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値上げ後の「生命保険」との付き合い方 新たに加入の必要がある人にはどんな選択肢がある?

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値上げ後の「生命保険」との付き合い方 新たに加入の必要がある人にはどんな選択肢がある?

心待ちした春の訪れの高揚感も半減しそうなのが4月からの各種値上げです。

一部の食料品や、電気・ガス料金、新たに加入する生命保険料も上がります

特に生命保険は契約時の予定利率(保険料を算出する基になる料率)は保険期間中固定ですので、マイナス金利のあおりを受け運用難で値上がりした保険料を、保険期間中ずっと払い続けなければなりません


値上がりで保険はこうなる

値上がりするのは、満期金や解約金のある終身保険や学資保険、個人年金保険です。

某生命保険会社の「終身保険」は、40歳男性が終身死亡保障300万円、払込期間20年に加入すると保険料は月額1万3,653円となり、3月までの保険料と比べ22%の値上がりです。

そこで良く計算して下さい。

毎月1万3,653円を20年間払い続けると払い込み総額は327万6,720円になります。

この「終身保険」は加入して早期に亡くなれば、意義があるかもしれませんが、20年後、死亡保険金300万円は払い込み保険料より少ないのです。

果たしてこれで、保険に加入して安心と言えるでしょうか

「個人年金保険」も同様に、30年払い込んだ保険料総額をその後10年分割で受け取るくらいのものです。

保険勧誘2つのトークは正しいか

トーク1「お金が貯まらないのなら、保険で強制的に貯めましょう。」

生命保険は早期に解約すると解約控除でほとんど戻って来ません

そこを抑止力に保険料であれば長続きし、結果として20年30年の長期貯蓄ができるというものです。

確定拠出年金も60歳まで積み立てが続きます。

元本確保型の定期預金だけではなく、投資信託を組み合わせれば「貯蓄」の成果はより望めます

トーク2「生命保険料控除があります。」

上記の終身保険料1万3,653円では、一般生命保険料控除が年間で4万円です。

仮に税率10%の人であれば、年間で所得税・住民税合わせて4万円の20%、8,000円が払わなくて済む税金(年末調整で戻って来る)です。

ただし、年間払い込み保険料は15万5,836円(1万3,653円×12か月-8,000円)です。

20年間の支払総額は311万6,720円。生命保険料控除があったとしても、保険金300万円に見合うものでしょうか

値上げ後の生命保険との付き合い方を考える

これから新たに生命保険に加入の必要がある人は、どんな選択肢があるでしょう。選択肢を3つ考えてみました。

1

(1)は、30年満期の「定期保険」2,000万円に加入と同時に、「貯蓄」を開始します。

「定期保険」は満期までは契約時の保障が続きますが、満期になると保障はそこで終わり、途中の解約金も満期金もありません。

その分、保障の無くなる満期時に貯蓄で570万円が貯まります。この分を終身保障分と考え「万が一口座」として確保してもよいでしょう。

また、60歳時点で570万円を原資とした「一時払い終身保険」に加入することもできます。

FPとしては、銀行預金ではなく、「確定拠出年金」や「NISA(少額投資非課税制度)」を使った投資信託の運用をお勧めしたいところです

(2)は、投資信託の運用です。

職場に団体保険がある、死亡保障はいらない、むしろ老後資金の方が重要という方であれば、「確定拠出年金」や「NISA」の税効果も活用し、なるべく早く効率的に資産を作って下さい

(3)は、「変額保険」です。

保険料は「保障部分」と「投資信託」とに自動的に区分され、保障と資産形成が同時に叶います。運用の如何にかかわらず契約時の保険金が支払われます。

運用は難しい、証券口座を開くのも、確定拠出年金やNISAの制限も煩わしいと考える方には、シンプルで手軽な方法です。

最後に


3月は保険料値上げを見越した駆け込みの契約が多かったと聞きます。

保険料が上がってしまいこれから加入するのは…と、迷われ躊躇している方、生命保険はリスクマネジメント手段の一つです。

自身のライフプランの中でどんな位置づけにするのか、ファイナンシャルプラン(資産形成目標)に沿った保険加入を検討下さい。(執筆者:平賀 初恵)

《平賀 初恵》
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