厚生労働省系の助成金はたくさんあり、何がどのような助成金かわからないと感じている方も多いのではないでしょうか。

非正規雇用労働者のキャリアアップに取り組む会社を支援している助成金をご紹介したいと思います

この助成金を活用し、派遣社員や契約社員の方を正社員へ転換してみませんか?

正社員へ転換すると支給される助成金とは

現在、雇用形態は多様化しており、派遣社員、契約社員、パート、アルバイトなどいろいろとあると思います。

「派遣社員から正社員へ転換」
「契約社員から正社員へ転換」
「アルバイトから正社員へ転換」

など正社員へ転換されると支給される助成金である「キャリアアップ助成金」があります。

「キャリアアップ助成金」には次の3つのコースに分類されます

(A) 有期契約労働者等の正規雇用労働者・多様な正社員等への転換等を助成する「正社員化コース」

(B) 有期契約労働者等に対する職業訓練を助成する「人材育成コース」

(C) 有期契約労働者等の賃金規定等の改定、健康診断制度の導入、賃金規定等の共通化、週所定労働時間を延長し、社会保険加入ができるようにすることを助成する「処遇改善コース」

今回は、キャリアアップ助成金の中でも(A)の「正社員転換コース」についてピックアップしたいと思います。

「キャリアアップ助成金 正社員転換コース」の助成金額

有期契約社員等を正社員等に転換または直接雇用した場合に助成される金額は以下の通りです

※(1)~(6)合わせて1年度1事業所当たり15人までとなっています。

※()は中小企業以外の助成金額

(1) 有期契約社員→正社員:1人当たり60万円(45万円)

(2) 有期契約社員→無期契約社員:1人当たり30万円(22.5万円)

(3) 無期契約社員→正社員:1人当たり30万円(22.5万円)

(4) 有期契約社員→多様な正社員(勤務地・職務限定、短時間正社員) :1人当たり40万円(30万円)

(5) 無期契約社員→多様な正社員(勤務地・職務限定、短時間正社員):1人当たり10万円(7.5万円)

(6) 多様な正社員(勤務地・職務限定、短時間正社員)→正社員:1人当たり20万円(15万円)

また、上記金額に加え、以下の条件が重なればさらに増額されることになります

(1)有期契約社員→正社員

派遣労働者を派遣先で正社員等として直接雇用した場合に助成額が加算されます。

(1)、(3):1人当たり30万円(中小企業以外も同額)
(4)、(5):15万円(中小企業以外も同額)

(2) 有期契約社員→無期契約社員

母子家庭の母等又は父子家庭の父を転換等した場合に助成額が加算されます。

※転換等した日において母子家庭の母等又は父子家庭の父である必要があります。

(1):1人当たり10万円(中小企業以外も同額)
(2)~(6):5万円(中小企業以外も同額)

(3) 無期契約社員→正社員

若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換等した場合に助成額が加算されます。

※転換等した日において35歳未満である必要があります。

(1):1人当たり10万円(中小企業以外も同額)
(2)~(6):5万円(中小企業以外も同額)

(4) 有期契約社員→多様な正社員

勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定した場合に助成額が加算されます。

(4)、(5):1事業所当たり10万円(7.5万円)加算

支給手続きについて(会社がやること)

この「キャリアアップ助成金 正社員転換コース」は、正社員等へ転換して申請すれば支給されるものではありません以下の手順を踏む必要があります

手順1:キャリアアップ計画の作成・提出

「キャリアアップ計画書」(転換・直接雇用を実施する日までに)を労働局に提出し、認定を受ける必要があります。

手順2:就業規則、労働協約またはこれに準じるものに転換制度を規定する

「キャリアアップ計画書」を労働局へ提出前に転換制度を就業規則等に規定していた場合でも、対象になりますが、その場合でも「試験等の手続き、対象者の要件、転換実施時期」の規定が必要になります。

手順3:正規雇用等への転換・直接雇用の実施

転換・直接雇用に際し、就業規則等の転換制度に規定した試験等を実施し、正規雇用等への転換・直接雇用の実施

手順4:転換後6か月後に助成金支給申請を行う

転換後6か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内に支給申請してください。※ 賃金には時間外手当等も含みます。

このような流れとなります。

キャリアップ助成金は頻繁に改正が行われておりますので、常に情報収集しておくとよいでしょう

また、就業規則を改正したり、その他細かい諸条件がありますのでお近くの社会保険労務士や労働局にご相談して進めることをお勧めします。(執筆者:社会保険労務士 高橋 豊)