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「インデックスに負けているアクティブ型投信は多い」は本当か? 実際に検証してみました

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「インデックスに負けているアクティブ型投信は多い」は本当か? 実際に検証してみました

「アクティブ型の投資信託の多くはインデックスに負けている」という声をよく聞きますが、本当でしょうか?

アクティブ型がインデックスに負ける理由として、コスト(信託報酬)が高いという点がよく言われます。中長期ではこのコストが効くので負けてしまうということです。

確かにこの点だけを考えるとその通りでしょう。

しかし私には、「市場は効率的である」という現代ポートフォオ理論や国際分散投資にスタンスを置いている方々が、「ETF等を用いていかにコストを下げて分散投資をするかが重要」と主張する根拠の1つとして用いているように見えています。

この「アクティブ型は中長期ではインデックスに勝てない」は半ば常識のようにも思われていますが、本当でしょうか?

鵜呑みせず、実際に検証してみましょう。


【検証】 アクティブ VS インデックス

楽天証券のスーパーサーチにおいて、「国内株式」、「運用年数3年以上」で検索し、アクティブ型の中でTOPIXをベンチマーク、もしくは参考指数としている純資産額上位10位の投資信託と、インデックス型のTOPIXを対象にした投信である「eMAXIS TOPIXインデックス」、配当込みTOPIXを比較してみました。

アクティブ型の信託報酬の平均は1.535%、インデックス型の「eMAXIS TOPIXインデックス」は0.432%なので、1年あたり1.103%の差になります。

単純計算で3年で3.309%、10年で11.03%の差となるので、この差が効いてくることは否めないでしょう。

では、実際のパフォーマンスはどのようになっているのでしょうか? 2017年9月末時点における、直近3年間と設定来の勝敗の結果は、次のようになりました。

(1) 直近3年間(2014年10月~2017年9月)


(2) 設定来(各ファンドの設定来~2017年9月)


(出所:楽天証券スーパーサーチ、各ファンドの月次レポート、日本取引所グループ 統計情報より筆者が独自作成)

直近3年間で比較すると、アクティブ型投信はインデックス(TOPIX(配当込))に対して5勝5敗ですが、高い運用コストがかかっているにも関わらず、パフォーマンスは平均で5.2%上回っています

インデックス型投信の「eMAXIS TOPIXインデックス」と比較すると、6.9%上回っています。設定来で比較すると、7勝3敗で勝ち越しています。

ファンドによって設定された時期が違うので一概に比較することはできませんが、設定来のパフォーマンスは平均でインデックス(TOPIX(配当込))を83.5%上回っています。

この結果について、皆さまはどのように思われますか?

アクティブとインデックス、あなたはどちら派?

アクティブ型投信もそれぞれですが、ウォーレンバフェット氏がいるように、運用力が卓越している運用者は実際にいます。

一方で、すべてのアクティブ型投信のパフォーマンスが良好ということではありませんので、インデックス型投信を志向するのも良いでしょう。

ただし、インデックス型投信はどんなにコストを抑えようが多少はかかるので、その分、インデックス以下(市場平均-コスト)となります。インデックス型投信で運用をするのであれば、この点の割り切りが必要です。

あなたはアクティブ、インデックス、どちら派ですか?(執筆者:白石 定之)

《白石 定之》
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白石 定之

白石 定之

マネーブレイン株式会社 代表取締役 中学3年のときから父の勧めで証券投資を始める。慶応義塾大学理工学部卒業後、株式会社日立製作所を経て、2000年10月より野村證券株式会社にて個人富裕層を中心に資産運用アドバイスに従事する。2012年11月に独立し、特定の証券会社に属さないIFA(独立系フィナンシャルアドバイザー)として活動後、IFA法人であるマネーブレイン株式会社を設立。著書に『資産運用で成功する人はここにいる』『投資信託でうまくいく人、いかない人』がある。 寄稿者にメッセージを送る

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