アメリカでは株価が順調に上昇しています。
好調な企業業績と「トランプ効果」もあってナスダックは新高値を更新しています。
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このままいけば、NYダウやS$Pなどの指数も年内に新高値を記録するような勢いです。
反面、日経平均は2万2,000円半ばで落ち着いた動きをしているものの、今年1月につけた2万4,000円の最高値にはまだ及びません。
日経平均が伸び悩んでいる理由はいろいろありますが、テクニカル的に見て、2万3,000円が大きな壁になっていることも原因の一つです。
日経平均 日足
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去年の衆院選挙での与党大勝で、11月にはいきなり2万3,000円台が入ってきました。
選挙前には1万9,000円付近だったので、4,000円の大幅上昇だということになります。
しかし、11月のSQ直前に、チャートのように大きな上ヒゲを出して、1,000円あまり急落しました。
その後は2か月近く、2万3,000円の節目で抑えられましたが、今年の大発会で暴騰して大きく上抜きました。
しかし、2万3,000円以上は値持ちが悪く、2万4,000円付近という、今世紀の歴史的な高値で、ひと月近くもみ合った後で暴落しています。
その後は8月に至るまで、一度も2万3,000円以上には復活していません。
ここからの動きを予想するには、この2万3,000円ラインが大きなポイントになります。

今までの日経平均の動きを見ていると、ナスダックや日経平均が新高値を大きく超えてから、その流れに後追いで上昇しているケースが多いです。
今年初めの日経平均の上昇も、ナスダックやNYダウの上昇と連動した形で起きました。
形から言えば、もうしばらくもみ合ったあとで、抜くときは今年の大発会のように、一気に抜いてくるような感じもします。
この2万3,000円の節目を抜いてくるかどうかで、今年後半の株価の展開が大きく違ってきます。
もしクリアーすることができれば、次の目標は2万4,000円で、そこで二番天井になる可能性が高いと予想します。
逆にいつまでも抜けないままだと、秋口には米中間選挙もあるので、大きな調整を強いられるでしょう。
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日経平均の動きを占うのに、もう一つ重要な要素はドル円相場です。
もし1ドル=115円近くの円安になれば、この2万3,000円のレジスタンスを超えてくる大きな力になるでしょう。
株式現物でも日経先物でも、値動きとしては、節目を超えてきたほうが、よりスリリングで旨みのある相場になると思います。
しばらく日経平均の動きを注視しましょう。(執筆者:岡 隼人)