※本サイトは一部アフィリエイトプログラムを利用しています

注目記事

チャットアプリ「We Chat」は中国人の生活の一部 今後中国人観光客が望む商品、サービスがわかる重要なツールに

ビジネス 経済
チャットアプリ「We Chat」は中国人の生活の一部 今後中国人観光客が望む商品、サービスがわかる重要なツールに

外国からの観光客数は2018年1月から5月までで約1,314万人を超えた。

この勢いでいくと、年間3,000万人突破も夢ではない。

外国からの観光客が激増中

一時1,000万人突破は夢のような状況から一転してすさまじい勢いで伸びている

国別にみると下記の通りである。

韓国 : 341万人
中国 : 330万人
台湾 : 205万人

上記のうち、中国人観光客が普段本国の中国で、使うインフラは言うまでもなくWe Chatです

ここでWe Chatが中国人の生活の一部になっているかを紹介し、観光客として日本でのマーケティングツールとして欠かせない存在になっていることを紹介したい。

まずは中国人の生活の一部になっている姿を紹介したい。

中国の中で、約80%のアプリの浸透率We Chat

≪画像元:We Chat

最もよく使われているアプリ

中国の中で、約80%のアプリの浸透率で、二位の30%を大きく引き離している。

人数で言えば、10億人を突破している。

Alipayでも14%である。また、We Chatを週に376回利用している。

つまり、1日平均50回程度利用していることになる


≪2018年1-3月期の中国のAPP Top500(DT電商網2018年4月17日)≫

生活に密着していると言える。

あらためて、どんな機能があるのかを簡単に紹介したい。

(1) 友人との情報シェアだけではなく仕事としてのツール

友人との情報シェアは、Lineとあまり変わらない

よく言われる友人同士でのお土産リストは、友人と写真やリストをWe Chat同士で交換して、日本に旅行した際に多く利用しているのである。

プライベート以外に仕事としてのツールでも多く利用されている。

確かにLineでもファイルの添付機能はついているが、実際に日本で、仕事でLineの添付機能を使用している人はどの程度いるでしょうか?

おそらく日本では、会社のシステムの規定上Lineの添付機能を使用していないのではと思われる。(会社のメールで十分仕事できるからであり、用事が済んでしまうからである。)

中国であれば、特に営業職や工場勤務の方であれば、PCに向かっているとは限らないため、We Chatの添付機能を多く使っている。(写真だけではなく、PPT、Excel、Word等添付)


(2) 昼食や買い物をする際に使用するツール

リアル店舗

これは、日本でもあるが、QRコードをスキャンするだけで、買い物、レストランの決済、ネット上での支払いは可能である。

Alipayが加われば、正に1日がキャッシュレスで生活ができてしまうのである。(地下鉄やバスは、交通カードを使用する人が多いので、お金をいちいち出さなくても利用できてしまう)

オンラインの利用

これは、通勤時間を利用しての利用である。

女性でもほとんどが結婚しても仕事を持っているため、買い物の時間を少しでも有効に使っている。

例えば通勤途中の約1時間(上海や北京では通勤1時間は当たり前)の間に、オンラインショッピングを利用。

オンラインショッピングを利用すれば、わざわざリアル店舗に行かなくても買い物ができてしまう

中国のオンラインでの商品配達は、事前に携帯に電話が入り配達時間のやり取りができるし、仮に配達時に不在であったとしても、近くの預かり場所に委託することは可能である。

以前のように配達場所を職場にする必要がなくなっているほど中国はオンラインでの購入が当たり前のようになっている

商品カテゴリーによっては、約40%がオンラインで購入されている。(中国のリアル小売業が苦しむ理由でもある)

リアル店舗に行かなくても買い物ができるようになっている

(3) ニュース、情報を見るためのツール(PCのHPの代替)

中国では現実的には、PCよりも携帯で情報検索する方が多い。

それはほとんど携帯で用事が済んでしまうからである。

企業は、一般的にはPCだけではなく、携帯サイトで自社のサイトを開設している。

その上、情報が更新されると、友人同士でシェアするのである。

例えば、日本に関する情報としては、下記のサイトで積極的に日本の情報が見ることができる(場合によっては日本人の50代以上の人よりも日本のことを詳しく知っている中国人などが存在するかもしれない。)

日本窗(日本の窓)
看日本(日本を見る)
今日日本(現在の日本)

このように中国人は当たり前のようにWe Chatを使いこなし、普段の生活に密着しているのである。

We Chatなしで中国人に対するマーケティング活動は語ることができない。

もちろん日本のHPや政府、観光局JNTO(国際観光振興機構)のサイトに接触すればいいが、現実的には、日本語や英語ができないために、中国語で書かれたサイトを頼りにしているのが現実である。

よって、We Chatを利用して日本に観光に来るのである。We Chatの他にも有名なAPPは存在するが、ここでは省く)

中国人は北海道が観光地の人気スポットの一つになっているが、中国で売れている北海道のお菓子「白い恋人」も、実のところWe Chatのページを開設している。


白い恋人はしっかりとマーケティング活動をしているのである。

PCのHPを制作するよりも、We Chatでのサイト制作は、中国人には効果的である。

北海道には多くのお菓子類が販売されているが、白い恋人が人気なのは、しっかり戦略を立てているからである

We Chatを利用すれば、中国人観光客が望む商品、サービスがわかってくる

今後、外国人観光客を呼び込むためには、自国のインフラでの情報発信は必要であるが、中国に限って言うと、FB、Twittr、Lineが使用できないために、We Chatの開設が必要となる

ホテルや地方自治体に求められることである。1日平均50回も利用しているのであれば、十分接触頻度を上げる良いチャンスである。

個人レベルでは、中国人の友人ができた際には、We Chatのアカウントを開設してやり取りしてみるのも面白い。

それは、東南アジアにも華僑が非常に多いため、中国以外にも使えるためである。

We Chatを利用すれば、中国人観光客が望む商品、サービスがわかってくるかも知れない。(執筆者:廣田 廣達)

《廣田 廣達》
この記事は役に立ちましたか?
+0

関連タグ

廣田 廣達

廣田 廣達

アジア(主に中国)と日本の様々な違いを価値に変えるビジネスマン。専門はマーケティング、異文化間コミュニケーション。人生の中でほとんど中国人と接し、複眼的に物事を見ることを自負としている。中国での駐在経験や、ライフワークで行った講演会等で得られたことをベースに、今後の日本における生活の変化予測を、専門性の視点で(それぞれの国が評価されていることや、進んでいることを中心に)に取り上げる。 講演実績:三菱総合研究所、日刊工業新聞社、桜美林大学、異文化コミュニケーション学会(SIETAR)など多数 寄稿者にメッセージを送る

今、あなたにおススメの記事

特集