※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

【スリムクラブ・内間政成さん】欠陥住宅に74歳まで月20万円のローン地獄。不動産&ローンのプロが教える「彼の失敗から学ぶこと」

ローン 住宅ローン
【スリムクラブ・内間政成さん】欠陥住宅に74歳まで月20万円のローン地獄。不動産&ローンのプロが教える「彼の失敗から学ぶこと」

住宅ローン地獄を激白したお笑い芸人

吉本興業のお笑い芸人である、スリムクラブ・内間政成さんが、

「74歳まで毎月20万円」の住宅ローン地獄

を告白して話題になっています。

さんざんな状態になってしまっている内間さんですが、住宅ローン破たん自体は増えていて、全くの他人ごととも言い切れない怖さもあります。

失敗談から学び、同じようなことにならないようにするためのチェックポイントを確認します。


ポイント1 中古住宅購入の際の注意点

最近は中古住宅ではもちろん、新築住宅でもインスペクション(住宅検査)を実施するケースが増えています。

住宅の施工においては、施工業者の技術や性能にばらつきがあり、完成後に見ただけではその良し悪しがわかりません。

新築住宅の場合、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」で、

住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の侵入を防止する部分について、引き渡しから10年間の瑕疵担保責任を負う

ということが、売り主である宅地建物取引業者や工事を請け負った建築業者に義務づけられています。

中古住宅の場合にも販売者が業者の場合には2年以上の瑕疵担保責任を負うことが義務付けられています。

中古住宅で売主が個人の場合

個人間売買ですので、瑕疵(住宅の欠陥も含めて)を担保する期間については免責、あるいは2~3か月程度に設定するケースが多くなります

住宅を売却される方は、その後の住まいなどをすでに手当てしていたり、相続などが発生し、住むことのなくなった住宅を売却したうえで売却資金を納税資金に充てるケースも多くなります。

売却後しばらくたってから想定外の支出が発生しても対応できなくなるケースが多いため、リスクを負う期間を短くしたいと考えるためです。

施工品質は不動産取引のプロでも難しい

施工品質について、素人にわからないのは当然ですが、不動産取引のプロでもトラブルに巻き込まれることがあります

最近は不動産業者が土地、あるいは中古住宅を買い取り、新築あるいはリフォーム・リノベーションを施した後、不動産業者がその物件を売主として再度販売するケースも増えています。

ところが、建物の施工に関する技術的なことについては不動産業者でも明るくない業者が多いです。

その業者が依頼した施工会社の施工不良を見抜けず

、トラブルに巻き込まれることがあります。

業者が販売時に欠陥を見抜けなかった場合


業者が販売する物件には住宅瑕疵担保保障が付くものの、販売時に欠陥を見抜けなかった場合、まず販売した会社が責任を負います

不動産取引では金額も大きく、責任を負い切れないことにもなりかねません

住む家のことですので、大きな瑕疵があれば買主の生活環境への影響は重大です。

保険をかけることも可能

現在はインスペクションを実施し、保険を掛けることもできます。保険でカバーされる範囲については確認が必要です。

売主が知らなかった場合でも保険によりカバーされますが、2011年当時ではその制度も整備途上で利用した人は少ないと思います。

ポイント2 住宅購入時の「返済計画」

このところ低金利が続いていることもあり、不動産業者は営業トークで

「家賃と変わらない返済額」
「金利負担の小ささ」

などをアピールし、購入を促します。

不動産はどれも「一品もの」であり、本当に気に入った物件を買うときには「悩んでいる暇はない」とも言えます。

それだけに、住宅探しを始める前に自分や家族の将来の資金需要や、返済計画を検討し、確実に返済できる予算を検討しておくことが重要です。

ポイント3 「頭金ゼロ」の危険性

今後トラブルになりかねないと私が感じるのは「頭金ゼロ」での購入です。

「これから不動産の価格は下がる」と言われていますが、実際にどうなるかはわかりません。

地域により差もあると思いますが、下がる可能性は意識しておくべきだと思います。

スリムクラブ・内間さんのように施工不良が見つかることで価値が下がってしまうこともあり得ないとは言い切れません

不動産価格が下がるとどうなるのでしょうか

自分で所有し、住んでいる不動産は住み続けているうちはあまり価格変動は気にならないでしょう。ところが、何らかの事情で売却が必要になる場合に注意が必要です。

売却価格よりもローンの残債が多い場合、自己資金を足さないと売却できなくなります

購入当初は売却するつもりはなくても、将来、収入が減る可能性や、家族構成の変化など何らかの事情で売却せざるを得なくなること、売却したほうがいい状況になることはあります

その時、追加資金を拠出する必要が出ると「売るに売れない」ということも起こりかねません。

そのためにも購入時には少なくとも1割程度の頭金を出しておくほうが安心です。また、頭金があると金利が下がることもあります

頭金を用意することで、さまざまなメリットとリスクヘッジができます

スリムクラブ・内間さんの場合はどうすればよかった?


内間さんの場合、番組の企画ということで事の成り行きはわかりませんが、「住宅の性能チェックが不足していた」ことが最も悔やまれるところです。

さらに

不具合を発見した時にどのように対応されたか

も気になるところです。

中古住宅ということで、以前にお住まいだった方がカビの発生などがあることを認識していた可能性はあります。

仲介業者などで、そのような現象が起きることを把握できれば当然指摘もあると思いますが、販売直前にリフォームなどを施していた場合には確認できないこともあるでしょう。

もともと売主が物件に欠陥があることについて知っていた場合は「瑕疵」とは言いません

しかしながら、

修補を求める場合には買主が売主に対し「売主は知っていたはずだ」ということを証明する必要がある

など、実際には困難な場合が多いでしょう。やはり第三者機関の検査を受け、お墨付きを受けておいた方が安心です。

住宅ローンを組む際の注意点

スリムクラブ・内間さんは3%の金利の住宅ローンを組まれているとのことでした。

2011年のフラット35の金利は3%くらいですので、固定で組まれているのであればそんなに高い金利ではないと思います。

もし変動金利で組まれていて現在も3%の金利ならば結構大変です。

借り換えのメリットはあるが…

今の金利はもっと下がっていますので、借り換えができればメリットも出ると思います。

しかし、その後、欠陥があることが判明したことで、購入した価格では売却ができなくなっていたり、現在の収入状況で借り換えをしようにも新たな与信が付かず借り換えができない、などの可能性があります

内間さんについてはわかりませんが、健康上の都合で借り換えができないというケースもあるでしょう。

芸能人、特にお笑い系の方は業界の新陳代謝が早く、収入も不安定な方が多いと思うので借り換えは難しい面も多いと思います。

将来のさまざまな環境の変化について完全に予測できませんが、ある程度予測は可能だと思います。

「返済できるか」を購入時の基準だけでなく、将来のことも見据えて検討しておく必要があるでしょう。

お笑い芸人のひとごとではありません


マイホームの購入は多くの人にとって人生最大の買い物です。金額が大きくなり、生活環境に大きな影響があることから失敗は許されないといえるでしょう。


テレビ番組の企画で買う方は気の毒だと思いますが…実際には衝動的に住宅購入を決めてしまう方は少なくありません

住宅購入の際は家探しを始める前の準備が非常に大切

マイホーム購入により、長期の住宅ローンを組む方がほとんどです。その期間中にはさまざまな環境の変化があるでしょう。その中には予見できる変化もあると思います。

スリムクラブ・内間さんは番組の企画で「買わざるをえない」雰囲気の中で決断せざるを得なかった可能性もあるでしょう。

いざ物件を決める際には勇気を持って決断する必要がありますが、住宅購入の際は慎重に計画しておく必要があります。

普通の人ではありえなかった準備状況、心理状況の中で住宅を購入したスリムクラブ・内間さん。このような悲劇が繰り返されないように祈ります。(執筆者:西山 広高)

最短60分で回答!無料で住宅ローン仮審査をするならソニー銀行へ

《西山 広高》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

西山 広高

西山 広高

西山ライフデザイン株式会社 代表取締役 慶應義塾大学卒。大手建設会社に入社し、主に建築営業とお客様の不動産の活用提案業務に従事。2015年に退職、西山ライフデザインを設立。ファイナンシャル・プランニングと不動産の知識と経験でクライアントの「ワンダフルライフ」の実現をサポートする。趣味は2006年から始めたマラソン。第1回東京マラソンに出場。その後、ウルトラマラソンやトレイルランニングの大会も出場、完走歴あり。妻と2人の子供の4人家族。1968年生まれ。東京都大田区在住。 <保有資格>:宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP、住宅ローンアドバイザー、ビジネス法務エキスパート 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集