先月、千葉県市原市で、「ワンストップ特例」を使ってふるさと納税を行った全国88の自治体の寄付者125人について、税額控除の処理がされていなかったことが発覚しました。
合計額166万円。
一人当たり1~2万円損している計算になります。

同様のミスは、東京都渋谷区や岐阜県岐阜市でも発生しています。
なぜこのようなことが起きたのでしょうか。
そして損をしないためにはどうしたらいいのでしょうか。
ふるさと納税の処理は「手入力」、ヒューマンエラーは生じうる

今回の市原市でのミスは、システムを取り扱う市の職員が、入金確認後、本来入金確認の処理を行うべきであったところ、忘れていたことが発端でした。
処理ミスで、申告特例通知書が寄付者の自治体に届いていなかったため、ふるさと納税分が控除されなかったのです。
他の自治体でのミスも「通知し忘れ」や「担当者による引き継ぎでの誤り」が原因です。
最近のニュースでも話題になっているので、ご存知の方は多いかもしれませんが、ふるさと納税のほとんどは自治体の職員による手作業によるものです。
通常の業務だけでも大変なのですが、ふるさと納税の制度が新設されたり一部変更が行われたりしたことで、その分問い合わせ対応や事務処理、進捗確認といった煩雑な作業が急増し、パンク状態にあります。
ふるさと納税のポータルサイト「さとふる」と富士ゼロックスが提携して、自治体の代わりに「納税ワンストップサービス」を今年5月から開始したようですが、すべての自治体をカバーしているかどうかまでは不明です。
このような自治体側の状況ですから、今後もミスは起こり得ます。
自治体のミスで損をしないためには、ふるさと納税が確実に控除されているかどうかについて、自分の住民税の決定通知書を確認することが必要です。
住民税決定通知書のどこをチェックすべき?
では、住民税決定通知書のどこをチェックすべきでしょうか。
「住民税の税額」の欄をチェックしてみてください。
見るべきところは、税額の欄です。
その中に「都道府県民税の税額控除額(5)」、「市町村民税の税額控除額(5)」があるかと思います。

※東京都23区の場合には、「特別区民税の税額控除額(5)」、「都民税の税額控除額(5)」をご確認ください。

この数字を次の手順で確認します。
(東京都23区の場合は「特別区民税の税額控除額(5)+都民税の税額控除額(5)」)
2. 次に「ワンストップ特例でふるさと納税した合計額-2,000円(自己負担額)」を計算する。
3. 「1.-2,500円(※)=2.」になるかどうかを確認する。
※この2,500円は調整控除といい、国から地方への税源移譲の部分です。
ここで「あれ?」と感じたら、お住まいの自治体や寄附先の自治体に問い合わせをしてみた方がよいかもしれません。
寄付の事実について具体的に分かっていた方が確認しやすいので、何か寄附の事実が分かる書類が手元に残っていたら、それを見ながら問い合わせをするとよいでしょう。

自治体を責めたくなりますが、煩雑な処理が増えたことで、ミスが誘発されやすいのは事実です。
税金の管理もお金の管理のひとつ。
お金で損をしないためには他人任せにせず、自主的にチェックすることが肝心です。(執筆者:鈴木 まゆ子)
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