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「神戸製鋼」問題から鉄鋼株の攻略を考える 高炉と電炉の違いを知ることが重要

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「神戸製鋼」問題から鉄鋼株の攻略を考える 高炉と電炉の違いを知ることが重要

品質データ改ざん問題で下落に歯止めが掛からない神戸製鋼(5406)。

米国のゼネラル・モーターズや欧州企業のエアバス等、海外企業にも同社のデータ改ざん製品が使用されており、国際問題化の様相を呈してきています。

良きも悪きも注目を集めつつある鉄鋼株。

実は、鉄鋼株には種類があるのです。値動きも高炉と電炉では異なります。今号では、それぞれの違いとその特徴について確認していきたいと思います。

高炉は高級鋼板、電炉は鉄スクラップ


鉄鋼株の値動きを知るには、高炉と電炉の違いを知ることが重要です


ざっくり言うと、工場設備の違いですね。高炉を持つか否かによって、作ることのできる鉄製品が異なるのです。

結論から言うと、高炉では高級鋼板。電炉では普通鋼を生産します

高炉メーカーは非常に規模が大きいことが特徴で、日本では、新日鉄住金(5401)やJFEホールディングス(5411)、さらには、今話題の神戸製鋼(5406)が代表格です。

一方で、電炉メーカーは、広大な敷地を必要とせず、作ることができる製品も限定的です。

しかし、機動的に生産量をコントロール出来る等、メリットも存在します。東京製鉄(5423)や日本製鋼所(5631)が電炉メーカーの代表格です。

自動車メーカーの業績から高炉メーカーの動向を読み解く


上述したように、高炉メーカーは高級鋼板を作ります。高級鋼板は主に、自動車メーカーに卸されます。つまり、

自動車業界の動向に高炉メーカーの株価は一喜一憂する

のです。


また、鉄鋼の生産大国である中国の生産動向にも注視する必要があります。現状、生産調整の方向に動いており、高炉メーカーには追い風と言えるでしょう。

トランプ大統領のインフラ投資効果も期待でき、神戸製鋼(5406)の不祥事で連れ安した高炉メーカーは押し目買いの好機かもしれません

電炉でつくられた製品は建設メーカーや造船メーカーに納品


結論から言うと、

電炉メーカーの株価は資源価格の上昇を後追いする傾向にあります


基本的に資源は、ばら積み船で運ばれます。いわゆる、ドライバルカーですね。乾貨物を運ぶ船です。資源の価格が上昇すると、ドライバルカーの需給が逼迫します。

つまり、船が足りなくなる訳です。これでは、船を新たに作りしかありません。

造船会社に卸す、普通鋼を作るメーカーは儲かりますよね。これが、電炉メーカーの株価が上がるロジックです。

もちろん、他にも要因ありますが、基礎知識として覚えておきましょう。

このように、鉄は鉄でも様々な種類が存在するのです。その違いを知ることで投資の精度は格段に向上します。鉄鋼株の基礎知識として確認しておきましょう。(執筆者:徳田 陽太)

《徳田 陽太》
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徳田 陽太

徳田 陽太

立命館大学卒業後、大和証券株式会社に入社。法人・個人営業に従事し、5年間で4年連続4度社長賞を受賞。退職後、Finanzaを設立し独立。FP業務や金融ライティング業務に従事。また、近年では企業向けのコピーライティングを行い、企業のブランディングにも参画。米国への留学経験があり、海外スタートアップ事情にも精通。 <保有資格>:証券外務員一種、AFP 寄稿者にメッセージを送る

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