虹技

・ 電線ケーブルを収納する水路付小型コンクリートボックスを手掛ける「イトーヨーギョー

が大きく反応したようです。

このほか、地中化で必要となる電線も従来品から高付加価値品への代替が見込まれることから、「沖電線」、「昭和電線ホールディングス」、「東京特殊電線」、「タツタ電線」 、「フジクラ」などの電線株も考えられます。

具体的には国と地方が道路下に共同溝を作り、民間がそこに電線を通す作業となります。

ただし、火がついても消えるのも早いのがテーマ株の特徴です。火がついたら、ある程度で逃げることも考えておいたほうがよいでしょう。

テーマ株は、あくまでもテーマとなっているときにだけ人気があるもので、それ以外のときはお金は集まらないケースが多いです。逃げそこなうと、まさに塩漬けになってしまいますので、逃げ時には気をつけてください。

公共事業には利権争いの癒着がつきもの


東京オリンピックも利権が絡まないわけがありません。自民党東京都連内田茂幹事長の関連企業がかかわっていることも噂されています。築地市場の豊洲移転にも、仲卸組合のトップと自民党東京都都連との癒着が噂されています。

豊洲市場は使い勝手が悪く、土壌汚染の問題もさることながら、マグロの解体ができるスペースが確保されていないとか、海水洗浄ではなく淡水洗浄になること、それによる衛生面の問題など、現場を全然考えていない施設になっているとか。

実際の仲卸業者の方たちは、報道で豊洲の状況を知るという状況で、何も知らされていないそうです。

豊洲移転反対という声もありますが、豊洲移転容認としても、環境整備が間に合わないので、11月7日の移転ありきではなく、移転を半年伸ばしてほしいと訴えています。まぜそんなに移転を急ぐのでしょう。

11月7日に移転したら、風評被害だってあるかもしれません。なにより、12月末の年末商戦には準備が間に合いません。

東京オリンピックも、電線地中化も、大規模な公共事業です。公共事業に関しては、入札落札を含め、すべての過程をオープンにすることが重要です。それをあわせて、私たちは公共事業をウォッチしたいものですね…(執筆者:原 彰宏)

《原 彰宏》
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原 彰宏

原 彰宏

株式会社アイウイッシュ 代表取締役 関西学院大学卒業。大阪府生。吉富製薬株式会社(現田辺三菱製薬株式会社)、JTB日本交通公社(現(株)ジェイティービー)を経て独立。独学でCFP取得。現在独立系FPと して活動。異業種経験から、総合的に経済、企業をウォッチ、金融出身でないことを武器に「平易で」「わかりやすい」言葉で解説、をモットーにラジオ出演、 セミナーや相談業務、企業労組の顧問としての年金制度相談、組合員個別相談、個人の年金運用アドバイスなどを実施。個人投資家として、株式投資やFX投資を行っている。 <保有資格>:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP 寄稿者にメッセージを送る

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