【元銀行員は見た】私の親も狙われた「マネー詐欺」 被害に遭いやすい背景や周囲が講ずるべき対策»マネーの達人

【元銀行員は見た】私の親も狙われた「マネー詐欺」 被害に遭いやすい背景や周囲が講ずるべき対策

高齢者を対象としたマネー詐欺が後を絶ちません。

警察はもちろん、詐欺の現場となる銀行も常にそのような詐欺を未然に防ぐべく目を光らせています。

しかし、年々その手口は複雑化し、警察とのいたちごっこが続いているのが現状です。

そこで、筆者(以下「私」)やその家族の経験をもとに、高齢者が詐欺に遭いやすい背景について説明します。

また、高齢の親が詐欺に巻き込まれないために周囲の人が心がけるべきことについてもお話しします。


マネー詐欺の主な手口

マネー詐欺にご注意


警察が全国的に注意喚起している主なマネー詐欺は以下の事例です。(参考:警視庁

1.オレオレ詐欺


子どもや警察、弁護士などを名乗りお金をだまし取ります。

最近は臨場感あふれる劇場型詐欺も増えています。

2.架空請求詐欺


ハガキやメールなどで身に覚えのない代金を架空請求します。

最近は「法務省〇〇支局」を名乗る詐欺が増えているようです。

3.還付金詐欺


税金の還付を偽装して被害者にATMを操作させてお金をだまし取ります。

4.融資保証金詐欺


架空の融資関連文書を郵送し、申込みを行った人に「融資保証金」を請求します。

最近は金融機関の監視が厳しくなったため、現金のやりとりを行う「振り込ませない」詐欺も増えています


実録! 私が見たマネー詐欺

次は、私のごく身近で実際に起こったマネー詐欺の実例を2件ご紹介します。

ケース1:「ご主人が痴漢で逮捕されました」


日中、実家に警察を名乗る人物からTEL。

母が電話を取ると、「ご主人が痴漢で逮捕されました」と言われ、示談金を請求されました。

しかし、まさにその時母の目の前に父がいたため、「主人なら(家に)いますよ」と母が言うと、電話がガチャンと切られたそうです。

ご主人が痴漢で逮捕されました


ケース2:裁判所からの「架空請求」


実家の父から我が家にTEL。

「裁判所からハガキで使った覚えがない〇〇というインターネットサービスの請求が来た」との話でした。

実家にはパソコンがないため、私にはすぐにそれが架空請求だとピンときましたが、父は「携帯電話のメールを利用したことで変なサービスにつながってしまったのか?」と心配したようです。

他にも、実家には投資話や融資話の電話が多く、詐欺とセールスの区別がつかない状態が続いています。

そのため、実家の両親は着信時にナンバーディスプレイを確認し、見覚えのない電話はすべて無視しているそうです


高齢者がマネー詐欺のターゲットとなる理由

以前は、高齢者がマネー詐欺のターゲットとなる理由がわかりませんでした。

しかし、日々高齢化する親が身近におり、自分自身も子どもが自立した今は、その理由が実感としてわかるようになりました。

子育てが終わる、あるいは長年勤務した会社を退職するなどの出来事があると、それまでの生活のほとんどを占めていた「日常」が180度変わります

すると身の置き所がなくなったかのようなむなしさを覚え、心理的に非常に不安定になり、人恋しくなります。

高齢者がマネー詐欺に巻き込まれないために


銀行時代の同僚がよく「取引先の〇さん(1人暮らしの高齢者)の家に行くといつも引きとめられて長話に付き合わされる」とボヤいていましたが、今ならその〇さんの心情が私にもよくわかります。

また、人は加齢により体力がなくなり、病気にもかかりやすくなります。

すると、そのことに対する不安が抑えられず、ゆううつになる時があるのです。

アラフィフの筆者自身ですらそのような状態に陥ることがあるのですから、高齢者はなおさらでしょう。

さらに、高齢になるほど親しい人を見送る機会が増えます。

そうなると身近に親しい話し相手がいなくなり、寂しさや孤独感にさいなまれる人もいます。

高齢者がマネー詐欺のターゲットになりやすいのはそのためでしょう。

マネー詐欺は、そんな高齢者の心のスキを突き、不安を増大させてお金を搾取する卑劣な犯罪なのです。

警察も上記と同様のことを指摘し、ホームページなどで高齢者の身内に注意を促しています


高齢者がマネー詐欺に巻き込まれないためには

上記のことをふまえた上で、高齢者がマネー詐欺に巻き込まれないために周囲の人が心がけたいのは、以下の事項です。

高齢者とマメに連絡を取る


身内など高齢者に近しい人は、電話、メール、LINE、スカイプなどで高齢者とマメに連絡を取りましょう

また、詐欺の疑いがある場合に言う「合言葉」を確認しておくのも有効です。

定期的に実家を訪れる


マネー詐欺の防止と親の安否確認をかね、身内や友人などが高齢者のお宅を定期的に訪れることも重要です。

近所の人を頼る


ご近所と仲良く


高齢者が身内と離れて住んでいる場合でも、ご近所関係が良好だと、その声がけにより詐欺を防げる可能性が高くなります。

そのため、ふだんから近所の人に高齢者の安否確認をお願いしておきましょう

そして、時折お礼の品などを持っていくと、その後も良好な近所関係を保てます。

万が一高齢者とご近所の関係が悪い場合は、地域の民生委員に安否確認を依頼するのも一つの方法でしょう。


さいごに

高齢者を狙う卑劣なマネー詐欺。

それを未然に防ぐためには、以上のような形で高齢者を見守ることが大切です。

それがマネー詐欺の被害を最小限に食い止める最大の防御手段ではないでしょうか。(執筆者:大岩 楓)

この記事を書いた人

大岩 楓 大岩 楓»筆者の記事一覧 (56)

元銀行員にしてベテラン主婦のフリーライターです。クレジットカードや節約記事などの執筆のほか、既成記事の校閲も行っています。50代になった現在、最大の関心事はずばり「老後のお金」今後のマネープランについて真剣に考え始めました。そこで自らの勉強も兼ね、銀行員時代に培った金融知識と25年以上の家計管理経験をベースにお金に関するさまざまな事柄について深堀りしていきます。
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