【読者(65歳)の質問に回答】妻(30歳)が外国人で海外在住であっても、加給年金を受給できますか?»マネーの達人

【読者(65歳)の質問に回答】妻(30歳)が外国人で海外在住であっても、加給年金を受給できますか?

読者の質問

65歳男性
昨年結婚
厚生年金38年間

妻 
30歳 外国人
年金の支払いはなし

子供なし

現在無収入

外国在住


今年で65歳になり加給年金の申請をしようと思っていますが、妻は30歳の外国人で昨年結婚しました。

私は大学卒業後、厚生年金を38年間かけていて妻も日本で年金はかけていません。

現在無収入で条件に該当すると思うのですが、妻が外国籍で外国在住(私と同居)でもだいじょうぶでしょうか。


私の回答

加給年金の加算対象となる配偶者は、日本人に限定されませんので、妻が外国人であっても加算要件を満たしていれば、加給年金を受給できると考えられます。

ただ年金事務所に提出する書類に添付するものが、配偶者が日本人の場合とは違ってくるので、それを準備するための手間や時間がかかるかもしれません。


くわしく解説



家族手当となる加給年金は、配偶者と子に対して加算される


結婚して配偶者や子がいる方については、基本給に上乗せして、会社から家族手当が支給される場合があります。

加給年金とは老齢厚生年金(基本給)に上乗せされる、家族手当のようなものであり、その加算要件は次のようになっております。
「厚生年金保険の加入期間が原則として20年以上ある方が、65歳に到達した時点、または定額部分の支給開始年齢に到達した時点で、その者によって生計を維持されている配偶者や子がいること」
また配偶者に対して加算される加給年金は、年額で22万4,300円(2017年度額)です。

これに加えて老齢厚生年金を受給している方の生年月日(配偶者の生年月日ではない)に応じて、3万3,100円~16万5,500円(2017年度額)が特別加算されるので、両者を併せた合計額は次のようになります。


≪画像元:日本年金機構 加給年金額と振替加算


なお子に対して加算される加給年金は、1人目と2人目は1人につき、年額で22万4,300円(2017年度額)となり、3人目以降は1人につき、年額で7万4,800円(2017年度額)です。

年齢や年収などにより、加給年金の加算対象になるかが決まる


上記の加算要件の中で、今回の読者の質問に関連している、わかりにくい点を説明すると、次のようになっております。

1. 定額部分の支給開始年齢

男性は1961年4月1日以前に生まれた方、また女性は1966年4月1日以前に生まれた方であれば、60歳から65歳になるまでの間に、特別支給の老齢厚生年金を受給できるのです。

・ 特別支給の老齢厚生年金は、65歳になると老齢基礎年金に変わる「定額部分」と、65歳になると老齢厚生年金に変わる、「報酬比例部分」に分かれます。

・ 定額部分が先に65歳まで引き上げされ、それが終わった後に報酬比例部分が、65歳まで引き上げされます。

例えば男性は定額部分の引き上げはすでに終了し、報酬比例部分が引き上げされている最中のため、
「定額部分の支給開始年齢に到達した時点=65歳に到達した時点」
になるので、原則的に65歳にならないと加給年金は加算されません

生計を維持されている配偶者や子

加給年金の加算対象となる配偶者とは、65歳未満の方になり、婚姻期間の長短は問いません。

また加給年金の加算対象となる子とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある方、または障害等級1級または2級の障害の状態にある、20歳未満の方です。

こういった方の年収が850万円(所得では655.5万円)未満で、生計を同一にしている場合には、「生計を維持されている配偶者や子」に該当するのです。

ただ加算対象となる配偶者の厚生年金保険の加入期間が、原則として20年以上あり、かつ老齢厚生年金を受給できる時などについては、加給年金は支給停止です。


配偶者が日本人の場合とは、添付するものが変わってくる


質問の中に記載されている読者のプロフィールを見てみると、これまでに紹介した加算要件を満たしているので、妻が外国籍で外国在住であっても、加給年金を受給できると考えます。

ただこの読者のように、報酬比例部分の支給開始から65歳になるまでの間に結婚した場合、日本年金機構は加算対象になる配偶者がいる事実を把握しておりません

そのため「老齢厚生年金・退職共済年金加給年金額加算開始事由該当届」という書類を年金事務所に提出して、加算対象になる配偶者がいることを、日本年金機構に報告するのです。

これを提出する際は結婚したことや、配偶者や子が生計を維持されていることなどを証明するため、次のような書類を添付します。

・ 老齢厚生年金の受給権者の戸籍抄本または戸籍謄本

・ 世帯全員の住民票の写し

・ 加給年金の加算対象者の所得証明書か非課税証明書

今回のように妻が外国籍で外国在住の場合、国によってはこれと同じものを、用意できない可能性があります

そのため年金事務所に問い合わせをして、代わりに何を添付すれば良いのかを、確認する必要があるのです。



受給権を取得した当時に胎児だった子は、加給年金の加算対象になる


今回の読者の奥様はまだ若いので、将来的には夫婦の間に子が生まれるかもしれませんが、その子は加給年金の加算対象にはなりません

その理由として加給年金の加算対象になるのは、老齢厚生年金の受給権を取得した当時、つまり65歳に達した日に、生計を維持されている配偶者や子になるからです。

ただ老齢厚生年金の受給権を取得した当時に、胎児であった子が生まれた場合には、その受給権を取得した当時に、生計を維持されていた子とみなします。

そのため子が生まれた翌月から加給年金の金額が改定され、二人分を受給できるので、再び手続きが必要です。

妻が65歳になると加給年金は、振替加算に切り替わる


加給年金の加算対象になっている妻が65歳になると、それまで夫に支給されていた加給年金は打ち切られます

しかしその加給年金は振替加算に切り替わり、妻が受給する老齢基礎年金に上乗せされます。

ただ妻の生年月日が1966年4月2日以降だと、加給年金は振替加算に切り替わらないため、加給年金の打ち切りと同時に、いずれも支給されなくなるのです。

今回の読者の奥様は年齢から考えて、このケースに該当すると考えられるので、振替加算の話については、特に覚えておく必要はないと思います。(執筆者:木村 公司)

この記事を書いた人

木村 公司 木村 公司»筆者の記事一覧 http://manetatsu.com/author/kkimura/

1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行なう。
【保有資格】社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種

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