「離婚」の話がでてきたら 話を有利に進めるために「確保しておくべき証拠」をケース別で解説»マネーの達人

「離婚」の話がでてきたら 話を有利に進めるために「確保しておくべき証拠」をケース別で解説

いざ夫婦の間で離婚の話がでてきた…そんなとき、どんなことをしておけばいいですか?

離婚の話がでてきたら証拠集めにやっておいた方がよいこと


ご相談ではよく伺う質問です。

離婚について、条件面も含めた対立がなく、話し合いで終わるのであれば、早く解決しますし、離婚の話が出るまでのいろいろな証拠も必要ではありません。

証拠が必要になってくるのは
話し合いで終わりそうにない場合
です。

たとえば、
・そもそも離婚について相手方が反対していて、とても話がつきそうにないケース

・離婚についてはお互い仕方がないと思っているけれども、お金のこと・子供のことで話がつきそうにないといったケース

になります。

ここでいうお金のことでの対立は、
慰謝料・財産分与・養育費
が一般的です。

また、子供のことは
どちらが親権をとるかが中心
になってきます。

こういった、離婚自体・あるいは離婚の条件面で対立しているときには、話し合いがつかなくなった先を見据え、裁判になったときも含め対応を考えておく必要があります。

それというのも、調停は裁判所での話し合いの場なので、最終的には証拠いかんによらず折り合えるかで決まるものの、裁判となると、厳密に証拠に基づいてどんな事実があったか、なかったかを裁判官が最終的に判断する手続きになるからです。

そのため、
証拠のあるなしで、結果的には離婚が早くできなくなる、あるいは十分な金額のお金の受け取りができなくなりかねない

のです。

家庭内のことですから、裁判になったときでも話し合いの場(和解の期日)が設けられることもよくあり、そこで話がまとまることも多いです。

ただ、裁判までになると感情的なこと、経済的なこと、その他もろもろあってお互い譲り合うのが難しいこともあります。

その場合に備えて、最終的には裁判官が判断するようになったとき、
自分の言い分が認められるだけの裏付けとなる証拠をいかに確保できるかが重要
になります。

それではどんな証拠があるとよいのでしょうか。

対立している点ごとにみていきます。


どんな証拠があるとよいのか

1. 離婚するかしないかで対立している場合


法律上、離婚が認められるには、離婚理由にあたる事情が必要になります。

離婚するかしないかで対立している場合


離婚理由としては、夫(妻)の不貞行為(浮気)があった場合・夫(妻)の生死が3年以上わからないときなど5つの項目が挙げられています。

相手の不貞行為(浮気)以外はレアケースな項目が多く、結婚生活を続け難い重大な理由があるかどうか、という項目にあたるかどうか判断することになるケースが大半です。

とくに裁判になったときは、
相手の不貞行為(浮気)と暴力の存在については証明できる証拠があると有利
です。

ですから相手に不貞行為(浮気)・暴力があれば、それを裏付ける証拠(不貞行為の場合は探偵の調査報告書や浮気相手とのLINEなどのやりとり・浮気をうかがわせる宿泊情報など/暴力の場合は診断書・写真など)の確保が決め手になります。

それ以外の離婚理由の場合には、いろいろなものの積み重ねになりますが、証拠といえるものの確保が難しいことが多いです。

私が経験したケースですと、暴言の場合は録音テープ、物が壊れた写真・人格否定をする内容が入ったメール、言われたことをその度に書いたメモ・日記を証拠として提出したことはあります。

2. お金についての争いがある場合


相手方に慰謝料を請求する場合、その裏付けになる証拠としては上であげたものと重なってきます。

離婚で相手に慰謝料や養育費を請求する場合


財産分与については、相手方の別居時点の財産に関する資料が必要になるので、相手方名義の預金通帳などの写しがあると財産分与の対象になる財産がつかめ、どのくらい分与してもらえそうかあらかじめ把握しやすくなります

なお、最近では夫婦といっても相手方の同意がないと、銀行から口座の取引履歴を取り寄せることが難しくなっています

ですから、ご自身が相手方の通帳を管理している場合は、返す前にあらかじめ通帳のコピーをとったり、写真を取っておく方がよいでしょう。

結婚後に車や不動産を買っている場合には、その評価額が必要になるので、査定をしてもらいましょう。

3. 子供に関することで対立がある場合


主に親権者にどちらがなるかということでの対立になります。

離婚で子どもの親権者にどちらがなるか問題


親権者を誰にするのが子供の健やかな成長にとってふさわしいか判断するには、これまでの子供をみてきた実績が一番重要になってきます。

ですから、離婚の話が出るまでに子育ての実績があればその裏付けになる資料を探しておきましょう。

証拠として提出するのが多いのは、
・母子手帳
・幼稚園や保育園の連絡帳
・行事参加の写真や動画
・小学校以上の場合には通知表
といったものが挙げられます。

裏付けになりうる確実な証拠が手元にあるほど、裁判になったときに相手が不利になる可能性が高くなるので、裁判に至るまでに自分が有利になるよう条件を進めることもできます。

もし条件を詰めることができたときは、お金の確実な支払いを確保するために、
離婚届の提出をする前に必ず公正証書を作成
しましょう。

公正証書を作成しておけば、その後相手方の支払いが滞ったときでも裁判を起こすことなく、公正証書の内容に基づき、相手方の給与などの差し押さえができます。

意外とよく聞くのが、まさか離婚を考えると思っていなかった、といって、裏付けになる写真をとっていなかったり、メールやLINEのやりとりを消してしまったという話です。

先にどうなるかわからないのに証拠集めをするというのもギスギスしそうで嫌な話かもしれませんが、それも離婚後の生活を安定させるためのものと割り切って、残せるものはきちんと残して備えるのが大事だと思います。(執筆者:片島 由賀)

この記事を書いた人

片島 由賀 片島 由賀»筆者の記事一覧 http://keiso-law.com/

勁草(けいそう)法律事務所 弁護士
平成20年弁護士登録。困った方に寄り添いながら仕事ができることに魅力を感じ、弁護士になる。離婚・相続など家族に関する案件、借金問題、交通事故、労働問題など幅広い分野を扱う。相談してよかったと思って頂けるよう、それぞれの立場に配慮しながら粘り強く対応している。
<保有資格>:弁護士
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