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【850万の壁出現】高所得サラリーマンや年金生活者には厳しい増税 稼ぐフリーランスはオトクなの?

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【850万の壁出現】高所得サラリーマンや年金生活者には厳しい増税 稼ぐフリーランスはオトクなの?

平成30年度税制改正大綱案の内容とは


先日、自民党税制調査会の幹部会合が行われました。

年収が850万円を超える給与所得者や高額年金生活者については、所得税を増税する方向で決まりました。

14日にまとめる与党税制改正大綱に盛り込み、2020年1月から実施するとのことです。

今年度の税制改正で行われた配偶者控除の見直しに加え、高所得のサラリーマンや年金生活者にとっては厳しい税制が続くことになります。

平成30年度税制改正大綱の具体的な方向性は次のとおりです。

給与所得者

・ 給与所得控除を一律10万円引き下げる

正社員やバイト・パートで給与所得を受け取っている人は、課税額が増えます

・ 給与所得控除の上限額の引き下げ

現行… 年収1000万以上で年220万円の給与所得控除上限
    
改正後… 年収850万円以上で年190万円の給与所得控除上限

ただし、22歳以下の子どもがいる人や介護が必要な人がいる世帯については増税にならないような措置を講じる予定です。

年金生活者


・ 公的年金収入1000万円超から控除額に上限を設ける(控除額上限 195万円)

・ 公的年金以外に所得がある場合には、年金控除額を減らす。

年金以外の所得が1,000万円超~2,000万円以下… 控除額10万円引き下げ

年金以外の所得が2,000万円超… 控除額20万円引き下げ

寡婦控除

未婚の一人親についても適用対象にする

全体

・ 基礎控除を一律10万円引き上げ(現行38万円 → 改正後48万円)
 
ただし、所得2,400万円から増えていくごとに段階的に控除額は減少、所得2,500万円でゼロにする。

稼ぐサラリーマンは増税、稼ぐフリーランスは減税

今回の増税は、副業などをする会社員や年金生活者が増加したことを鑑み、それぞれの所得控除額を圧縮する内容となっています。

一方、フリーランスは所得2,400万円まで稼ぐ人については減税するという内容です。

給与所得者に関しては、結論として全体の5%前後が増税になるかと思われます。

なお、具体的には以下のようになります。

年収900万円のサラリーマン → 約1万5,000円増税
年収950万円のサラリーマン → 約3万円の増税
年収1000万円のサラリーマン → 約4万5,000円の増税


フリーランスはオトク?

「取りやすいところから取る税だ」としてTwitterなどで批判が集まっている模様です。

「フリーランスは経費でいろいろ落とせてトクできているのに、サラリーマンや年金生活者にはそういうオトクな制度がない。それで増税なんて不公平だ」

と感じているのだと思います。

副業で稼いでいる金額が給料よりも多い人については「会社にいるだけ損だから起業しようかな」という方向に動くことになるかもしれません。

「控除」とは…

給与所得控除も年金控除も、いずれも国が定めた「サラリーマン特別経費」、「年金生活者の特別経費」のような存在です。

「仕事していく上でスーツ代や勉強代など、いろいろと経費がかかるだろうから」と、その年収や扶養家族人数に応じて自動的に経費額が決まっていく仕組みです。

フリーランスは確定申告の際、自分で経費を手で計算しなくてはならないのですが、サラリーマンなどの場合は、毎月の源泉徴収や年末調整で会社が計算してくれるため実感がわかないのかもしれません。

いずれにせよ、最終的な税制改正大綱が発表されるのを待ちたいところです。(執筆者:鈴木 まゆ子)

《鈴木 まゆ子》
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鈴木 まゆ子

鈴木 まゆ子

税理士・税務ライター 中央大学法学部法律学科卒業後、㈱ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。朝日新聞『相続会議』、納税通信、KaikeiZineなどメディアで税務・会計・お金に関する記事を多数執筆。著書に『海外資産の税金のキホン』(税務経理協会、共著) 寄稿者にメッセージを送る

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