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日本の「少子化」は30年以上も前からわかっていた フランスの少子化対策「シラク3原則」にヒントあり

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日本の「少子化」は30年以上も前からわかっていた フランスの少子化対策「シラク3原則」にヒントあり

「少子化」テレビや新聞、雑誌やウェブでもこの言葉をたびたび目にし、耳にします。

いつから日本は少子化に悩まされてきて、いつまでも改善しないのでしょう。

30年以上前から少子化に向かうことはわかっていた

少子化、つりがね型

実は、30年以上前から当時の日本がこれから少子化に向かうことが統計上、わかっていたと言います。

しかし、まだ大丈夫だろうと時の政権が考えたのかどうか、今となっては知る由もありませんが、今は明らかに少子化となっています。

2017年の出生数は94万人となり、出生数が260万人を超えていた団塊の世代と比べ、1/3にまで生まれてくる子供の数が減っているのです。

一方で、2017年に亡くなった人は134万人となり、単純計算で40万人の人口が、減っていることがわかります

人口が減ると都会が住みやすくなる?

人口が減ることで、都会が住みやすくなるという意見もあります。

しかし、今の日本は東京一極集中となり、全国から東京へ人口が流れています。

人口が減ることで、地方の過疎化に拍車がかかります

結果として東京はますます混雑し、地方は人口減少に伴い経済も縮小していきます。

人口減少の結果、人でも足りなくなり行政サービスもまともに提供できなくなる自治体がでてくるのは目に見えています。

どのような政策をとるべきなのか

そんななか、日本はどのような政策をとるべきなのでしょう。

筆者は、内閣府の有識者会議である、少子化克服戦略会議にオブザーバーとして参加しました。

そこで話し合われていることを、ファイナンシャルプランナーとしての視点でお伝えします。

ある日の少子化克服戦略会議では、元ライフネット生命会長であり、現在立命館アジア太平洋大学(APU)学長の出口治明さんが日本と諸外国の、少子化の違いについてお話をされました。

まず、少子化対策の先駆者であるフランスの事例を解説。

シラク3原則という考えがあり、日本のみならず世界で共通となる、子育ての大変さをいかに緩和するかということについて、日本も真剣に取り組む必要があるというもの

シラク3原則とは

【第一原則】 育児の負担を軽くすることで女性が子どもを産みたいと思った時に産める環境を作る。

【第二原則】 仕事の有無にかかわらず託児ができるようにする。

【第三原則】 育児休暇から復帰したらより高いポジションを提供する。

少し解説します。

第一原則

育児は女性だけでなく、夫婦だけでもなく、社会全体で育てる認識の共有が必要で、政府のみならず高齢者も含めて育児に参加することで、子供を産むことが女性の負担にならないようにする、という考えです。

第二原則

働いていた人も、現在休職中の人も、あるいは学生であっても託児施設が使えるようにするというもの。

第三原則

育児は人の処理スキルをアップさせる。これは仕事に生きるスキルとなる。

仕事より育児の方が大変という意見もあり、育児を経た人の方が仕事の効率が上がる人が多い

日本では育児で仕事を休むと、マイナスの評価だが仕事より大変な育児をこなしてきたとして、評価をあげてしかるべきである。

ということのようです。

育児、少子化

諸外国では初婚年齢よりも第一子出産年齢の方が低い

このような考えが日本にも浸透すれば、たしかに子供は増えるでしょう。

しかし、日本では結婚適齢期という言葉があるように、社会が女性に子供を産む時期を定義づけてしまっていたり、結婚前に子供ができることを評価しなかったりと社会が子育てをしにくい環境にしていると考えられます。

諸外国では、初婚年齢よりも第一子出産年齢の方が低く、法律婚より先に子供ができていることがわかります。

出口氏のコメントで興味深いと感じたのは、海外では、「子どもを産んでみて、子育てに関与しないような夫をパートナーに選ぶことはない」つまり、子育てに協力的であって初めて法律婚に進むという考えが当然のように受け入れられるようなのです。

日本風に言うと、できちゃった婚、おめでた婚。

一度籍を入れると離婚するのも大変ですから、子育てに耐えられる人間かを、出産後に見極めるのは合理的です。

私も仕事柄、夫婦関係のよくない方からのご相談を受けます。

表面上は夫婦でも、片方が関係を諦めていることが多々あります。諦めているのはほとんど女性です。

日本人男性で妻と良好な関係を築いている夫婦は少ないと思います。

将来的に子供や家庭を持ちたいと考えたときには男性なら女性に選ばれるようになる必要がありそうです。

イクメン、少子化

女性と男性ではホルモンの出方が違う

女性は男性を育児できるように教育すればいいのです。

女性は子供を産むとホルモンがでて育児モードになるようですが、男性は育児を通じてホルモンが出てくるようになるそうです。

鶏が先か、卵が先かという議論もありますが女性は産んだ瞬間から愛情があふれ出て、男性は子育てが先、その後愛情が生まれるようです。

まずは、男性の育児休暇を1か月ほどとってみると、男性が育児に慣れて自信を持てて、その後の育児が順調になるそうです。(執筆者:高橋 成壽)

《高橋 成壽》
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高橋 成壽

高橋 成壽

寿FPコンサルティング株式会社 代表取締役 神奈川県藤沢市在住。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、金融系のキャリアを経て、2007年に寿FPコンサルティング株式会社を設立。横浜市を中心にライフプラン相談、マイホーム取得相談、保険見直し相談、資産運用相談、相続対策相談など、30代から90代まで幅広い世代から人生とお金に関する相談を受けている。ライフプランの窓口を企画・運営している。 <保有資格>:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP 寄稿者にメッセージを送る

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