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賃貸住宅と持ち家の生涯コストは条件によって違う
憧れのマイホーム。すでに実現した方も、これから実現する方もいるでしょう。
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賃貸住宅と持ち家の生涯コストの比較はよく語られますが、住宅販売会社の出す一般的な比較は、だれにでも当てはまるわけではありません。
仮に80年生きるとして、25歳ごろ、結婚と同時に家を買うとそこから55年、住み続けるにはどこかで必ずリフォームが必要になります。
また、子どもが多くなれば手狭になってしまうこともあるでしょう。
マイホームを売って新しい家を買うとなると、手間もものすごくかかりコストもかかってきます。
35歳ごろ、子どもが産まれてから住宅を購入すれば、間取りなどで苦悩することはないかもしれません。
しかしながら、進学などで子どもが出ていくことを考えると、そこから子どもと一緒にいる時間は何年になるでしょうか。
子どもが出て行ったあとは、日ごろ使う住居スペース当たりの単価は高くなりがちです。
45歳ごろに家を購入するという場合であれば、子どもの部屋を作っても、そこに暮らす時間はもっと短くなってしまうかもしれません。
また、定年などで、別の場所に移り住むということが、検討しにくくなる場合もあります。
このように、賃貸住宅と持ち家の生涯コストは条件によって違うのです。
25歳、35歳、45歳でマイホームを持つ場合の賃貸とのコスト比較
マイホームを持てば、固定資産税(年間約12万と仮定)が発生しますが、そこは賃貸の場合の駐車場代(月1万で年間12万円)と割愛します。
また、居住スペースが広くなる分、光熱費などが高くなることもありますが、最近では太陽光発電などで光熱費を削減できる場合があるので、考慮に入れません。
月に10万の賃貸住宅に住む場合、年間の家賃は120万です。
25歳でマイホームを購入した場合
25歳でマイホームを購入した場合と比較してみます。
80歳まで一律とした場合、55年間で6,600万になり、マイホームを2回建築できる計算になります。
定年までの35年を賃貸とすると4,200万になり、これも賃貸の方がお金のかかる計算にはなります。
ちなみに、月に5万の賃貸住宅の場合は、この半分となり、80歳までの55年で3,300万、定年までの35年間で2,100万となり、逆に賃貸の方が安くなります。
リフォームコストを考慮に入れると、賃貸住宅の費用によっては、賃貸住宅の方がコストがかかりません。
35歳でマイホームを購入した場合
35歳でマイホームを購入した場合での比較は、80歳まで月10万の賃貸住宅に住むと仮定すると、45年間で5,400万、定年までの25年では3000万です。
35歳でマイホームを購入すると、定年まで月10万の賃貸住宅の場合、賃貸に払う価格と同じ価格でマイホームに住めるということになります。
月に5万の賃貸の場合は、この半分の2,700万と1,500万となります。
45歳でマイホームを購入した場合
45歳の場合は、80歳までの35年間を賃貸とすると4,200万、定年までの15年であれば、1,800万です。
こちらも月に5万であれば、その半分の2,100万と900万となります。
ちなみにマイホームは築30年もたつとメンテナンスを行う必要が出てきます。
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リフォームの必要性も考慮
キッチン、お風呂、洗面台、フローリングは約20~25年
部分的なリフォームでも約200~500万円
これらのリフォームの必要が出てくると言われ、築30年のリフォームの費用の相場は全体のリフォームでは約1,200~1,400万円ほどかかると言われています。(参考:ハピすむ)
これらのことも、時期と物件価格、そして何よりライフプランを考慮して、賃貸とマイフォームのどちらにコスト的効用があるか試算してみるとよいでしょう。
マイホームの資産的効用は弱まっている
単に、マイホームへの憧れや、住宅ローン費用の方が家賃よりもコスト的にも安いといったこと、そして資産価値の面からマイホームを選択する人もいるかもしれません。
また、高齢になると、なかなか賃貸で貸してもらえないのではないかというような不安からマイホームの購入を考える方もいるかもしれませんね。
憧れや個人の好みであれば、コスト以上の満足度があるでしょうから、この限りではありませんが、実はマイホームに資産価値は望めません。
もちろん、土地代の高いような場所や、相当な豪邸などであれば資産価値が出るものもあるでしょう。
けれど、人口が減少し、空き家が増えているこのご時世で、確実に住宅が資産になるとは言えないのです。
そればかりか、売ろうにも売れず、持っている間は固定資産税がかかる負の遺産となってしまう場合もあります。
相続したはいいけれど、売れなくて、お金だけがかかって困っている人もいるくらいです。
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今は賃貸も余っている
また、高齢になると貸し手がいないというのは過去のことで、今では賃貸は余っていますし、保証人があれば貸してもらえないというのはよほどの高齢や事情がなければ、多くない話と聞きます。
加えて一般賃貸で考えると借りることのできる賃貸が少ないとしても、最近では多様な高齢者住宅が増えてきています。
実は持ち家のある方でもパートナーが亡くなってしまったり、体が弱ったりした場合は高齢者住宅への入居に踏み切る場合も多くあります。
つまり、ざっくり言えば、最後まで自宅に住み続けるか、子どもなどの世話になるか、はたまた高齢者住宅に入るかという最後の選択肢がある中で、最終的に高齢者住宅に入っている事実もあるということです。
マイホームにどこまで住み続けるかとういうことも考えてコストを考えていきたいものです。(執筆者:小柳 結生)