「かんぽ生命」の「信用」「安心」は本物か?»マネーの達人

「かんぽ生命」の「信用」「安心」は本物か?

「今までの保険は売らなくなったから新しいのにしか更新できなかったんだけど、イマイチその中身に不満があるんだよね…。前からお世話になってるし信用できるから、契約したんだけど…。どう思う?」

おどろきました。

そんなふうに保険契約する人、いるんですね。それも私の親戚に。

それにしても、お付き合いでそんな巨大な金額の契約をするなんて。

ひと世代上の人って、そうなんでしょうか。偏見でしょうか。

かんぽ生命


≪画像元:かんぽ生命



まちがい(1) お付き合いで保険契約

私の親戚が契約更新(?)したのはかんぽ生命の保険でした。

いや、かんぽ生命が悪いなんて言わないですよ。

しかし、相手の得意不得意を理解せずにお付き合いするのは、人間相手でも保険相手でも失礼です。

かんぽ生命の長所の一つは、生活に密着した郵便局の窓口で加入できるということですよね。

それは良い。最近は変わってしまいましたが、イノッチのCMもたいへん好感が持てました。

でも、生命保険契約は毎月の保険料こそ数千円~数万円ですが、それが毎月だからこそ、10年20年と継続すれば簡単に数百万円にも膨らんでしまう買い物なのです。

アナタ、お付き合いで乗用車並みの買い物するんですか? しかも内容には不満もあるのに…。


まちがい(2) かんぽ生命の「信用」

「かんぽ生命は信用できる。」はい。これは否定できないです。ただし誤解もあるようです。

財務健全性が高く、保有契約保険料も多い(〇)


生命保険会社の健全性を示すソルベンシー・マージン比率。

200%を超えればまず良し、というものなのですが、2017年のかんぽ生命はそれを大きく上回る1,289.1%。

うむ、良い。格付けはAA-(R&I),AA(JCR),A+(S&P)となっています。こちらも悪くない。

さらに、保険会社の保有年換算保険料(個人保険と個人年金保険の合計)は、3兆7773億円(2016年)と国内生保中トップになっています。

これはそれだけ大きな保険ビジネスを展開しているということ。

保険は相互扶助ですから、かんぽ生命という輪に入っているお金が大きさいということは、やはり安定性を裏付けるものだと評価できます

日本政府は保険契約を保証してくれる(×)


ただ、このような誤解をしている人、多いのではないですか?

郵政民営化以前、かんぽ生命が「簡易保険」と呼ばれていた時代には、確かにそういうことがあったのです。

しかし今となっては過去の話。現在は国による保証はありません。(更新せずに継続している保険契約は、政府が債務保証する郵便貯金・簡易生命保険管理機構が引き続き管理しています。)

郵便貯金・簡易生命保険管理機構




ですから、かんぽ生命が破たんした場合、その契約は他の生命保険会社のものと同様、生命保険契約者保護機構が救済することになります。

となれば以前の政府100%保証ではなく、責任準備金の90%保証になりますね。

簡易保険時代の優遇は、かんぽ生命には引き継がれていないのです。

にもかかわらず、かんぽ生命は簡易保険時代の性格の一部を引き継いでいます。

その中でも私が気になるのは、加入条件が甘いというところ。

具体的には、医師の診査が不要で手続きが簡易であることと、職業による加入制限がないというところです。

つまり、他の生命保険会社なら加入を断られる人でも加入できるということですね。

ひるがえせば、それだけ保険金支払いが行われるケースが多くなるため、ほかの生命保険会社で加入できる契約よりも、保険料が高額になるはずだという理屈になります。

むしろ不利じゃないですか?


まちがい(3) 途中で保険金額が激減する終身保険

最後に。現在かんぽ生命が広く販売している終身保険「新ながいきくん」。

最大の特徴は、保障金額が保険料払込期間終了後に5分の1ないし2分の1に減るところです。(正確には、終身保険の保険料払込中に同額ないし4倍の定期保障が上乗せされる。)

このため、保険料払込期間中は手軽な保険料で手厚い保障を得ることができます。しかも、保険の名前は「終身保険」のまま。

これ、難しい保険です。何をもって当初保障が5倍・2倍なのか

きちんとその後の人生のキャッシュフローを計算して、保障を減らすタイミングと必要保障額を見定め、不足分は他の保険で補って…という思考経路を経ないと契約できないはずです。


最後に

かんぽ生命


そのあたりをちゃんと理解して加入していますか?

いざというときに保険金額が足りない! なんてことに、なりませんか…?

「あのころは現行預金だけで7%くらいの利子が付いたわ~」なんて言う私たちの親世代。

それはその通りで、彼らが現役だったころと現在とでは、金融の世界の常識が全く異なっています。

にもかかわらず、分かりやすい預金だけではなく、保険やローンにまでその発想転換が及んでいない人もおられるんですね。

彼らのお金は私たちのお金ではありませんが、不適切にお金を流しておられるのは忍びない。

プライドを傷つけないように気をつけて、助言したいところです。(執筆者:徳田 仁美)

この記事を書いた人

徳田 仁美 徳田 仁美»筆者の記事一覧 (103)

関西地方都市在住の30歳代主婦。某私立大学文学部卒。「良いものを長く使う」「不健康が最大の損失」「家族円満は無料で最大の幸福」を心がけて、主婦業を営む。夫の収入で家計を管理する、現在は2児の母。子だくさんでも成立する家計を模索。家計とは別に、結婚前の貯金を株式投資やFXなどで運用する。投資歴は8年程度。最近は新しい時代を作ってくれそうな企業に注目している。
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