サラリーマンの中には、還付申告(確定申告)により、税金の還付が受けられることを知っていながら、腰の重たい方がいます。

そのような方こそ、お盆休みに税務署へ出向き、還付申告をしましょう。

還付申告とは?

サラリーマンが過去5年間まで遡り、所得税の還付を受ける手続きを指します。同時に住民税も減額されます。たとえば、平成29年中に所得税の還付を受ける場合、平成24年分の所得税まで遡れます。

還付申告の経済効果

所得税の還付金と住民税の減額分の合計額を時給に換算すると、経済効果が分かります

ここでは、半日(4時間)掛けて還付申告をすると仮定します。自宅と税務署との往復する移動時間を含めます。

モデルケース

・ 年収400万円のサラリーマンが医療費を30万円負担した場合

・ 税率:20%(内訳:所得税10%、住民税10%)

・ 所得控除の金額:医療費30万円-10万円=20万円

・ 還付・減額される税金:所得控除の金額20万円 × 税率20%=4万円

この結果、時給に換算すると次の通りです。

還付・減額される税金4万円 ÷ 4時間 = 時給1万円

お盆休みに還付申告をするメリット

サラリーマンはお盆休みでも税務署は開いています。この時期に行うメリットは2つあります。

(1) 税務署に還付申告を丸投げできる。

やるべきことは資料を用意だけです。還付申告のやり方は税務署の職員が懇切丁寧に教えてくれます

(2) 並ぶ時間が短縮できる

お盆休みの時期、税務署は閑散期です。

お勧めの還付申告ができる5項目

年末調整で控除できない項目と所得控除の漏れが起こりしやすい項目を紹介します。

(1) 住宅ローン控除

ローンを組んで、マイホームを購入した場合やリフォームした場合などに住宅ローン控除が適用されます。

節税効果は抜群です。マイホームの購入価格・リフォーム代とローン残高のうち、少ないほうの金額に1%を掛けた税金が還付・控除されます。

たとえば、「購入価格=ローン残高」が1,000万円なら1%を掛けた10万円の税金が還付・減額されます。

用意する資料

(2) 医療費控除とセルフメディケーション税制

平成29年以前は医療費控除のみ、還付申告をすることができます。

そして、平成30年からはどちらか片方の制度を選択することができます。還付申告ができる条件は次の通りです。

1. 医療費(交通費を含む):原則10万円を超えること

2. セルフメディケーション税制

次の2条件を満たす必要があります。

・ 健康診断や予防接種などを受けること

・ 薬局から指定の医薬品の購入費用が1万2千円超えること

用意する資料と入手先

(3) 別居している子ども・親を扶養に入れる

最低でも、扶養控除38万円の所得控除が受けられます。具体的には次の収入金額以下の場合に適用されます。ただし、経済的に面倒を見ている場合のみ適用できます。

1. 年金受給者

・ 65歳未満:108万円以下

・ 65歳以上:158万円以下

2. 給与所得者

・ 年収103万円以下

遺族年金や障害者年金は非課税のため、上記の金額に含めません

用意する資料と入手先


ねんきんダイヤル又は年金事務所

(4) シングルマザー・シングルファーザーの場合

次に該当すると、さらに所得控除の金額が上乗せできます。

1. シングルマザー

・ 年収688万8,889円以下:特別寡婦控除35万円

・ 年収688万8,900円以上:寡婦控除27万円

2. シングルファーザー

・ 年収688万8,889円以下:寡夫控除27万円

3. 夫と死別して扶養している子どもがいない配偶者

・ 年収688万8,889円以下:寡婦控除27万円

離婚した場合や夫には適用されません。あくまでも夫と死別した妻に限定されます。

用意する資料

(5) 本人・配偶者・扶養親族に障害がある場合

最低でも27万円の所得控除が受けられます

用意する資料

まとめ

以上、還付申告のできる5項目を紹介しました。自分で手続すると大変ですが、資料さえ揃えば税務署の職員が懇切丁寧に教えてくれます

還付・控除される金額を時給に換算すると、意外とお得です。ぜひ、お盆休みのチャンスを活かしましょう。(執筆者:阿部 正仁)