企業型確定拠出年金制度(以下企業型DC)に加入していた人が、60歳前に離転職をする際、それまで運用していた資産を新しい職場の企業型DCや個人型確定拠出年金制度(以下iDeCo)に移し替える必要があります。
しかしながら、手続きを失念している人が少なくないという情報を以前お伝えいたしました。
関連記事:企業型DCの放置が1,428億円に。離転職したら何をすべき? その疑問と手続きの方法を解説します。
6か月以内に自身で手続きをせずにほったらかしにしてしまうと、DC資産が国民年金基金連合会に強制的に移換されてしまいます。
そうなると、いくつかのデメリットを受けることになります。
・別途手数料がかかる
・加入期間に算入されないので、受取り時期が遅くなる
強制移換の件数が増えているということもあり、2018年5月より、離転職時の資産の移換をサポートする2つの方法が設けられました。
目次
1. 強制移換される前のサポート
自身で移換の手続きをしなくても、以前加入していたDCの資産(及び記録)を新たに加入する(または既に加入している)DC制度に移しかえてくれるようになりました。
安心な仕組みができましたね。
とは言え、自身で確実に移換の手続きをしたほうが良いと思います。
なぜなら、2つの理由があるからです。
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自身で手続きをする理由-1
自動で移しかえる条件は「基本情報が完全に一致」
基本情報が完全に一致しないと、今回新設のサポート対象から外れ、これまで同様、強制移換となってしまいます。
・基礎年金番号
・性別
・生年月日
・カナ氏名
結婚を機に会社を退職し、何も手続きをせず資産が強制移換された後、新たにiDeCoに加入するということもあるかもしれません。
結婚前と結婚後の姓が変わった場合は、同一人物なのに、強制移換された資産がiDeCoに自動的に移換されないということも考えられます。
こういうケース、結構ありそうな気もしますね…。
自身で手続きをする理由-2
移換される資産は掛金と同じ運用商品、割合で購入
基本情報が完全に一致した場合、新しく加入する(あるいは既に加入している)制度に自動移換されます。
しかし、運用の指図がされていないため、定期的にDC口座に拠出される(されている)掛金と同じ運用商品と割合で購入されてしまいます。
例えば、毎月の掛金はコツコツと時間分散しながら投資をしていくので、掛金の全額を株式投資信託で運用して積極的に狙っていく。
しかし、自動移換の資産はまとまった金額なので、株式投資信託と定期預金を組み合わせてリスクを抑えて運用したいということもあるかもしれません。
この場合は、自身で手続きを行うことで、運用の指図を行うことができます。
2. 強制移換された後のサポート
離職後6か月を経過し、強制的に移換されてしまった資産(及び記録)を、現在加入(運用指図の場合も含む)しているDC制度に移しかえてくれるようになりました。
2018年9月以降順次実施予定となっておりますが、この場合も、先ほどご紹介した「基本情報」と完全に一致していなければならないことに注意が必要です。
「今からでも自分で手続きをしたい」という方は、下記の電話番号に連絡してみてはいかがでしょうか。
ご相談に乗ってくれることと思います。
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03-5958-3736
受付時間 平日 9:00~17:30
土日祝日、年末年始(12/31~1/3)は利用できません。
(執筆者:横井 規子)
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