【ふるさと納税】「シミュレーションしたのに、上限額を超えて損してるなんて…」 計算法を具体例で確認»マネーの達人

【ふるさと納税】「シミュレーションしたのに、上限額を超えて損してるなんて…」 計算法を具体例で確認

所得税の確定申告期限まであとわずか。

あちこちにふるさと納税した方は、資料整理や計算でお忙しいのではないかと思います。

がんばって計算した結果

「えっ、あんなに払ったのに、還付はこんなに少ないの?」

とショックを受ける人も。

ふるさと納税、還付金少ない


計算が間違っているのでしょうか?

それともシミュレーションが間違っているのでしょうか?


シミュレーションサイトで見る節税額は「所得税 + 住民税」

ふるさと納税のポータルサイトはいくつかあり、そのほとんどが「いくらまでふるさと納税をしたら損しないで済むのか」を計算するシミュレーションサイトを設けています。


ほとんどの人は、このサイトでシミュレーションしてからふるさと納税をしています。

なぜかというと、ふるさと納税、つまり税金での寄附金控除制度には「これ以上寄附しても税金は安くなりません」という上限額が設定されているからです。

払いすぎれば節税ではなく、単なる「高い買い物」となってしまいます。

ただ、確定申告をしたとき、実際に計算した節税額とシミュレーションでの金額があまりに違っていてびっくりするかもしれません。

シミュレーションで提示された金額は、「所得税 + 住民税」での節税の合計額です

そして、住民税での節税額が所得税の節税額を上回ることがほとんどなのです。


実際の節税の計算はどうなっている? 年収400万円独身の人の場合

では、実際の節税の計算がどうなるかを見てみましょう。

ここでは、年収400万円の独身の男性が4万1,000円のふるさと納税をした場合を例にとってみます。

計算を簡易にするため、ふるさと納税による寄附金控除と基礎控除以外は所得控除がないこととします。

所得税、住民税での節税額は次のようになっています。

ふるさと納税、独身男性


所得税節税額


(ふるさと納税した金額 - 2,000円)× 所得税額を計算するときに適用される税率

※ただし、総所得金額等の40%が上限額です

住民税節税額


次の(1)と(2)を合計した金額

(1) 基本分

(ふるさと納税の寄附金額 - 2,000円)× 10%

※ただし、総所得金額等の30%が上限です

(2) 特例分

(ふるさと納税の寄附金額 - 2,000円)×(100% - 基本分10%-所得税率 × 1.021)

この計算式での金額が住民税所得割額の2割を超える場合には「住民税所得割額 × 20%」

これを例の男性に当てはめると、次のようになります


給与の総収入金額 400万円
給与所得控除 -134万円(所得税法で決まっています)

給与所得の金額 266万円

給与所得の金額 266万円

ふるさと納税による寄附金控除
-3万9,000円(= 4万1,000円 - 2,000円)

基礎控除 -38万円

課税前所得合計額 224万1,000円

∴適用税率 10%(所得税法で決まっています)

そのため、この男性の場合のふるさと納税による節税額は次のようになります


所得税
 
(4万1,000円 - 2,000円)× 10%=3,900円

住民税

(1) 基本分

(4万1,000円 - 2,000円)×10% = 3,900円

(2) 特例分

(4万1,000円 - 2,000円)×(100% - 基本分10% - 所得税率10% × 1.021)= 3万1,118円 → 3万1,100円(百円未満切り捨て

(3)基本分(1) + 特例分(2) = 3万5,000円

合計節税額


所得税 + 住民税 = 3万8,900円 

つまり、合計額から見ると、おおよそ、ふるさと納税額4万1,000円から自己負担額2,000円を除いた金額が節税金額となります

また、住民税は今年の6月から毎月天引き納付する住民税額に反映されます。

つまり、節税効果が出てくるタイミングが異なるのです。


シミュレーションと実際の節税額が異なる理由とは

ふるさと納税、シュミレーション
また、シミュレーションをしたとしても、実際の節税額がシミュレーション通りにならないこともあります。

その背景には、おおよそ次のようなものがあります。

・ 給与所得以外の所得がある場合

・ 結婚や離婚、死別などにより扶養家族に異動があった場合

・ 昇進などにより給与所得などが最初の想定より増えた場合

・ 医療費控除や雑損控除、住宅ローン控除など、ふるさと納税以外の所得控除(配偶者控除、扶養控除、基礎控除を除く)や税額控除がある場合

例にあげた男性のように、「寄附金控除と基礎控除以外の控除がない」というケースは稀ではないかと思います。

社会保険料控除はほとんどの人が適用を受けています

iDecoを始めたことで小規模企業共済等掛金控除の適用を受ける人、通常の医療費控除やメディケーション税制での医療費控除を受ける人もいるでしょう。

また、これ以外にも月額の給与やボーナスの変動など個々人の事情によってシミュレーションと異なるケースはいくらでも出てきます。


さいごに

最後になりますが、シミュレーションはあくまでも目安です。

そしてシミュレーションも万能ではなく、一定条件を満たした人でなければ計算できないようになっています。

ということは、誰もがもれなく100%損をしないようにシミュレーションを完璧に設計するのは困難だということです。

シミュレーションとの誤差に一喜一憂するよりも、確定申告書の内容に間違いがないかどうかにエネルギーを注ぐようにしてくださいね。(執筆者:鈴木 まゆ子)

この記事を書いた人

鈴木 まゆ子 鈴木 まゆ子»筆者の記事一覧 http://ameblo.jp/mayusuzu8/

税理士、心理セラピスト。
2000年、中央大学法学部法律学科卒業。12年税理士登録。現在、外国人の日本国内での起業支援に従事。会計や税金、数字に関する話題についての記事執筆を行う。税金や金銭、経済的DVにまつわる心理についても独自に研究している。共著に「海外資産の税金のキホン」(税務経理協会、信成国際税理士法人・著)がある。ブログ「税理士がつぶやくおカネのカラクリ」
<保有資格>税理士
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