Q:「父親の土地の上に同族法人がアパートを建てて、賃貸していますが、特に税務署に届出書は提出していません。

この場合、法人になにかデメリットはあるのでしょうか?

また、父親が亡くなった場合は、小規模宅地等の特例は使えるのでしょうか?」

土地の無償返還の届出書と小規模宅地等の特例との関係

解説

土地を使用している法人が「土地の無償返還に関する届出書」を提出していないと、借地権の認定課税を受ける可能性があります。

解説します。

1. 借地権の認定課税

個人が法人に土地を貸したにも関わらず、権利金等の授受がなかった場合、法人に権利金相当額の贈与があったものとみなし、法人のほうで受贈益課税が行われます。

これを、借地権の認定課税といいます。

2. 借地権の認定課税を防ぐには?

借地権の認定課税を防ぐには、「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に提出することです。

この届出書は、土地の借主が将来貸主に土地を無償で返還するということを、意思表示するもので、法人の申告期限までに行っておくことが大切です。

3. 小規模宅地等の特例との関係

「土地の無償返還に関する届出書」を提出していても、適正な地代を支払っている場合は、貸宅地として小規模宅地等の特例の対象となり、200㎡まで50%の評価減ができます。

4. 借地権と貸宅地の評価

「無償返還の届出書」の提出がある場合の借地権と貸宅地の評価は下記となります。

まとめ

思わぬ課税を受けるケースもあります

社長が保有している土地の上に、建物を建ててアパートや事業所として活用しているケースはよくあります。

この場合、土地の無償返還に関する届出書を提出していないと、思わぬ課税を受けるケースもありますので、気を付けましょう。(執筆者:小嶋 大志)