2018年3月、神奈川県厚木市に、冷暖房完備なのに水道光熱費無料、おまけに家賃とインターネット接続料まで無料という「ベーシックインカムハウス」がオープンし話題になっています。
オーナーであるカイリュー木村さんの「忙しいせいで自分の才能を発揮できない人たちから労働を取っ払ったらどうなるんだろう?」という疑問から始まったこの試み。
みなさんは、どうなると思いますか?
目次
ベーシックインカムハウスとは?
ベーシックインカムハウスでは家賃光熱費インターネット接続無料の他に、米や麺などの基本的な食料はハウスにあるものを食べてよく、さらに食費として1万5,000円が毎月支給されるそうです。
しかも自家用車1台をシェアしてつかうこともできます。
生きていくための費用はゼロ円です。
入居の条件は「やりたいことがあること」と「それを発信すること」だそうです。
入居者募集には70名ほどの人が応募し、その中から選ばれた5名が現在生活をしているのだとか。
年齢は20~30代で、職業は絵描きさんやWEBデザイナーさんなど。
みなさん自分のしたいことのために密度の濃い時間を過ごされている様子です。
社会保障を現物支給にしたらどうなるのか
筆者はこのベーシックインカムハウスの考えを生活保護に充てたらどうなるだろうか…と、考えました。
不正受給などが問題になる生活保護ですが、現金での支給ではなく、実際に「最低限度の生活」を提供するのです。
入居すれば1~2年は、働いていくら貯金をしても保障の打ち切りをしないということにすれば、一度つまずいても立ち上がれる人が増えるのではないでしょうか。
住むところもシェアハウスのような状態なら孤独死などが防げると思います。
どんな制度を作っても抜け穴を狙ってずるいことをする人はでるかもしれません。
でも、「失敗しても受け止めてくれる場所がある」というのは、困窮した場合の希望になると思います。
ある人にとってはそれが両親や実家であり、それがない人には国であると思えたら立ち直る勇気が持てると思うのです。
私財をなげうってベーシックインカムハウスという社会実験をされたカイリュー木村さんはすごいなぁと思います。
自分でもベーシックインカムハウス環境は作れる?
生活保護を受けるほどではなくても、社会にでてからやりたいことをみつけたり、世間知らずさに気づいて
「自分の生活を変えたい」
と思ったりしたとき、いつもつきまとうのはお金の問題。
無職になるのは非常に勇気がいります。(思いがけず、なってしまう場合もありますが)
そんな時のために、まずは何とかして年収額を貯金したいものです。
働くことから1年間離れ、すべてのものをリセットして考え直す時間が持てます。
会社が嫌で嫌で仕方ない時も「いつでも辞められる」と思うと気が楽です。
過去の自分に養ってもらいながら未来の自分をつくるのもいいものでは?
さいごに
「変わりたい」と思うタイミングは人それぞれ。
「〇歳だから」とか職歴の有無といった括り方だけでなく、いろいろな人生のいろいろな幸せがあるということに対して社会がもう少し寛容になれば、生きやすい日本になるのではないでしょうか。
「次」への足掛かりとなるような施設や制度が増えることを願っています。(執筆者:那波 りよ)