葬儀後の「相続」は手順を間違えると「争族」に。相続人の確定~名義変更までの4つの流れを説明します。

葬儀が終わり、相続の手続きを行うにしても、いままでにない経験だと手順すらわかりません。

相続が発生してから名義変更までの手続き
の手順を間違え困る方も多いので、今回は手順について説明します。

本当の知識がないと税務署からの指摘で大変になるケースもあります。


ケース1:各金融機関に行き名義変更に必要な資料を集める

「とりあえず名義変更」は危険


葬儀代も必要だし、各金融機関に行き名義変更に必要な資料を集めるが、膨大な資料を前に途方に暮れる。

問題点


預金を長男のところに全て入れていたが、後日他の相続人さんとのトラブルに。

銀行の依頼書には「代表して受け取る方」を決めているだけです。

他の相続人さんにそのことを説明の上、実印をお願いしないと不信感をもたれてしまいます

正しい手順


1. 故人の残された預金は実際どれだけあったのかを調査

2. 配分を相続人全員でじっくり話し合って決める

また相続税が各人どうなるかでも考慮すべきです。

僕の経験では、亡くなられてから1年後仏壇の中から郵便局の貯金が1,000万円出てきて再度相続人さんに依頼したところ、
「前はそんなに預金があると思わず印を押してしまいましたが、これでは分割協議のやり直しを考えている!!」
といわれ途方に暮れた方があります。


ケース2:土地建物の名義変更

土地建物の名義変更は司法書士に依頼し早々に終了しておく。

問題点


相続税が発生される方の場合、取得される方により土地の評価が軽減される制度があります。

また配偶者についても相続税が軽減される制度がありますが、2回目の相続税(例 父→母)を考えると配偶者の配分によりトータルの相続税も変動します。

・ 税金

・ 各人の事情

も勘案し分割は決めないといけません。


ケース3:死亡直前に預金を引き出す

死亡直前に現金を引き出す


死亡直前に預金を引き出し相続人の通帳に入れておく。

問題点


相続発生しすぐ葬儀代金の支払いの問題があり事前に引き出される方は多いです。

このこと自体は、やむを得ないですが金額が多いと
残った預金はどうしたの?
と他の相続人さんの疑問点になります。

そもそも事前に出したお金は相続税上、「預け金」として計上することになり、相続税対策にもなりません

多額の引き出しの場合、税務調査に入りやすくなります。


葬儀後の手順

1. 相続人の確定

2. 遺産調査

3. 相続税の確認

4. 名義変更

1. 相続人の確定


実際、戸籍を取ると
親から聞いていない相続人
が出てくることがあります。

市役所に行き、「〇〇の相続のため戸籍を取りに来た」と言っていただくのが一番良いかと思います。

戸籍をとると知らない人


2. 遺産調査


不動産の種類、場所、利用状況の把握です。

預金、保険、証券会社、ネットでの取引も確認します。

3. 相続税の確認


各人の相続税は全体像、評価がでないと算出できません

1,000万円を相続しても基礎控除以下の財産で有れば、相続税が出ないことがあります。

また1億円の遺産のうち1,000万円なのか、10億円のうち1,000万円なのかでも各人の相続税は違います。

4. 名義変更


全員の方の同意の上で遺産分割協議書を作成し、最後に名義変更です。


手順は重要

順番を間違えて、かつ不透明に手続きを進めると2年後税務署からの指摘で、遺産分割が振り出しに戻ることもあります。


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(執筆者:橋本 玄也)

この記事を書いた人

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父の死をきっかけに相続に関心を持つ。その後、祖母、母の相続と3回相続を経験。自身の体験から相続人の気持ちがわかるFPです。愛知県の会計事務所にて20年近く相続専門の実務担当として様々な体験をしてきました。遺産分割はこれまで500件以上関わっています。まとまる相続、相続人全員の方から喜んでいただくのを生きがいにしています。おかげさまでこれまで、担当したお客さますべて、全員の合意による遺産分割を行っています。また、相続税申告における土地の評価についても定評があり、多額の還付金請求にも実績があります。老人会、市役所、商工会議所、ハウスメーカー、金融機関、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会等、講師経験豊富です。
<保有資格>:一級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP、宅地建物取引士、相続診断士
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